日本共産党 田村智子
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【14.03.12】災害対策特別委員会 大雪被害対策について

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 二月十四、十五の大雪は、山梨県、長野県の東信、南信、埼玉県、東京都など、豪雪の経験がない地域に過去に例のない積雪をもたらしました。
 私たち日本共産党は、山梨県などの地方議員や県の組織から寄せられる情報から、人命や市民の生活の安全が脅かされる事態だと判断をいたしまして、十六日に災害対策本部を立ち上げ、その日のうちに内閣府に意見や要望を伝えてまいりました。
 その一つが、災害救助法の適用についてです。
 私たちは、既に雪が原因で亡くなられた方もおられる、国からも災害救助法適用について県にアドバイスが必要ではないかと何度も問題提起をしたのです。自治体や県からは、災害救助法を適用しても避難所の費用を国が負担するぐらいだろうという声も聞かれまして、結果として適用が遅れる、あるいは国道が閉じ込められた方々への避難所を提供した自治体のみになったのではないかと思える県もあります。
 もう一点、私たち問題提起したのは、自衛隊の派遣についてです。
 十六日、山梨県の方々からは、自力での除雪は不可能だと、自衛隊は来てくれないのかという声が私たちのところにも多数寄せられました。しかし、十六日、山梨県に派遣された自衛隊は、延べ三十五人という報告。なぜなんですかということをその十六日のうちに内閣府にただしますと、県からの要請には応えていると、自衛隊の装備や人員でなければできないという活動でなければ派遣はできない、除雪は民間業者でもできるという趣旨の説明をいただきました。週明けからは自衛隊は山梨県に八百人体制になったわけですから、判断が変更されたんだというふうに理解をいたしますが、初動はこういう状態だったわけです。
 改めて、大雪は災害であり、その雪を取り除くことが救助であると、こういう認識を国、県、自治体がしっかりと持つことが重要だと考えます。
 この立場で、まず除排雪のことについてお聞きをいたします。
 一昨日、委員派遣で伺った長野県佐久市では、この大雪の除雪費用は約四億五千万円になるだろうという資料をいただきました。当初予算は約四千八百万円と私、昨日確認いたしまして、これは大変な費用負担になるわけで、国の支援をと市長からも長野県知事からも要望されました。
 政府は、この除排雪費用の支援ということでは、二月二十六日に三月分の特別交付税を前倒しで現金交付をしていますが、それではこの長野県佐久市に対しては交付額はどうなったのでしょうか。

○政府参考人(佐藤文俊君) 今回の特別交付税の繰上げ交付は、災害救助法の適用を受けた団体、又は積雪の絶対量が多く、平年を上回る積雪のある団体を対象としております。
 佐久市はこのどちらにも該当しておりませんでしたので、繰上げ交付の対象団体とはしませんでした。

○田村智子君 前倒しでの交付というのは大変大切な判断だったというふうに思うんですけれども、これ長野県で対象となったのは、お話あったように、災害救助法適用となった茅野市、軽井沢町、御代田町、富士見町の一市三町のみだったんです。観測史上例のない八十一センチの積雪となった飯田市や、住宅一部損壊の被害もあった上田市、小諸市など四市二村も全て対象にはならなかったと。冒頭で指摘をいたしましたが、災害救助法を適用したかどうかということが結果として明暗を分けてしまったということになるんです。
 これ三月の特別交付税は近日中に約七千億円が交付されるということで、これは除排雪費用が当初予算を大きく上回る自治体は全て交付の対象となると考えますけれども、確認をしたいと思いますし、あわせて、これ実際に要した除排雪費用のうちどこまでを特別交付税の措置と見るのか、そのことも併せてお答えをください。

○政府参考人(佐藤文俊君) 地方団体の除排雪経費につきましては、まず普通交付税の中に一部を算定しております。これは、通常の年を想定した標準的な経費、所要額をこの普通交付税の中で措置をいたします。ただ、大雪なんかの場合には、実際この措置額を超える場合があります。その場合には、実際の所要見込額を調べて、これが普通交付税の措置額を超える場合に特別交付税の対象にし、その一部を措置するということにしております。
 具体的に申し上げますと、普通交付税の措置額を超える額の二分の一を特別交付税で見るということを基本にしております。ただし、豪雪などで所要額自体が非常に大きくなりましたときには特別交付税で措置されないところも大きくなってくるということがありますので、今までも市町村についてはこの普通交付税と特別交付税を合わせて少なくとも所要額の七五%は見るというルールでやってまいりました。
 今回ちょっと特殊なことは、平年の積雪が非常に少ない地域であるということと非常に大きな除排雪経費が掛かっているということから、今までのルールを適用しますと特に都道府県で特別交付税の対象とならない額が大きくなるということが懸念をされておりますので、この点についてはこの措置を拡充したいと、その方向で今考えております。

