戦後最悪の高市自民・維新連立政権と補完勢力が国会で8割以上の議席を占め、安全保障・憲法を巡り翼賛化が進行しています。とりわけ、国会の大半が「抑止力」論にとらわれて大軍拡を正当化し、日米同盟を絶対視する「思考停止」に陥っています。日本共産党はこうした流れに真っ向から抗し、アメリカ言いなりの大軍拡反対・憲法9条を守り生かそうと論戦を展開。かけがえのない役割を果たしています。
鋭く問われたのが、米・イスラエルによるイラン先制攻撃を巡る対応です。
スペインやイタリアなど、少なくない米国の同盟国が「国際法違反」だと非難し、国内の米軍基地の使用を拒否しました。一方、日本からは在沖縄海兵隊や横須賀のイージス艦など、多くの米軍部隊が出撃し、イラン攻撃に関与。ところが、日本政府は一度たりとも米国を非難せず、米軍の出撃を容認し続けています。
この問題を正面から告発したのが日本共産党です。田村智子委員長は、国民の8割がイラン攻撃に反対しているのに、政府が「事前協議」を一度も求めず在日米軍のイラン出撃を容認してきた日本政府の姿勢を批判しました。
1960年1月の安保条約改定とともに交わされた岸・ハーター交換公文では、在日米軍が日本の施政権外で「戦闘作戦行動」を行う場合などに、日米が「事前協議」を行うとしています。これは、安保体制の下で日本国民が望まない戦争に巻き込まれることを防ぐための制度です。
ところが、茂木敏充外相は、協議を行うかどうかは「米軍が判断する問題だ」と無責任な姿勢に終始。これに対し、田村氏は4月9日の衆院安保委員会で、75年に外務省アメリカ局長が衆院内閣委員会で行った答弁を引用して追及しました。同局長は、在日米軍が日本国内の基地から海外の戦場に出撃し、直接戦闘に従事する場合は「明らかに事前協議の対象」だとした上で、それ以外の任務や態様も「見極めなければならない」と答弁していました。
さらに、田村氏は5月12日の衆院安保委員会で、「事前協議制度が米軍の行動を黙認する制度になっている」と厳しく批判しました。60年代前半には「事前協議の申し出は当方(日本側)からもできる」(大平正芳外相)としていたのに、同後半からは「アメリカ側がイニシアチブ(主導権)をとる」(三木武夫外相)と答弁が変わり、88年の政府統一見解では「米側がこの(事前協議)義務を履行することに何ら疑いを有しておらず、日本側から協議を提起することは想定されていない」と結論付けたことを紹介しました。
イタリアが国内の米軍基地の使用を拒否することができた背景に、米国との2国間協定でイタリア政府の合意なしに攻撃的目的での基地使用を制限していることに言及。「日本も思考停止から抜け出す時だ」と強調し、米軍に基地の排他的使用権を認めている日米地位協定の抜本改定を求めました。
これらは、綱領に日米安保条約を廃棄し、対等・平等の日米関係をつくることを掲げている日本共産党だからこそできる論戦です。同時に、日本政府との事前協議もなく、国連憲章にも国際法にも違反した戦争に在日米軍が出撃することは国家主権の侵害であり、安保容認の立場であっても、追及しなければならない問題です。
衆院憲法審査会
唯一改憲に反対の党
改憲派が圧倒的多数を占めた2月の衆院選の結果を反映し、衆院憲法審査会で改憲に反対の立場で臨んでいるのは、日本共産党の畑野君枝議員ただ一人です。
来春までに改憲発議のめどをつけたいという高市首相の意向を踏まえ、審査会は、4月以降ほぼ毎週開かれています。審査会は憲法改正原案を発議し、審査する権限をもちます。衆院では日本共産党以外の全ての党が、改憲を前提にした主張を展開しています。その中で畑野氏はただ一人、国民は改憲を望んでいないと強調し、審査会を動かすべきではないと主張。イランの事態を止めるための外交努力を強め、物価高や資材不足による国民生活の危機に対応する議論こそ求められていると訴えています。
改憲派も主張の隔たりが大きく足並みはそろっていません。緊急事態条項創設を巡って2回にわたり討議したものの意見がまとまらず、別のテーマに議論を移そうとしています。国民の願いに根ざしていない改憲議論は、まとまりようがないことを示しています。
