日本共産党 田村智子
コラム

【12.09.26】原子力規制委員会の記者会見をめぐって

「赤旗しんぶん」記者の排除をどう見るか

7月26日の「赤旗」日刊紙、「原発いらない」行動が官邸前から日本経団連前にまで発展していることが大きく報じられました。
「2030年までに稼動ゼロ」という方針さえ「断じて認められない」とかみついた経団連。その圧力に屈して、こんな後ろ向きの方針さえ閣議決定できない政府。
国民の包囲運動は、いよいよ財界にも広がり始めたのです。

同じ日の「赤旗」14面、黒い枠の囲み記事が、ぱっと目に入ってきます。
――「特定の主義主張 ご遠慮いただく」 原子力規制委員会が取材規制

毎週1回の原子力規制委員会、会議終了後の記者会見に「赤旗」記者は入れないというのです。
原子力安全委員会は、委員会終了後の記者の取材で「赤旗」を排除したことはありません。

一体どのような理屈で排除するのか、疑問を原子力規制庁の広聴広報課にぶつけてみました。
以下、原子力規制庁の広聴広報課長から直接聞いた内容をまとめると…。
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�∪�党機関紙は、政党の考えにたって報道するものだからご遠慮いただく。

はじめは、「政党からの独立」ということも言っていたのですが、「独立」というのならば、原子力規制委員会は議員からの質問を受け付けない、議員に対して説明しないということになりますよ、と指摘すると、事実上、その理由は撤回しました。

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「『赤旗』を読んでもらわないといけないですね。」
「赤旗」が報道を生業とする新聞ではない、というのは、「赤旗」に対する誤解と偏見そのものです。
広聴広報課長の説明には、日本共産党の宣伝紙とでも思っているのかと、正直腹が立ちました。

「赤旗」は、海外にも特派員を派遣し、オリンピックもパラリンピックも現地取材しています。政治・社会問題についての、独自の調査・取材には、他の新聞記者たちも一目置いているはずです。
とりわけ、原発に関連する記事の確かさ、深さは、いまや多くの国民が認めるものではないでしょうか。
物理的にも、「赤旗」は購読料で運営しています。圧倒的に広告収入に頼る商業マスコミよりも報道を生業としているのではないかと思えます。

「赤旗」を見せながら、このように事実を伝えると、「それは、私たちの認識が足りなかったかもしれません」とのこと。
そうなると、主な理由は�△砲覆蠅泙后�

なぜ政党機関紙はだめなのか。「政党の考えに立って報道するから」だそうです。
商業新聞は、それぞれの新聞社の方針・考えに立って報道していないのでしょうか?
しかも、記者会見の取材は、基本的には発表された内容を報道するのですから、政党の考えに立ったからといって発表されたことをゆがめて報道することなどありえません。

説明を質していくと、政党だけではなく、団体も含めて「機関紙はご遠慮いただくということ」と明言しました。
なぜ機関紙がだめか、「その政党や団体の特定の考えに立って報道するから」。

「記者会見は基本的にインターネットで中継するから、そちらを見ていただいて報道することもできますから、閉鎖的とか排除とかではない」
記者会見で重要なことは、記者が直接に質問できるということです。
昨年3月11日以降、東電の福島第一原発に関する記者会見で、鋭どい質問を東電につきつけたのは「赤旗」記者だった、これはインターネット上でも話題になっていたはず。

「赤旗」編集局もこの対応には正式に抗議し、記者会見に入れるよう繰り返し求めています。
ことは「赤旗」だけの問題ではありません。
排他的・閉塞的な「原子力ムラ」が、原子力発電所の様々な問題を隠蔽してきた、その反省にたって原子力規制庁がつくられたのではなかったか。
「特定の考えに立つから」という理由で取材制限を正当化する――原子力行政の新たな闇を感じるのは私だけではないでしょう。

「政党機関紙は記者会見に入れないという具体的な方針を決定したのは誰ですか」
問い合わせの最後に確認してみました。
委員長と広聴広報課長の判断との回答。「必要ならば見直しも行なう」とのこと。
わが「赤旗」が引き下がるはずはありません。