活動報告

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沖縄県と対話求める/辺野古代執行に田村智子議員/参院国交委

 日本共産党の田村智子議員は9日の参院国土交通委員会で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う代執行訴訟について質問しました。

 田村氏は、辺野古の軟弱地盤の改良工事の設計変更を、玉城デニー知事が不承認としたのは、「何度も選挙で示された民意に立った当然の判断」と指摘。「強権的に県の権限を奪う代執行はあってはならない」としたうえで、「代執行は、著しく公益を害することが明らかなときに限定されている。民意に立つデニー知事が、著しく公益を害していると判断したのか」と追及。斉藤鉄夫国交相は、9月の最高裁の不当判決により、「承認を求める是正の指示の適法性が確定した」と繰り返すのみでした。

 田村氏は、衆院沖縄1区を地盤とする国場幸之助国交副大臣に対し、「意見の違いがあっても、代執行ではなく、まず沖縄県との対話・協議をするよう大臣を補佐するのが、副大臣の役割ではないか」と指摘。国場氏は「国交省としての対応は、大臣の答弁の通り」と、対話に背を向けました。

 田村氏は「沖縄には“民主主義がないのか”“地方自治を踏みにじるのか”という声が広がっている。代執行をやってはならない。米軍の公益にしかならない」と強調しました。


2023年11月12日(日) しんぶん赤旗ホームページ

 

 

 

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 まず、辺野古埋立て工事に関わる代執行の問題についてお聞きします。

 米軍辺野古新基地建設のために軟弱地盤の改良工事の設計変更を玉城デニー知事が不承認としました。幾度となく選挙によって明確に示された沖縄県民の民意に立ち、また環境保全が不十分など、問題点を合理的に指摘をした当然の判断です。ところが、沖縄防衛局が国交大臣に、つまりは、国が国に対して行政不服審査請求をするという法の濫用をして知事の不承認を覆そうとした。それでも知事が屈しない。今度は、斉藤国土交通大臣が玉城デニー知事から権限を取り上げて、承認を代執行しようとしています。

 この代執行の訴訟では、県の弁護団ですね、こう意見を述べています。対等、協力が前提の国と地方自治体との関係において、国が沖縄県の権限を奪い自ら辺野古の設計変更を承認する代執行は本来あってはならない最終手段と。そのとおりだと思います。そもそも沖縄県は一貫して協議を求めている、対話を求めている。しかし、国は一貫して協議、対話を拒否している。

 大臣、あなたがやるべきは、問答無用で知事の権限を取り上げることではない、まず対話、協議、これやるべきだと岸田政権に、防衛省に働きかけることだと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 公有水面埋立法の変更承認につきましては、昨年四月二十八日付けで沖縄県に対し申請を承認するよう是正の指示をしております。この是正の指示につきましては、本年九月四日の最高裁判決においてその適法性が確定しております。それでもなお知事が承認されないため、公有水面埋立法の所管大臣として先月五日に地方自治法に基づく代執行訴訟を提起したものであり、今後も必要に応じて法律に基づき手続を進めてまいります。

○田村智子君 その最高裁の判決は、沖縄県が提起している問題を何一つ検討されないままに、ただ行政手続上のことだけで判断を下したものです。

 そもそも行政代執行というのは、放置することによる著しく公益を害することが明らかなときに限定されます。

 玉城デニー知事は、沖縄戦、戦後は米軍基地被害に苦しみ続ける県民の新基地建設反対こそが公益だと意見を述べています。この沖縄県民の民意に立つ玉城デニー知事が沖縄県民、国民の公益を著しく害しているというふうに大臣は判断されるんですか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 繰り返しになりますが、四月二十八日に是正の指示をしておりますが、この是正の指示につきましては、本年九月四日の最高裁判決においてその適法性が確定しております。それでもなお知事が承認されないため、公有水面埋立法の所管大臣として地方自治法に基づく代執行訴訟を提起したものでございます。

