日本共産党は13日、党本部で第8回中央委員会総会(8中総)を開きました。志位和夫議長があいさつに立ち、「この総会は内外情勢の重大な展開、総選挙結果、党建設の現状の抜本的打開、いずれとの関わりでも、文字通り日本共産党の命運がかかった重要な総会となります」と強調し、8中総の全体的な任務を提起しました。このあと、幹部会を代表して田村委員長が第一報告(政治報告)を、山下芳生副委員長が第二報告(党建設に関わる報告)を行い、全支部・グループあての新たな「手紙」を提案しました。会期は15日までの3日間。あいさつと二つの幹部会報告を受け討議します。あいさつ、報告は全国にライブ配信され、多くの党員が視聴しました。
志位議長があいさつ
田村委員長、山下副委員長が幹部会報告
あいさつで志位氏は、8中総の任務について3点を提起。第一は、世界も日本も歴史の大きな岐路に立つもとで党の政治任務を明らかにすることです。
志位氏は、トランプ米大統領が「私は国際法を必要としない」と公言するなど、あからさまに国連憲章と国際法を否定し、「力による支配」の無法を繰り返しているのは「第2次世界大戦後でも初めての事態です」と批判。「国連憲章と国際法の形骸化を許すのか。歴史の逆行を許さず、国連憲章に基づく平和秩序を確立するか。世界は戦後かつてない重大な歴史的岐路に立っています」と述べました。
日本でも、衆院で圧倒的多数を得た高市政権の下、平和、暮らし、人権を脅かす戦後かつてない危険が生まれているとし、とりわけ「憲法9条改悪が現実の課題として浮上しつつある」と警告しました。
同時に、多くの人々が強い危機感を抱き、高市政権と真正面から対決する日本共産党に新たな期待を寄せ、新しいたたかいの連帯の輪が広がっているのは「大きな希望」だと述べ、「危険と希望が交錯する中で日本政治も戦後最大の歴史的岐路に立っています」と強調。「世界でも日本でも、歴史の本流の側に立ち、逆流に正面から立ちはだかり奮闘する日本共産党の存在意義がこんなに鮮やかなときはありません。そのことに誇りをもち、揺るがぬ決意をもって、激動する情勢に意気高く立ち向かおう」と呼び掛けました。
第二は、総選挙結果から総括と教訓を引き出し、国政と地方政治での反転攻勢に転じるための方針を決定することです。
志位氏は、全国の都道府県委員長、地区委員長からのアンケート、党中央に寄せられた声、第29回大会後の一連の党中央の決定を検証し、総括の作業をすすめたと述べました。
その上で、志位氏は▽「要求対話・アンケート」を一貫して戦略的課題として位置づけ日常的に推進する▽早い段階から各衆院比例ブロックの得票・議席目標を明確化し日常的・戦略的活動を進める―の2点で中央のイニシアチブに弱点があり「突発的選挙のもと活動の立ち遅れにつながりました」と述べました。
志位氏はまた、総選挙での後退の根本に「党の自力の問題があった」と強調。「総選挙の悔しさを前進のバネへと変え、選挙活動の日常化をはかり、強く大きな党をつくり、必ず反転攻勢を果たしましょう」と訴えました。
第三は、前回大会(2024年1月)で全党が誓った、来年1月の党大会までに「党づくりで後退から前進への歴史的転換を果たす」目標をやり抜くための意思統一です。
志位氏はどうしたらできるかと問いかけ、「その根本の答えは、少数の支部・党員で担っている現状の取り組みを、すべての支部・党員が参加する運動に発展させる以外にありません」と力を込めました。
そのために、中央委員会と支部・グループが互いに学び合い、一緒に党づくりを前進させる答えをみつけていく「双方向・循環型」という党づくりの大原則に立ち返ることが必要だと強調。総会として支部・グループのみなさんへの新しい「手紙」を送ることを提案することにしたいと述べました。そのうえで、「新しい『手紙』を力に、歴史的転換を勝ち取り、第30回党大会を大きな成功に導き、続く統一地方選で必ずや反転攻勢を実現しましょう」と力強く呼び掛けました。
田村委員長は▽内外情勢と日本共産党の役割▽国民的なたたかいを起こす改革▽総選挙の総括と教訓▽統一地方選・国政選挙に向けた方針▽国際・理論活動―などの報告を行いました。山下副委員長は、次期党大会までの党勢拡大の目標と、世代的継承を成功させるための党機関のイニシアチブなどを明らかにし、「手紙」を読み上げました。
8中総 田村委員長が第一報告
13日の日本共産党第8回中央委員会総会で第一報告に立った田村智子委員長は、全5章からなる報告を行いました。
第1章は「緊急の国際問題と国際連帯について」です。田村氏は、トランプ米大統領がイランへの先制攻撃やベネズエラへの侵略など、国際法を無視した野蛮な行動を繰り返していると糾弾。先制攻撃を一言も批判せず、攻撃の中止を求めることも拒んでいる日本政府の態度も厳しく批判し、自衛隊派兵など「米国の無法な戦争に協力・加担することは断じて許されない」と訴えました。
そして、「国連憲章を土台とした国際秩序はいま重大な歴史的岐路にある。主権国家への先制攻撃や体制転換を図ることが許されれば、国連憲章と国際法は形骸化されてしまう」と警告し、国連憲章に基づく平和秩序を確立するための国際連帯を呼び掛けました。
