活動報告

活動報告
国会開会/国民の怒り代弁し、希望を示す論戦を/田村委員長あいさつ/共産党が議員団総会

 第213通常国会が26日、召集されました。会期は6月23日までの150日間です。今国会は自民党派閥の政治資金裏金問題で国民の怒りが広がる中、岸田文雄首相の施政方針演説が「政治とカネ」をめぐる予算委員会後に先送りとなる異例の幕開け。日本共産党の国会議員団総会では、第29回党大会で新たに選出された田村智子委員長が初めてあいさつに立ち、「自民党政治を終わらせる国民的大運動」を起こす先頭に立って奮闘することを呼びかけ、「国民の怒りを代弁し、政治を変える希望を示す論戦が要求運動を激励し、さらに広げる力となる」と訴えました。

 冒頭田村氏は、能登半島地震について、「国民の苦難解決」の立党の精神で被災者支援に取り組み、被災者の命と健康、人権を守るために現場の要求を迅速に伝え、行政を動かすことに全力をあげようと呼びかけ。同時に「現行の支援策はあまりにも貧弱だ」として、住宅再建への被災者支援金の大幅引き上げと対象拡大、事業者への休業補償、生業の復興への支援策の拡充などが求められると強調しました。
 田村氏は、今国会の焦点について「自民党派閥の政治資金裏金問題の真相を究明し、金権腐敗の根を断つ抜本的改革ができるかどうかにある」と指摘。自民党の「政治改革」の中間とりまとめには、真相解明が一言もないとして、「自民党が全く自浄能力を失っているもとで、国会の役割は極めて重要だ」と強調しました。

 その上で、「安倍派5人衆」をはじめ裏金づくりに関与した政治家全員の証人喚問を行い、裏帳簿を過去にさかのぼって提出させること、企業・団体献金を抜け穴なく禁止することが必要だと主張しました。

 暮らしの問題では、「『失われた30年』をもたらした経済政策をまだ続けるのか、抜本的に転換するかが大きな対決点となる」と指摘し、破綻した経済政策を延々と続けようとしている岸田政権を糾弾。来年度には医療・介護・障害福祉の3分野で報酬改定が行われるが、「2・5%のベースアップをめざす」というだけで物価高騰にも全く追いついていないと批判し、日本共産党の「経済再生プラン」の実現こそ希望だと強調しました。

 平和の問題では、「『安保3文書』の閣議決定から1年、『戦争国家づくり』の危険性がいよいよ明らかだ」と指摘。来年度予算案では軍事費が2年間で2・5兆円もの増額で8兆円規模となり、その中身も長射程ミサイルのさらなる配備、量産を狙っていることなどを告発しました。また、米軍辺野古新基地建設では政府が沖縄県民の民意も地方自治も無視して前代未聞の「代執行」に踏み切ったことを批判し、「論戦で危険性を徹底的に暴き、『戦争国家づくり』を何としても止めよう」と訴えました。

 同時に、戦争の心配のない東アジアをつくる「外交ビジョン」を対案として大きく示すことが重要だとして、昨年末の東南アジア3カ国訪問で豊かに発展した「外交ビジョン」を広げていこうと呼びかけました。

 

 

日本共産党の田村智子委員長が26日の党国会議員団総会で行った通常国会開会にあたってのあいさつは次の通りです。

 先週行われました第29回党大会で、新たに幹部会委員長に選出をされました田村智子です(拍手)。激動の情勢のもとでの通常国会となります。衆参の議員団のみなさん、そして事務局のみなさんとともに、日本共産党ここにありと示せるよう国会内外で全力で奮闘する決意です。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

 

迅速な対応と中長期的な支援策の両面で政治を動かそう
 はじめに、能登半島地震で亡くなられた方々への哀悼の意を表し、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
 石川県をはじめ被災地では、地方議員を先頭に党員のみなさんが、大きな困難を抱えながら、「国民の苦難解決」こそ立党の精神と、被災者支援に懸命に取り組んでいます。全国でも、まず救援募金をと一斉に活動が開始され、これまでに1億円を超える救援募金がよせられ、順次被災自治体に届けています。
 一昨日行われた閉会中審議では、わが党議員も避難所の状況をリアルに伝え、温かく栄養バランスが考慮された食事の提供、避難所での生活の改善、ジェンダー視点で女性への配慮がなされるようになど求めました。被災したみなさんの命と健康、人権を守るために、現場の要求を迅速に政府や自治体に伝え、行政を動かすことに全力をあげましょう。
 同時に、甚大な被害に対して現行の支援策はあまりに貧弱です。住宅再建への被災者支援金は、額を大幅に引き上げ、住むことが困難な住宅すべてを対象とすることが必要です。また漁業を含め事業者への休業補償、生業(なりわい)の復興への支援策の拡充が求められます。
 迅速な対応と、中長期的な支援策、両面で政治を動かし、被災された方々が能登で生きる希望がもてる政治となるように、全力をあげようではありませんか。(拍手)

 