○田村智子君 お答えにならない。公益を著しく害するとはどういうことなのか答えられないということでしょう。

 ずっと政府が言っているのは、普天間基地ですよ、普天間基地の撤去。普天間基地が公益を害している。それは米軍が公益を害しているんです。そして、一九九六年に日米合意で普天間基地の撤去は決定した。だけど、四半世紀動いていない。いまだに使われている。これが公益を害しているというのなら、直ちに使用中止というのを求めるのが一番政府がやるべきことじゃないですか。それやらない。そして、辺野古にこだわる。軟弱地盤の工事何年掛かるか分からない。ずっと公益を害し続けているのはまさに政府ですよ、米軍ですよ。

 私、國場副大臣にお聞きしたいんです。
 沖縄の代表ですよね。米軍の基地の縮小、整理、これを公約に掲げておられる。普天間基地については意見の違いはあるかもしれない。だけど、沖縄県が求めているのは、今言ったような問題を国と対話することなんです。協議することなんです。それをやるようにと大臣を補佐するのが沖縄の心を持つと言われる國場大臣の役割ではないんですか。

○副大臣(國場幸之助君) 国土交通省としての対応は、先ほど大臣の答弁のとおりでございます。
 沖縄県選出の国会議員として、今後とも様々な機会を通じて地元の皆様への丁寧な説明を行ってまいります。

○田村智子君 それ、説明じゃないんですよ、対話なんですよ、対話。一方的な説明したって何も動いていないんですもん。普天間基地の閉鎖も撤去も全く動かない。対話をなぜ拒否するのかなんです。

 今、沖縄には民主主義がないのかという声が広がっていますよ。地方自治を踏みにじるのか、知事の権限をもぎ取るのかと。代執行やってはならない。これ、もう一度再検討いただきたい。大臣、いかがですか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほどの公益性の理解ということも含めまして、そして、その手続の在り方も含めまして、本年九月四日の最高裁判決におきましてその適法性が確定しております。この最高裁判決を受け、公有水面埋立法の所管大臣として地方自治法に基づく代執行訴訟を提起したものでございます。

○田村智子君 これ、年内が非常に焦点だと言われています。代執行やったら駄目です。それは米軍の公益を守ることにしかならない。沖縄県の公益を著しく損害する。このこと強く求めておきます。

 次に、今日は東京外環道についても重大な事態が起きていますので、質問いたします。

 資料の一を見てください。
 しんぶん赤旗日曜版、十月十五日付けの記事です。大規模な陥没が発生した調布市に隣接する狛江市、野川サイクリング道路で、今年八月、九月、十月と三度陥没が見付かり、NEXCO中日本と東日本が道路管理者である狛江市には知らせずに埋め戻したことを報じています。
 NEXCO東日本に参考人としてお越しいただきました。なぜ道路管理者に連絡せずに埋め戻したんですか。

○参考人(高橋知道君) お答え申し上げます。
 最初に、令和二年十月十八日に発生いたしました東京外環道の工事における地表面陥没、空洞事故により地域の皆様に多大なる御迷惑、御不安をお掛けいたしておりますこと、改めておわび申し上げます。

 ただいまの御質問の野川サイクリングロードでございますけれども、東京外環事業では、野川サイクリング道路を含め、周辺の道路を日々巡回監視員等が通行させていただいております。日常的に清掃なども行っておりますけれども、野川サイクリング道路で令和五年八月、九月、十月の三回、舗装に損傷があることを確認いたしましたので、利用者の安全を第一に考えて舗装の補修をいたしました。

 本来であれば管理者である狛江市に連絡すべきところ、損傷が軽微であったことから連絡を怠ってしまいました。連絡を怠ってしまった点については不適切であったというふうに認識しております。

 今後、このようなことがないよう、国土交通省からの注意、指示も踏まえ、連絡体制の見直し徹底を図ってまいります。

○田村智子君 今利用者の安全をというふうに言われたんですけど、それを考えるんだったら、すぐに管理者に連絡をして、また市民に注意喚起するのが筋ですよ。狛江市が陥没と埋め戻しを知ったのは十月五日、我が党の岡村狛江市議が市の担当者と一緒に現地確認をしたときなんです。

 狛江市は、十月十三日、埋め戻しについて、当市が東京都から許可を受け管理している工作物を無断で改築する行為であり、安心、安全な市民生活に影響を与える行為だと、国交省、NEXCO東日本、中日本に、迅速に管理者である狛江市の連絡をしてほしいということを要請する事態がなっているんですね。