被爆国の政党として、4月の核不拡散条約(NPT)再検討会議、11月の核兵器禁止条約第1回再検討会議に積極的に参加し、「核兵器のない世界」への流れを前に進めるため全力を尽くすと表明しました。
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第2章は「総選挙後の政治情勢と日本共産党の役割」です。田村氏は、総選挙後の政治情勢の、新しい特徴を2点、指摘しました。
第一は、総選挙の結果、高市政権が衆院の3分の2を大きく超える議席を占め、他党も迎合・協力を強めるもと、憲法9条改悪をはじめ平和・暮らし・人権を脅かす戦後かつてない危険が生じていることです。
田村氏は、高市政権が異次元の大軍拡、安保3文書改定、非核三原則放棄、武器輸出全面解禁、「スパイ防止法」制定、9条改憲などの「戦争国家づくり」を強権的に推進し、改憲案の国会発議にまで踏み込もうとしていると指摘。経済と暮らしでは、大企業優先の破綻したトリクルダウン―アベノミクス・新自由主義への逆戻りと、「責任ある積極財政」の名による放漫財政を批判しました。
また、2026年度予算案の年度内成立をごり押しし、採決を強行しようとする高市・強権政治に断固抗議するとともに、一方で多くの国民や世界の動きとの関係で深い矛盾を抱えるその土台は「もろくて弱い」ことも指摘しました。
第二は、選挙結果をみて、日本共産党への新たな期待が広がり、連帯の輪が広がっていることです。
田村氏は、総選挙の開票直後から、「しんぶん赤旗」の購読や入党の申し込みが相次いでいること、党国会議員団の論戦に「一歩も引かず頼もしい」などの反響が寄せられていると紹介。国会をとりまく新たな行動や連帯、「憲法を真ん中にすえた確かな共同」など、市民と野党の共闘の新たな歩みも始まっていると述べ、「日本共産党の役割がこれほど大切な時はない。連帯と共同を広げ、党を強く大きくする取り組みに挑戦しよう」と訴えました。
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第3章は「平和・暮らし・人権―国民的なたたかいをいかに起こすか」です。田村氏は、高市政権の危険な政治を止めるには、「国会の力関係を踏まえれば、あらゆる問題で切実な要求に基づく国民的なたたかいを起こし、危険な政治に反対する国民多数派をつくる以外にない」と強調。たたかいを起こすうえでの留意点を指摘しました。
平和の問題では、「戦争はいや」という思いを共通の土台に、国民の疑問や不安に丁寧にこたえ、ともに探究していく対話と学習を呼び掛けました。
また、「戦争国家づくり」の現状と企てを広く明らかにすることを前提に、対話・学習を進めるうえで重視すべき観点を4点にわたり指摘。2月21日に仙台市で開かれた全国革新懇シンポジウムでの志位和夫議長の発言も参考にしてほしいと紹介しました。
暮らしの問題では、「富の一極集中」に切り込んでこそ暮らしをよくする道が開かれると強調。賃上げと労働時間短縮、消費税減税、社会保障や教育の充実、企業と経済の活力を取り戻すうえでも、この立場が不可欠だと述べました。
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第4章は「総選挙の総括と教訓―統一地方選挙、次の国政選挙にただちに生かそう」です。田村氏は、総選挙で日本共産党が「高市・自民党の強権政治を許してはならない」と訴えたことは党の歴史的真価を発揮したものだと強調。政策論戦でも、暮らしと経済、安保・外交、人権を柱に新鮮な共感を広げたことに確信をもとうと語りました。
得票・議席の後退については、選挙活動の日常化にかかわる中央のイニシアチブの弱点として、(1)戦略的大方針とした「要求対話・アンケート」が25年9月の第6回中央委員会総会以降、事実上中断した(2)比例ブロックごとの得票・議席目標を明確にすることが遅れ、「比例を軸に」した日常的・戦略的活動を進めるうえで弱点となった―と率直に明らかにしました。
同時に、最大の要因は党の自力不足にあるとしつつ、「打開の努力を怠ってきたわけではない」「党の自力をつける途上で総選挙を迎えた」と強調。統一地方選・中間選挙の勝利を目指すとともに、次の国政選挙では衆参とも「比例450万票、7・5%以上」を目標に掲げ、日常的取り組みをただちに開始しようと呼び掛けました。
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第5章は「欧米の左翼・進歩勢力との交流と連帯、理論交流の発展を」です。田村氏は、党が22年以来進めてきた欧州の左翼・進歩勢力との交流が党活動を豊かにする重要な力になっていると強調。今後は北米も含め交流を強めると表明しました。世界でマルクス・ブーム、『資本論』ブームとも呼ばれる状況が生まれるもと、学習と対話を党内外で発展させるとともに、欧米の左翼勢力や研究者との理論交流も強化していくと述べました。
2026年3月14日(土) しんぶん赤旗