○田村智子君 これ是非お願いをしたいと思います。
 それで、お聞きをいたしましたら、三月十一日ぐらいを締切りで費用の報告も自治体に求めているやにお聞きをしていますが、私も地方議員通じて幾つかの自治体に問い合わせたんですけれども、実はまだ費用負担がどれぐらいになるのか集約ができていないという自治体もあるんです。
 古屋大臣にお願いをしたいのは、是非、後から恐らく報告されるような費用というのも、もちろん年度内に決着付けなければいけない問題なので急いで自治体もやっているかと思うんですけれども、今総務省が取っている数字以上に出てくることもあるということも含みおいて、是非、特別交付税でしっかり除排雪の費用が支援できるよう大臣からも総務省の方に働きかけをお願いしたいと、財務省も含めてでしょうか、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(古屋圭司君) 特別交付税の交付のルールについて、今、佐藤局長の方からお話があったですけど、私、閣僚懇談会でも新藤総務大臣に対してできるだけ特別交付税を活用して今回の豪雪対策に対応してほしいということもしっかりお伝えをさせていただいておりますし、また、繰上げ交付がなされなかった地方公共団体についても、総務省において、私と総務大臣との話を加味をいたしまして、総務省において適切に対応をしていただけるというふうに考えています。

○田村智子君 これまでの豪雪では、特別交付税だけでなく、国土交通省が市町村道除雪費補助として国負担二分の一の特例措置というのも行ってきた経緯があります。二〇一二年度には百二十二市町村に四十七億円、二〇一一年度には二百七十五市町に百六億円の国費の補助が行われています。
 国土交通省にお聞きをしますが、今回の大雪についても同様の対応は検討されているのでしょうか。

○政府参考人(徳山日出男君) 結論を申し上げますと、検討をしております。
 従来は、市町村の除雪の補助は社会資本整備総合交付金によっておりまして、これはいわゆる雪寒法の市町村が対象になっております。また、先生今御指摘の臨時措置と申しますのは、全国的な豪雪の都市で地方財政措置だけでは間に合わないような場合に、国土交通省において、幹線市町村道の除雪費について、積雪地域であるかどうかにかかわらず臨時特例措置を講じてきたというわけでございます。
 今般の大雪は全国的な豪雪とは言えないわけでございますけれども、ふだん雪の降らない地域における大雪という特徴がございます。こうした特徴を踏まえて、三月五日から除雪の状況や除雪費の執行状況を把握する調査を開始したところでございまして、今後、調査の結果を踏まえて臨時特例措置について検討してまいりたいと考えております。

○田村智子君 これ、国土交通省の方も是非、今集計中なので、是非、今つかんでいる数字以上にあるんだと御理解いただきたいと思うんです。
 昨日聞きましても、長野県の一メートル超える積雪あったある市は、六十八区があって、区長さんが生活道路の除排雪するためにもう独自にどんどん民間業者に重機をお願いする、オペレーターをお願いする、それからトラックに雪を積んで雪捨場に運んでもらうと。費用はツケだということで、どんどんもうやらざるを得なかったわけで、それだけの区の費用を集約するというのは本当に大変なことで、そういう状況にあります。
 ここでトラックも手配しているんです。このときの費用の補助のときに、除雪、重機動かしてどかすというだけでなくて、トラックを使って雪も運んだと。その燃料費やトラックの借り上げや人件費や、そういうことも含めて見ていただけるのかどうか、これも確認をしたいと思います。

○政府参考人(徳山日出男君) 除雪には、ただよけるだけではなくて、どうしてもトラックに積み込んで排雪をしなきゃいかぬというケースもあるわけでございます。もちろん、この排雪に要する費用も含まれるということでございます。
 なお、私どもも調査期限を三月十日までとしておりますけれども、雪の降る地域からはもうそろっておるんですが、やはり今回は不慣れな方が多うございまして、一部未提出の市町村もございます。これも、期限切れたということではなくて、きちんと皆さんの把握した上で措置をさせていただきたいと思っております。