 資料の二枚目、NEXCOがホームページで陥没と埋め戻しを知らせたのは十月十二日、国交省への連絡もその二日前です。赤旗が記事掲載に当たって質問状を送付したのが十月六日ですから、結局、赤旗が記事にすると、それで慌てて公表したということではないんでしょうか。

 住民の安全第一ではなく、この陥没が外環道の地下トンネル工事に起因する可能性があるから誰にも知らせずにこっそりと埋め戻した。そういうことじゃないんですか。

○参考人(高橋知道君) 先ほども申しましたように、道路管理者に報告もなしに埋め戻しをしてしまったということは私どもの過失でございます。これから、今後このようなことがないようにしっかりやってまいりたいと思っております。

 なお、外環道による、起因、起因によるものということで隠したのではないかというような御指摘でございましたけれども、この場所については施工してからかなりの年月がたっておりますし、シールド掘進後の周辺の調査においても地盤の緩みは確認されておりません。このため、我が社に、NEXCOにおいては、今回の舗装の損傷は外環のシールド工事とは関係性が低いと判断しております。

 それで、念のため有識者の先生方にも確認を行いまして、同様の当該区間のシールド掘進は令和二年七月に完了しており、その後の調査結果等からもシールド掘進による影響の可能性は低いという御意見もいただいておるところでございます。なお、舗装の損傷原因を確認するために今狛江市と調整を行っておりまして、具体的な調査内容等を現在調整中でございます。
 以上でございます。

○田村智子君 過去の工事だからということなんですけど、資料の三枚目を見てください。
 これも、赤旗の日曜版の十一月十二日号なんですね。野川サイクリング道路とは別に、調布市内の大陥没事故の付近、トンネル工事ルートの直上から僅か百二十五メートルの部分、ここですね、地盤補強工事の資材置場兼待機場所となっているんですけれども、ここも陥没が起きているんです。そして、自分たちが借りている土地だからと全く公表せずに埋め戻しをしています。

 五月には、穴の奥行きが約一メートルに達する陥没が発生、土のう十二袋分の土で埋め戻した。七月には、路面が長さ三メートル、幅二メートルほどへこみ、乗用車一台分のほどの面積の舗装を剥がし、土を固める転圧機を使うと更に陥没が発生した。八月にも、車両を固定する脚を設置しようとしたところ、舗装に穴が空いたと。これらの舗装をNEXCO東日本、鹿島建設は公表せずに埋め戻したということで、これは一応編集部が両者に確認を取っているんですけれども、委員会の場でも確認したいと思います。
 以上私が述べたような、陥没とそれを埋め戻したというのは事実ですね。

○参考人(高橋知道君) お答え申し上げます。
 調布市において地盤補修工事を行っている現場から約百十メーター離れた場所で、資材の積替えを行うための場所として施工業者が仮設材積替え場というものを設置しております。そこにおいて、令和五年五月、七月及び八月に施工業者が舗装の損傷を発見し、舗装の補修を実施したというふうに聞いております。

 仮設材の積替え場でございますけれども、施工業者が土地利用者との契約に基づいて事前に改良を行う許可を得ているということで舗装補修をしたものというふうに承知しているところでございます。

○田村智子君 これら一連の陥没が、先ほど地下トンネル工事はもう過去のものであって、それとは関係性が低いという答弁をされた。なぜそう言えるのかなんですね。有識者からの意見も得たということなんですけれども、それでは、現地に行って、どういう陥没なのかと、それはどういう理由によるものなのかということについて、現地に行って、専門家、第三者的専門家、こういう皆さん調査やっているんですか。

○参考人(高橋知道君) お答え申し上げます。
 今回の舗装損傷についてでございますけれども、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会というのを設置しておりまして、その委員会の判断においても、トンネルの横断方向については、ボーリング調査や物理探査の結果及び推定メカニズムを踏まえ、トンネルの直上が地盤の緩みが生じている範囲というふうに想定をいたしているところでございます。

 それから、今回のこの場所については、トンネルの西側でボーリング調査を実施しておりまして、そのボーリング調査の結果でも緩みは確認されておりません。それから、当該資材積替え場は、施工業者が使用する以前から不陸などが確認されているなど、地盤の転圧不足がうかがわれているところでございました。そういったことを鑑みまして、今回の舗装損傷の形態からも重機の重みによる損傷であるというふうに考えているところでございます。