畑野氏は5月21日の審査会で、日本国憲法が緊急事態条項を否定したのは、悲惨な戦争を二度と起こさせないという決意にほかならないと指摘。同条項の創設は「9条改憲と一体に戦争する国づくりを進めようというもので断じて認められない」と強調しました。
核軍縮・核廃絶
条約義務履行求める
ニューヨークの国連本部で開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議(4月27日~5月22日)。日本共産党代表団の一員として現地を訪れ、会議成功にむけ要請を行った吉良よし子議員は5月11日の参院決算委員会で、核軍縮・核軍備撤廃のための誠実な交渉を義務づけるNPT第6条の履行を核保有国に求め、再検討会議で成果文書の採択を実現するよう政府に強く求めました。
吉良氏は、再検討会議では締約国の7割以上が6条の履行・具体化を明確に主張したと指摘。一方で、日本政府が一般討論演説で6条履行について一言も言及しなかったことをあげ、「明確に主張すべきだった」と批判。「核保有国は6条の義務を果たしている認識なのか」と迫りました。
高市早苗首相は「義務を果たしているか、一概にいえない」と答え、核軍縮を進めない核保有国を批判しない姿勢に終始しました。吉良氏は、濱住治郎・日本原水爆被害者団体協議会事務局長が、2000年の再検討会議で約束し、10年の同会議で再確認した核兵器廃絶にむけた「明確な約束」を「速やかに実行してほしい」と発言したことを示し、これが被爆者を含めた世界の願いだと訴えました。
長射程ミサイル配備
住民の不安突きつけ
「戦争国家」の指針である安保3文書に基づく大軍拡。最大の特徴は、敵基地攻撃可能な長射程ミサイルの配備です。日本共産党は、その危険な実態を国会で告発してきました。
山添拓参院議員は4月2日の参院外交防衛委員会で、健軍駐屯地(熊本市)と富士駐屯地(静岡県)への長射程ミサイル正式配備が3月に強行され「住民の一番の不安は有事には標的になるという現実的な懸念だ」と指摘。配備に際し住民が求めた説明会さえ開かない政府の姿勢を追及しました。
小泉進次郎防衛相は「一般論」として、戦争が起きれば「さまざまなところがターゲットになりうる」などとし、「抑止力強化」だとミサイル配備を正当化。山添氏は、抑止の破綻を想定し、政府は避難用「シェルター」確保の基本方針を策定していると反論し、「住民の不安にまったく向き合おうとしていない」と批判しました。
吉良よし子参院議員は5月18日の参院決算委員会で、政府が取得を進めている長距離巡航ミサイル・トマホークを巡り、2024年に海上幕僚長が、日米双方のトマホークが同じ目標を攻撃することは「可能」だと発言したと指摘。米国でトマホーク装備のため改修を受けたイージス艦も目標を共有可能と見られ、米国の対イラン先制攻撃のような攻撃を「一緒にやれる」と批判し、「先制攻撃に使われるトマホーク配備は今すぐやめるべきだ」と要求しました。
安保3文書に基づく大軍拡の、もう一つの重大問題は軍事費の膨張です。辰巳孝太郎衆院議員は大軍拡の問題で、「目的税」として所得税に上乗せする軍拡増税をただし、現行憲法下で軍事費のための増税例がないことを政府に認めさせました。さらに、米国が求める国内総生産(GDP)比5%への軍事費拡大で、5兆円規模だった軍事費が35兆円に膨らみ、国民1人あたり28万円の負担となることを政府に認めさせ、衝撃が広がりました。(3月12日、衆院予算委員会)
武器輸出の全面解禁
「紛争助長」撤回要求
高市政権が「防衛装備移転三原則」とその「運用指針」を改定して強行した、殺傷・破壊能力を持つ武器の輸出の全面解禁。日本共産党は日本国憲法にもとづく「平和国家」を投げ捨てる「暴挙」だと断じ論戦を繰り広げてきました。
米国への武器輸出の危険を告発。山添氏は5月12日の参院外交防衛委員会で、すでに日本は米国に迎撃ミサイル・パトリオットを輸出しているが、対イラン戦争で米国のパトリオットの在庫の最大6割が消費されたと言われ、今後、さらに在庫補填(ほてん)を求められる危険があると指摘しました。
政府は紛争当時国への武器輸出を「原則不可」としながら、「米国は現に国内で戦闘が行われているとは認識していない」と正当化。山添氏は、米国は輸出先から排除されず「歯止めにならない」と断じ、全面解禁撤回を求めました。
