活動報告

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陥没被害で協議迫る/田村智氏、NEXCO指導を

 日本共産党の田村智子議員は27日の参院国土交通委員会で、陥没・空洞事故から2年が経過した東京外環道問題について質問しました。

 陥没事故が発生した地域では、地盤補修工事が焦点となっています。田村氏は、9月のオープンハウス(展示説明会)で住民に提示された資材等の運搬方法は4案だったのに、8月1日の東日本高速道路(NEXCO東日本)と調布市との事前協議では2案のみだったと指摘。「選択外の案も並べて選択肢を用意したように装っている」と同社の対応についてただしました。

 国交省の丹羽克彦道路局長は、「8月1日の事前協議では二つの案を説明した」と認めました。

 田村氏は、10月13日の懇談で住民から、「地盤補修工事による振動等の影響は」「巨大なコンクリート壁によって地下水がどうなるのか、地盤沈下は起きないのか」「トンネル直上の地盤補修だけで大丈夫なのか」など不安の声が相次いだと紹介。外環被害住民連絡会・調布は話し合いの場を求めているのに、NEXCO東日本は拒否していると批判し、斉藤鉄夫国交相に「NEXCO東日本を指導せよ」と迫りました。

 斉藤国交相は、「NEXCO東日本が丁寧な説明をしている」と従来の答弁を繰り返すだけでした。


2022年10月30日(日) しんぶん赤旗

 

 

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は東京外環道と統一協会の問題について質問いたします。

 大深度トンネル工事により調布市で起きた陥没、空洞事故から今月で二年が経過をいたしました。十三日、私も現地でNEXCO東日本東京外環道工事事務所の所長などから説明を受け、住民の皆さんと懇談しました。国交省も事業者も大深度工事だから地上に影響はないと主張してきたのに、広範囲に住宅地の地盤をずぶずぶにしてしまった。住民の皆さんは閑静な住宅街での平穏な暮らしを奪われ、平穏な暮らしが戻るかも分からないという状態に置かれています。

 十三日の説明の際、異常な振動、騒音を住民が訴えていたのに掘削を続けて大規模な被害をもたらしたのではないのかというふうに私がただしますと、NEXCOの所長さんは工事を強引に進めたという認識を示されました。

 大臣にお聞きいたします。
 地上部で異常が起きてもなお掘削を進めた、この強引な工事が広範囲に民家の地盤を脆弱にしてしまった。お認めになりますか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず、今回の陥没、空洞事故により御不便や御不安を与えてしまっております地域住民の皆様には心からおわびを申し上げたいと思います。

 委員御指摘のNEXCO東日本の東京外環工事事務所長の発言の詳細につきまして承知しておりませんが、令和二年十月に発生した東京外環事業、関越―東名間の陥没、空洞事故の原因につきましては、特殊な地盤条件下においてシールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工にあること、このことが令和三年三月に開催された有識者委員会において確認されておりますということでございます。

○田村智子君 何日間も異常な振動があると言われて夜間は工事ができなくなったんですよ。で、止めて、それを動かすために、また特殊な、何というんですか、注入しなくちゃいけなかったんですよ、材料を。これがますます地盤を弱くしちゃった。異常な振動があっても強引に工事進めたと、だからおわびだと私は思いますよ。これね、本当にたまたま起こった事故と、特別な地盤だったから仕方がないと、こういう姿勢では、これは住民の皆さんも納得しないと思います。

 次に進みますが、地盤をどのように補修するか、どういう工事になるのか、資材運搬はどうなるのか、これが今直面している問題です。

 九月、住民向けのオープンハウスでは、資材や泥土の運搬方法として四つの案が示されました。資料の一枚目から五枚目がそれです。
 今回のオープンハウスでいただいた御意見を踏まえ、関係機関との協議を行うと。つまり、この四案の中から、オープンハウスでいただいた意見も踏まえて考えるという説明になっています。

 しかし、このオープンハウスに先立って、八月一日、NEXCO東日本と調布市との間で、地盤補修計画に関する事前協議が行われています。資材等の運搬で市道や公園を使うので、それぞれの案についてどこを使うことになるのか、調布市にあらかじめ示して協議をしたということです。

 調布市への説明資料、資料二として示しました。ここには、①は中継ヤードの設置が困難であることから品質が確保できない、②、③について事前協議するとあるんです。

 この①というのは、オープンハウスで示したケース四、松原通りから入間川上部を使う案、これはそもそも選択外だという説明ですね。

 そして、オープンハウス資料のケース一、品川通りから市道東七十六号を使って車両で運搬するという案、これも調布市と協議した形跡がありません。

 これ、四案についての詳細な説明とかやめてくださいね。私の質問は、八月の事前協議は二案だけ、ところが九月の住民へのオープンハウス、ここでは四案横並び、何でこうなっているんですか。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。
 地盤補修工事の検討に当たっては、まず多くの材料、また発生する泥土の運搬が生じることが想定されたため、材料等を運搬する方法を検討してきたところでございます。