 これにつきましても有識者に確認をさせていただいておりまして、シールドトンネルの端部から百十メーター離れていると、それからその先ほど説明しましたボーリングの結果からしてもシールドのトンネルの工事の原因である可能性は限りなく低いというような見解もいただいているところでございます。
 以上でございます。

○田村智子君 いや、現地行って調査やっていないでしょう。それ、重機で沈んじゃったらその地域何でそんな地域なのかということじゃないですか。トンネル工事との関連性どうなのかということをきっちりと第三者的に調査すべきですよ。

 それで、ゼネコンの関係者、気泡と、トンネル工事というのは圧縮空気どんどん送り出して掘っていくわけですよね、そういう気泡が時間を掛けて上がってくる可能性あるというふうに指摘をしているわけです。大深度地下でトンネル掘ったと、しかも柔らかい地層がつながって広がっていると、現に大規模な陥没が起きた地域だと。これ、ちゃんとした調査やらなきゃ駄目だと思いますよ。

 加えて、資料の四です。
 今月七日の東京新聞。この陥没した調布市の住宅街での地盤補強工事が八月から行われているんですけれども、この現場付近を流れる入間川で気泡が発生したとして、この地盤補修工事、十一月六日から中断をしています。これ、なぜ地盤補修工事の中断ということになったんでしょうか。気泡の原因がこの工事にあるということを否定できないからですか。

○参考人(高橋知道君) お答え申し上げます。
 十一月二日に、地盤補修工事における地盤の改良体を造成作業中に、調布市つつじケ丘二丁目付近の入間川において気泡が発生していることを施工業者が発見をいたしまして、弊社に報告がございました。地盤補修工事につきましては、工事による影響を確認するため、現在、一時中止をしております。

 今後、まず調査を実施する予定でございまして、現在、有識者等々も含めて調整中でございますけれども、調査結果が出ましたら、また有識者の御意見等も伺った上で、いずれにしても安全性を確保しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。

○田村智子君 東京外環プロジェクトホームページで、NEXCO東日本からのお知らせ、十一月二日付け、掲載されているんですけれども、気泡の発生を知らせるとともに、造成作業終了後には気泡の発生が止まっていることを確認していますと書いてあるんですよ。工事との関連性がこれは疑われますよね、相当強く。

 大臣、非常に重大な事態が起きていると思うんです。結局、あちこちで陥没が起きているんですよ、今、調布市、大規模の陥没事故が起きた周辺で。そして、その陥没事故が起きたところの地盤補修工事だといってやっているところも気泡発生と。あの調布の大規模な陥没の前にも川で気泡が発生、確認されていて、これ予兆だったんですよ。そうすると、この補修工事によってまたどこかの地盤が逆に壊されている可能性があるんです。

 非常にこの外環道路の工事、矛盾に矛盾を極めている。今、一旦止めて、大規模な地盤に関する調査が必要になってきているんじゃないかと思います。大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 東京外環事業の地盤補修工事につきましては、現在中止しておりますが、今後進めるに当たっては、調査結果を踏まえ、有識者の意見を伺った上で、安全を確保しながら進めるようNEXCOを指導してまいりたいと思います。

 また、調布市入間町の野川サイクリング道路における舗装損傷につきましては、外部有識者に確認した結果、シールド工事の影響の可能性は低いとされていますが、念のため、原因調査の実施に向けて、現在、NEXCOがサイクリングロードの管理者である狛江市と調査の実施内容を調整しています。加えて、今回のような必要な手続を怠った不適切な事案が再度発生しないよう、現地で発見された事案については速やかに関係者で情報を共有、協議した上で対応を検討するべきであり、今後徹底されるよう求めてまいります。

 今後も、住民の皆様に対し丁寧な説明と誠意を持って対応していくことが重要であると認識しており、調査結果については住民の皆様にお知らせしてまいりたいと考えております。

○田村智子君 まず調査と、そして住民に対するちゃんとした説明、そして、本当に安全が確認できるかどうか、これしっかりとチェックしていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。

 


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