○田村智子君 もう一点、県の除排雪費用についてもお聞きをしたいんです。
 国土交通省所管で三分の二を国負担とする除排雪補助の制度がありますが、これは豪雪地の道県を対象としたもので、今回被害の大きかった山梨県、埼玉県などは対象外です。
 山梨県は、二月、雪害対策の補正予算、約六十六億二千万円のうち、道路の除雪経費で五十二億円を組んでいるわけです。厳しい財政状況の下、しかも年度末で、この負担は大変重いものでして、これは是非、豪雪地域の道県に対する補助と同等の支援ということも含めて検討いただきたいんですけれども、国土交通省、いかがでしょうか。

○政府参考人(徳山日出男君) 従来の臨時特例措置、先生御指摘のように、ここ三年の豪雪で全て対応してきたものは市町村道に対するものでございまして、県の方は、財政力がありますのと、私どもの保留してあります予算の範囲で手当てをしておりましたものですから、今までは臨時特例措置を県道に対しては適用しておりませんでした。
 ただ、今年の場合は、ふだん雪の降らない地域における大雪という特徴がございますので、今回の調査の中では、市町村道のみならず、都道府県の管理道路も対象として今調査をしておりまして、この調査結果を踏まえて措置を検討させていただきたいと思っております。

○田村智子君 古屋大臣、これも一言いただきたいんですけど、やっぱり豪雪地域ではないので同じ補助率は難しいかなという声も聞こえてきているんですね。
 ただ、私たち、聞いていましても、豪雪地域ではないから、例えば融雪のためのいろんな設備とか、雪解かすためにパイプ通すとか、そんなことを私たち求めるものではないと。アクシデントに対する多額の予算を求められているので、そのアクシデントに対する補助としてやっていただきたいんだということで、これは補助率なども是非踏み込んで支援ができるよう御検討いただきたいと思うんですけど、一言、大臣にもいただきたいと思います。

○国務大臣(古屋圭司君) 地方公共団体の除雪経費については、今国交省からも答弁ありましたように、適切に対応していただくよう、私も国交大臣にその要請はしています。
 その上で、やはり除雪の調査の結果を踏まえて、国交省において、自治体に対する除雪の支援については、先ほど来お話のある臨時特例措置を検討し、適切に対応していただけるものというふうに考えています。

○田村智子君 是非、ここでも踏み込んだ支援をお願いしたいと思います。
 私、これにこだわりますのは、やっぱり除排雪費用を国がちゃんと補填をしてもらえれば、地方自治体は別のところにその予算を回すことができるわけで、例えばカーポートが壊れたとか、雨どいや家屋の一部が壊れたとか、こういうのは保険の対象にならなくて、高齢者の世帯が困っているんですね。でも、そこまで国が見るかといったらなかなかこれは難しいかもしれない。そうすると、お見舞金というのを出すことを決めた自治体もあるようですけれども、そういうところにお金を回すことができるわけで、是非国が予算を振り向けられる除排雪のところは踏み込んで支援をいただきたいというふうに思います。
 農業再建の支援について、これはメニューは本当に踏み込んだものをお示しいただいたと思いますが、あるいは、要綱が出ない限りは何も進まないので早く示してほしいというのが共通した要望だと思います。これはお願いをしたいと思います。
 倒壊したビニールハウスの撤去について、これは国と地方自治体で十分の十の負担というふうにされているんですけれども、算定単価が実態に見合わないという声が聞かれます。結局、個人負担発生するんじゃないかと。
 山梨県で我が党県議がJAの役員の方にお聞きをしたところ、鉄骨ビニールハウスで平米当たり八百八十円、一千平米八十八万円が上限とされているけれども、実際にはこれは百万円は掛かるだろうというような御意見もいただきました。
 実態として、自己負担が発生しないような単価の設定が必要だと思うのと、もう一つ、倒壊した牛舎や鶏舎、ビニールハウスと同様の補助ということなんですけれども、これは単価全く異なってくると思います。その点について、どのような検討か、お聞かせください。