 その際、実現の可能性のある案を検討するため、NEXCO東日本において、調布市等の関係機関と事前協議を行っております。

 御指摘の八月一日に実施されたNEXCO東日本と調布市との事前協議においては、品川通り等に管路を埋設する案、もう一つは、入間川上部に管路を敷設して、公園を中継ヤードとして使用する案の二つの案を中心に説明をしております。

 九月十一日、十二日のオープンハウスにおいては、それまでの関係機関との事前協議、これを踏まえまして、地盤補修材料等の運搬方法の四案を提示させていただいておりまして、それ以前の事前協議の資料と内容が異なることについて問題があるとは考えておりません。

 なお、調布市に対しましては、八月一日の事前協議後、改めてオープンハウスで地盤補修材料等の運搬方法の四案を説明することについて事前に説明していると承知しております。

○田村智子君 私の事務所で今朝、調布市に確認をいたしました。担当者からは、事前協議をしたのは二案だけだという回答が来ています。
 四案説明したんですか。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。
 調布市に対して八月十九日に四案を御説明いたしております。

○田村智子君 これね、調布市との事前協議の資料をよこせと言ったら、八月一日の資料をよこしましたよね。そこに二つだけですよ。別に説明しましたなんて説明聞いてないですよ。私が質問するって分かっていて、何日間もレクやって。こういうのを不誠実っていうんですよ。しかも、最初からもうこの二案が可能性があるっていう説明だったとしか思えないんですよね。

 大臣ね、これは住民への丁寧な説明どころではないですよ。私は、これは、オープンハウスではそもそももう選択外だと東NEXCOが分かっている案も並べて、あたかも選択肢を用意したかのように装った、これは丁寧な説明じゃないです。住民に対して余りに不誠実な対応だと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほど道路局長が御説明申し上げましたとおり、住民の皆様には丁寧に対応するように私からも指示をしているところでございます。

○田村智子君 八月十九日っていうのは今初めて聞きました。
 これ、改めて、そのときの説明資料等々を含めて委員会への提出を求めます。

○委員長(蓮舫君) 後刻理事会で諮ります。

○田村智子君 このことも含めて、もう不信しかないですね。私は、住民の求めに応じて説明会を行うべきだというふうに思います。

 NEXCOの東日本は、地盤補強対象、あっ、補修の地域の家屋解体や準備工事、十一月から着手すると昨日社長が記者会見で発言をしているんですけれども、住民は、話合いがないまま工事を強行することはやめてほしいというふうに要望を出しておられるんです。

 オープンハウスというのは、こう説明資料を並べて、個別に質問があればお答えしますよっていうものなんですね。で、これでは足りないと。

 住民の皆さんにお話伺うと、補修工事で振動、騒音、低周波の影響があるんじゃないのか。地下に巨大なコンクリート壁を造るってことになるんですね。そうすると、地下水の流れはどうなるのか、新たな地盤沈下は起きないのか。また、地下深くだけの補修で大丈夫なのか。ほかにも、家も敷地もひび割れが多数あるのにトンネル直上以外の地盤は大丈夫だと言われていると、本当なのかと。などなど、本当に多くの疑問が出されました。地域全体の問題であって、ほかの人の疑問にどう回答されるのかも知りたいし、情報共有したい、問題点については話し合って改善を求めたい、これは住民の当然の要求だと私は思います。

 外環被害住民連絡会・調布、何度も話合いの場を求めていますが、被害者である住民が説明会を求めているのに、なぜ東日本は、NEXCO東日本は拒否をするのか。
 大臣、話合いに応じるように、NEXCO東日本、指導していただきたいと思います。いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 陥没、空洞事故の発生後、補償、補修等を進めるに当たっては、説明会やオープンハウス等で事故後の対応状況を説明するとともに、頂戴した御意見についてはホームページも活用して回答しております。

 今回、地盤補修を進めるに当たっては、地盤補修工事箇所の周辺にお住まいの方を対象に、九月の十一日と十二日には地盤補修工事の全体計画の検討状況について、十月七日、八日には地盤補修工事の全体計画についてオープンハウスを開催し、説明したところです。オープンハウスですから、お一人お一人に納得いただくまで担当者が説明するという方式です。

 また、オープンハウスの開催と併せて、事業者、地元調布市、地盤補修工事箇所の周辺にお住まいの方との意見交換の場も設けて、御指摘の外環被害者住民連絡会・調布も含め、住民の方から幅広く意見を伺っております。

 今後とも、NEXCO東日本が住民の皆様に対し丁寧な説明と誠意を持って対応していくことが重要であると認識しており、国土交通省としても最大限協力したいと考えております。

○田村智子君 オープンハウスと住民が求めてる説明会は違いますよ。

 なぜこういう委員会で質疑するのか。自分が知らなかった問題点をほかの議員が質問する、ああ、そういう問題があるんだな、どういうことを答弁するのかな、責任ある人がどう答弁するのかな、記録も残っていく。オープンハウスはそういうのないじゃないですか。そういう話合いの場が必要だと思いませんか。話し合いたいという住民の要望をどう思われますか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) オープンハウス、そして住民説明会共に開いております。

○田村智子君 住民が求める説明会を是非開いていただきたい、重ねて要望いたします。

 


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