活動報告

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経済安保法案、参院内閣委可決/企業への政府介入強化/田村議員が反対討論

 経済安全保障法案が10日の参院内閣委員会で自民、公明、立民、維新、国民の各党の賛成で可決されました。日本共産党は反対しました。

 日本共産党の田村智子議員が反対討論に立ち、同法案について「中国に対抗する米国の経済・軍事両面の安全保障戦略と軌を一にして日本の経済安保施策を促進するものであることは、自民党の政策や質疑、参考人質疑からも明らかだ」と指摘。「脅威と不安をあおり、仮想敵を前提とした軍事的対立や安全保障政策に企業活動や研究開発を組み込むことは、民間企業や大学等への国家権力による監視や介入につながる」と批判しました。

 そのうえで田村氏は、官民協議会の設置によって軍事転用可能な最先端技術の研究開発に国が直接関与し、研究開発成果の非公表を可能とする仕組みがつくられることなどをあげ、「本法案は学問の自由を侵害し、研究の発展を阻害する」と指摘。基幹インフラ事業者に対する罰則も設け、設備導入や更新の際の納品業者・委託業者等の事前届け出を課し、政府による審査・勧告・命令まで行うなど、企業活動への政府の監視・介入が強化される問題を厳しく批判しました。


2022年5月11日(水) しんぶん赤旗

 

○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案に対し、反対の討論を行います。

 本法案が、中国に対抗する米国の経済、軍事両面の安全保障戦略と軌を一にして日本の経済安保施策を促進するものであることは、自民党の政策や質疑、参考人質疑などからも明らかです。

 中国による軍事的威嚇や覇権主義、また人権抑圧などは厳しく批判されるべきであり、外交的に解決が求められます。しかし、脅威と不安をあおり、仮想敵を前提とした軍事的対立や安全保障政策に企業活動や研究、技術開発を組み込むことは、民間企業や大学等への国家権力による監視や介入につながります。しかも、政府は、経済安全保障について定義はないと開き直り、具体の目的、政策を明らかにしていません。安全保障を理由とする規制が誰に対してどのように行われるのか、政省令に白紙委任するなど、断じて認めることはできません。

 以下、法案の内容に即して反対の理由を述べます。

 第一は、官民協議会の設置によって、軍事転用可能な最先端技術の研究開発に国が直接関与し、研究開発成果の非公表を可能とする仕組みをつくることです。
 防衛装備を始め、官側のニーズや機微情報の提供によって研究が促進され、研究者には罰則付きの守秘義務が課せられます。研究成果は公表が基本と言いますが、法律上の守秘義務の対象にならなかったものについても研究成果の非公開を要請することがあり得ると政府は認めました。成果の公開と相互批判は研究開発を発展させる原動力です。本法案は、学問の自由を侵害し、研究の発展を阻害すると言わざるを得ません。

 特定重要技術のシンクタンクは、外部機関への委託が予定されています。自衛隊や米軍などとの人事交流も排除されず、大学などに対する状況調査や軍事研究への参加促進を図るものと言わざるを得ません。

 特許の非公開制度は、戦前の秘密特許制度の復活にほかなりません。産業発展のため新技術の公開を原則とする我が国特許制度の唯一の例外が日米防衛特許協定ですが、対象のほとんどが武器技術ではなくデュアルユース技術であることが明らかとなりました。デュアルユース技術が非公開とされ、海外出願禁止となれば、産業発展を阻害することになります。また、学会などでの意見交換までもが処罰の対象となるとの答弁は重大です。

 第二は、企業活動への政府の監視、介入が強化されることです。
 基幹インフラの事業者には罰則も付して、設備導入や更新の際の納品業者、委託業者等の事前届出を課し、政府による審査、勧告、命令まで行うとしています。特定重要物資の供給事業者に対しても、取引先などを記載した安定供給のための計画提出が課されます。こうした規制強化には経済界からも懸念が表明され、参考人質疑では、経団連の参考人から、レッドラインを明確にしてほしいという発言までありました。中国への対抗措置であることは明らかですが、政府は特定の国を対象にしたものではないとしており、何が規制されるのか不明確です。

 生物兵器製造に転用可能な機械を中国に無届けで輸出したとして大川原化工機の社長など三人を逮捕、一年近くも勾留して自白を強要した冤罪事件は、経済安保の取組事例として今も警察白書に掲載されています。警察庁からは何の反省の弁もなく、同様の事件が生じかねません。警察によるいきなりの捜査を避けるため、企業は政府との情報交換を求めることになり、また、特定重要物資の安定供給確保支援法人基金による支援を受けるためなど、民間企業と政府の癒着も強く危惧されます。

 本法案は経済安保政策の一端にすぎず、米国の政策を見れば、今後、セキュリティークリアランスなど国民への更なる人権制約の措置は不可避となることも指摘し、反対討論を終わります。


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