コラム
【13.12.18】復興特別委員会で宮城県を視察
震災の教訓は生かされているか
参議院の東日本大震災復興特別委員会として宮城県を視察。日帰りのため、とても駆け足。もう少しお話を聞きたい、という思いは否めません。
けれど、来年の通常国会に向けて独自に調べたいことがつかむ機会となりました。
視察先� ‘販�行政法人 仙台医療センター。
ライフラインの被害や建物の一部損傷はあったものの、津波被害にあわなかったため、被災した病院から入院患者等を受け入れる拠点となった病院です。
広域搬送については、発災後初めての厚生労働委員会で質問したことを鮮明に覚えています。
入院患者、透析患者、特養ホームや老健施設の入所者など、ライフライン復旧のめどがたたない病院や避難所からどこに移せばよいのか。
私は、首都圏の病院で、入院ベッド削減方針や医師不足によって「使われていないベッドがある」ことを指摘して、これらも生かして厚労省が早急に対応するように求めたのです。
ところが厚労大臣などの答弁は、「県が対応している」というだけ。
「県も被災している。厚労省が病院からのSOSを受けるべきではないのか」と、声を詰まらせながら迫ったことを思い出します。
仙台医療センターはどのようにして、石巻赤十字病院などから患者を受け入れたのか。
視察時間が短かったため、病院内を移動しながら個別にお聞きしました。
県対策本部を通じての受け入れ要請があった。(情報途絶があったため、発災から50数時間後。)
県を超えての受け入れは、県対策本部では判断できない。
ベッド数の関係で、退院可能な約200人の患者に予定を前倒しして退院してもらった。
医療圏再編などで病床削減が行われれば、災害時に十分な対策ができるか不安。
視察�◆^緻�品の流通拠点(バイタルネットという卸売会社)
災害時の医薬品として、これまでは外科的治療に必要なものが準備されていました。
しかし、3・11では地震で外傷を負う場合よりも、津波で常備薬を流されたため患者への対応が求められました。
「多くの病院は経営上の効率性から、医薬品の在庫を少なくしている。日々、発注して処方する。ここに津波被害が起きたので、医療機関でも通常の医薬品がなくなるという事態になった」
「医薬品流通も、効率性を重視すれば、拠点を集中させる傾向にあった。しかし、災害時の交通途絶などを考えると怖い。うちも東北圏は青森に新たに拠点を置くことにした」
「病院への医薬品流通は、社員が病院に出かけて情報をつかみ迅速に対応した。しかし、避難所は医師も薬剤師も常駐してないので、医薬品を渡すことができなかった。行政が避難所をつかみ、どのように医薬品を供給するのか指示を出してほしかった」
先の病院で伺った話と合わせて、効率一辺倒の医療体制でよいのか、問われていると思えます。
「使われていないベッドをいかに減らすか、回転率をいかにあげるか」――厚労省が病院の尻をたたいているのが現状。これでは災害対応に大きな支障が生じるのは明らかです。
医薬品やガソリンなど、民間の任せにできない物資の流通をどうするか、これも早急に総括が必要な課題です。
視察�� 岩沼市立東保育所
床上浸水した建物は、築40年を経過していたため、掃除をしてもそのままでは使えない状態に。
全壊ではないため国の災害復旧予算もつかず、休所→建物解体へ。
仮設住宅のメーカーが申し出て、仮設園舎を建設。2013年春より保育事業再開。
この保育所に伺う前に、県庁でインフラや社会保障施設の復旧がどれだけすすんでいるかの説明を受けていました。
被災した保育所の93%が再開、と資料に書かれていました。ただし代替施設を含むともあります。
「代替施設はどれくらいですか」と質問したのですが、「手元に数字がない。1割ほどが代替施設だったと思う」とのこと。(後日、再開した125施設のうち24施設が代替との報告)
ちょうどこの日の「赤旗しんぶん」が、石巻市内の民間保育所をとりあげていました。
アパートを間借りしての保育が続き、保育の質はこれでいいのかと、保育士のみなさんが苦悩していることが伝わる記事でした。
岩沼市長は、「東保育所は元の建物の解体も、仮設建設も、国の補助金は一切出ていない。ここに視察にきたということは、本格的な建て直しには国の補助金が出るということか」と皮肉をこめて挨拶されました。
被災によって、実際には使えない施設なのに、国の基準で補助の線引きがされる、これは震災直後の復旧事業から大問題になっていました。
保育施設は、待機児童がいる場合に新設すれば、国から県に積んでいる「安心子ども基金」を使えますが、もともとある公立保育所は「新設」ともみなされません。
これでは、公立保育所をつぶして、民間保育施設を「新設」するという方向にもなりかねません。
乳幼児期の子どもたちには、今、この瞬間の一日一日の保育がかけがえのないもの。
仮設でいいのか、代替施設でいいのか、本格着工の妨げは何か――急いで解決しなければなりません。