自民党裏金問題の真相を究明し、金権腐敗の根を断つ法改正を
 今国会の焦点は、なんといっても自民党派閥の政治資金裏金問題の真相を究明し、金権腐敗の根を断つ抜本的改革ができるかどうかです。
 「しんぶん赤旗」のスクープが発端となった政治資金パーティーをめぐる裏金事件に国民の怒りは沸騰し、岸田政権・自民党全体をゆるがす事態となっています。
 安倍派をはじめ自民党の主要派閥が、政治資金パーティーの名で事実上の企業・団体献金を長期にわたって、組織的・系統的に集め、政治資金収支報告書を偽造し、裏金をつくっていたことは、自民党政治の底知れない腐敗構造を暴露したものです。
 派閥や議員個人への企業・団体献金は、現行法でも禁止されているのに、「参加もしないパーティー券」を企業・団体などに購入してもらい、どれだけのカネをかきあつめたのか。誰が、どれだけの裏金をつくり、何に使ったのか、その全容を徹底的に解明し、関与した政治家の責任を明らかにすることは、今国会の重要な責務となります。
 昨日、自民党は総務会で政治改革の中間とりまとめを行いましたが、真相解明は一言もありません。不正の根本にある企業・団体献金の禁止には全く手を付けず、派閥のパーティーをやめるといっても、その大半は政治家個人のパーティーです。自民党がまったく自浄能力を失っているもとで、国会の役割はきわめて重要なものとなります。
 「安倍派5人衆」をはじめ、裏金づくりに関与した政治家全員の証人喚問を行い、裏帳簿を過去にさかのぼって提出させて、洗いざらい真相を明らかにさせようではありませんか。(拍手)
 腐敗の根を断つには、企業・団体献金を抜け穴なく禁止することが不可欠です。
 わが党は本日、「企業・団体献金全面禁止法案」と政党助成法廃止法案を参議院に提出いたします。企業・団体によるパーティー券購入を含む企業・団体献金を禁止することで、金権腐敗の根を断つ法改正を、今国会で実現しようではありませんか。(拍手)

 

「経済再生プラン」の実現で「失われた30年」をもたらした政策転換へ
 暮らしの問題では、「失われた30年」をもたらした経済政策をまだ続けるのか、抜本的に転換するのか。ここが、大きな対決点となります。
 法人税減税を繰り返しても、賃上げは進まず、大企業の内部留保が膨張しただけだった、賃上げ減税では赤字の中小企業・小規模事業所の賃上げは困難、この事実を自民党も認めているのに、破綻した経済政策を延々と続けようとしています。
 また来年度は、医療・介護・障害福祉の3分野で報酬改定が行われ、ケア労働の賃金を政治の責任で大きく引き上げるチャンスとなるはずなのに、「2・5%のベースアップをめざす」というだけです。これでは物価高騰にも全く追いつきません。
 人件費コストカット、法人税減税、社会保障予算の抑制など、「失われた30年」をもたらした従来の政策を転換する、わが党の「経済再生プラン」の実現こそ希望の道です。行き詰まった政策をこれ以上続けることは許されない。消費税減税、内部留保課税による賃上げパッケージ政策の実現、また介護保険の国負担割合の引き上げなど、抜本的改革を迫ろうではありませんか。(拍手)

 

岸田大軍拡の危険性を暴き、対案として「外交ビジョン」を大きく示そう
 平和の問題では、「安保3文書」の閣議決定から1年、「戦争国家づくり」の危険性がいよいよ明らかとなっています。
 来年度予算案では、軍事費は2年間で2・5兆円もの増額で8兆円規模となり、その中身も長射程ミサイルのさらなる配備、量産を狙っています。自衛隊を米軍に統合する「統合作戦司令部」の創設、敵基地攻撃によって相手国から反撃され日本が戦場となったことを想定した日米共同訓練や自衛隊基地の強靱(きょうじん)化、さらに殺傷武器の輸出解禁まで踏み出そうとしており、憲法9条に基づく国の在り方が大きく変質させられようとしています。また米軍辺野古新基地建設では沖縄県民の民意も地方自治も無視して前代未聞の「代執行」に踏み切りました。
 岸田政権が、「専守防衛」「憲法の範囲内」という大ウソの説明、対話の拒否、同じ答弁の繰り返しという手法で突き進んでいることも重大です。論戦で危険性を徹底的に暴き、「戦争国家づくり」を何としても止めようではありませんか。(拍手)
 同時に、戦争の心配のない東アジアをつくる「外交ビジョン」を対案として、大きく示すことが重要です。昨年末の東南アジア3カ国訪問は、わが党の「外交ビジョン」の発展方向を豊かに示すものとなりました。東アジアサミットを活用・強化して、戦争の心配のない東アジアをつくろうという「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)は、日本政府も支持しています。同時に、アメリカ追随・軍事一辺倒の姿勢は、ASEAN(東南アジア諸国連合)がとっている立場とは根本的に矛盾しています。米中の対抗が強まるもとで、日本外交はどうあるべきか、大いに議論したいと思います。ASEANが一貫して追求してきた「対抗ではなく、対話と協力の地域」にしていくという立場は、日本でも多くの市民や経済界も賛同するものではないでしょうか。論戦とともに、ASEANから何を学ぶのか、市民のみなさんや経済界とも対話や懇談を広げていきたいと思います。

 

「自民党政治を終わらせる国民的大運動」へ、党議員団が先頭に
 最後に今国会は、わが党が、第29回党大会の直後に迎える国会となります。党大会において呼びかけた「自民党政治を終わらせる国民的大運動」を起こす先頭に立って奮闘しようではありませんか(拍手)。国民の怒りを代弁し、政治を変える希望を示す論戦が、要求運動を激励し、その運動をさらに広げる力となるよう、互いに努力することを呼びかけます。そして、党の政策や論戦に共感する方々を党に迎え入れて、日本共産党が直面する最大の課題である党づくりに、この1月から党議員団が大きく貢献しようではありませんか。このことを呼びかけて、通常国会開会にあたってのあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(拍手)


2024年1月27日(土) しんぶん赤旗

 

 

 


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