○政府参考人(高橋洋君) 一点目の撤去費の定額助成の単価については、農林水産省で把握しております機械等のリース代やオペレーター代、廃棄物の運搬費などの標準的な経費を基に算出したものであります。その額の十分の十相当まで補助できるということで、農業者の自己負担が発生しないような水準に設定をしたということでございます。この点については、いわゆるモラルハザードを防ぐという観点から、一定の上限単価の設定はどうしても必要だというふうに考えております。
 また、牛舎、鶏舎などの畜舎については、実際に撤去を行った畜舎の撤去費などのデータ、これが手元にございませんでしたので、これを収集をして、これを参考に現在単価を設定すべく検討を鋭意進めているところでございます。

○田村智子君 これ、単価の引上げということではなくて、山梨県で言われているのは、果樹のビニールハウスというのは造りが頑丈で構造も複雑だと。しかも、倒壊の仕方がぺしゃんと崩れていないんですよ。木がそれを支えていて、全部崩れるのが崩れていないという状態で、どこからどう壊していくかということを本当に慎重に考えないと二次的被害が起きかねないような崩れ方しているんです。だから、是非現場の声聞いて単価の判断してほしいということは重ねて要望しておきたいというふうに思います。
 それから、再建の方なんですけれども、これいろんな引上げもしていただいて、自治体の方でもやるぞというふうになっていただいて、本人負担は一割というような支援策がそれぞれの県で進んでいるかと思います。山梨県のブドウや梨などは、ビニールハウスかなり大型のもので、再建には一棟当たり五千万円は必要だと、一割の負担でも五百万円ということになるわけです。
 私も二月十八日に笛吹市のブドウ農家を訪ねました。これ、新たなビニールハウスも造って、二つ潰れているんです。それで、若い農業者の方で、折れた果樹を前にして私もお話を聞きましたけれども、本当にハウスのブドウ栽培を続けたいということを涙こらえながらお話をされておられました。これ大変、一割でも自己負担が大きくならざるを得ないという方がいらっしゃいます。果樹の場合は植え替えてからの収穫にも何年も掛かってしまう。
 それからもう一つ、イチゴ農家の方はまさに収穫期だったんです。それで、これから一年分の収入とも言えるものが入る直前に潰れて、辺りにはイチゴの香りが漂う状況になってしまったわけなんですね。燃やした重油代とか掛かった経費とかリースやローンのお金は、全部もう支払が始まるわけです。先ほどのブドウ農家も、わせのブドウは四月に出荷だというんですよ。すぐに支払が始まるのに、全くお金が入らなくなるという状態なんです。
 是非、こういう個々の実情に応じてもう少し何かができないかと、再建したいと思っている方に応えられる支援が国や自治体や農協などでできないかということは更に検討をいただきたいというふうにお願いをしたいんですが、これ農水省と古屋大臣と両方、御答弁をお願いしたいと思います。

○政府参考人(高橋洋君) 今回再建に関して打ち出しましたものは、過去に例のない対策でございます。今御指摘もありましたように、国の二分の一に加えて、県、市町村の方でも、特別交付税措置というものを念頭に、今できる限り上乗せをしていただくという検討をされていただいていると思いますので、それによって農家負担が極力少なくなるよう、また、当座の資金につきましては、借入当初五年間無利子という資金は施設資金だけではなくて運転資金も借りられますので、こういった対策も是非御活用をいただきたいというふうに思っております。

○田村智子君 大臣。

○国務大臣(古屋圭司君) 農水大臣から、二月の十九日に予算委員会がありましたが、そのときに、これを機にもう農業をやめようかなということが頭をよぎるかもしれませんが、我々は最大限のサポートをしますので、是非頑張って続けていただきたいということを申し上げております。これ、大臣にしてはかなり思い切った発言ですよね。
 私、それを受けまして、非常災害対策本部、連日やっていますけれども、ここでも農水省と環境省に対してやっぱり被災農家の視点に立って分かりやすい支援をしっかり徹底するようにということで要請をいたしまして、今農水省からも答弁ありましたように、要するに、ほとんど負担がなくて、両省庁のメニューが被災者の立場になって選択しやすい形でスピーディーに対応させていただきました。
 我々がやはり目指すのは、農家の方が一日も早く営農をしていただいて、元気な姿で農業を営んでいただくということを目指して今後も万全を期してまいりたいというふうに思います。

○田村智子君 終わります。