小泉氏らは、日本製の同ミサイルの使用実態調査が必要だとの追及に「米軍の運用に関わること」だとして答弁を拒否し続けています。山添氏は「無法な戦争を進める米国に武器を輸出し日本の経済成長に結びつけようとしている。死の商人国家への堕落だ」と批判しました。
小泉氏は、日本の事前同意を米政府に義務づけており、日本製ミサイルが「国連憲章と矛盾する形で使用されることはない」と述べましたが、辰巳氏は3月4日の衆院予算委員会で、イラン攻撃自体が国連憲章違反だと矛盾を指摘。「国際紛争を助長する武器輸出全面解禁はやめるべきだ」と主張しました。
国家情報会議設置法
米追随の危険を批判
5月27日に可決・成立した「国家情報会議」設置法は政府のインテリジェンス(情報活動)機能を強化するもの。日本が海外でスパイ活動を推進する「対外情報庁」法案や、現代の治安維持法と言われる「スパイ防止」関連法制につながり、国民全体を監視し、「戦争国家」に向かわせる重大なものです。
国会前で連日、多くの市民が反対の声をあげました。ところが、衆院内閣委員会で反対したのは日本共産党だけでした。参院内閣委では、立憲民主党は反対に回りましたが、国会のチェック機能を問題視するにとどまりました。「戦争国家」づくりとの関係で正面から追及したのは日本共産党だけです。
塩川鉄也衆院議員は4月15日の衆院内閣委員会で、米国や英国がイラク戦争の際、イラクが大量破壊兵器を保有していると断定し、その後情報が間違っていたことを認めたのに対し、米国の行動を支持した日本は情報の誤りを認めていないと追及。国家情報会議設置で米国の情報機関との連携を強めれば、間違った情報で始めた米国の「先制攻撃に組み込まれ、日本の戦争国家づくりを強化することになる」と断じました。
大門実紀史参院議員は5月26日の参院内閣委員会で、同法は米国の「国家安全保障戦略」(NSS)との連携のためではないかと追及。木原稔官房長官が、米国などと緊密な関係を構築し情報を得る水準の向上も同法で「期待される」と述べたのに対し、大門氏は、国際法違反の戦争などを起こしてきた米国への追随は「国益を損なう可能性がある」と批判しました。
公務員の予備自衛官動員
国民の戦争動員追及
いわゆる「有事」や災害時に常備自衛官を補完するため招集される予備自衛官(他国の予備役に相当)を兼業する公務員に、特例で任命権者の許可を不要とする「予備自衛官等兼業特例法案」を巡り、田村智子委員長は5月15日の衆院安全保障委員会の反対討論で「本来の公務の上に予備自衛官としての任務を置き、国家による下令(命令)に事実上、自治体を従わせるものだ」として政府・防衛省を批判しました。
討論に先立つ同委の質疑で田村氏は、全国知事会など関係者と協議せずに法案が提出されたと指摘し、「公務の現場を軽んじているのではないか」と追及。
小泉防衛相が「任命権者の権限を制限するという認識はない。調整の上で招集する」と強弁したのに対し、田村氏は「公務員制度の土台を理解しない答弁だ。任命権者と調整すると言うなら、特例を設ける必要はない」と批判しました。
さらに、予備自衛官等は日本が武力攻撃を受けていない「存立危機事態」でも招集されることに言及。「米国の無法な戦争に国民を動員する体制づくりは断じて容認できない」と強調しました。
「戦争国家」づくり法案次々 反対は共産党だけ
特別国会には、重要法案に指定された国家情報会議設置法案以外にも、「戦争国家」づくりの具体化である安全保障関連法案が多く提出されました。衆院の委員会で反対を表明したのは日本共産党だけで、中道改革連合を含む他の政党はすべて賛成に回りました。
日本共産党が果たしている重要な役割を示すと同時に、共産党の議席とともに、「戦争する国」づくりを許さない勢力の議席を増やすための国民的な共同が決定的に重要だということを示しています。

※国家情報会議設置法は5月27日の参院本会議で成立
反対=共産、立民、れいわ、沖縄の風、社民、無所属
賛成=自民、維新、国民、公明、参政、保守、みらい、無所属
2026年6月3日(水) しんぶん赤旗

