【14.03.13】文教科学委員会 教員の長時間労働について
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
昨年十月、全日本教職員組合が、教員の勤務実態調査二〇一二のまとめを発表いたしまして、その内容がマスコミにも大きく取り上げられました。この調査は、二〇〇六年の文科省調査と同じ調査票を使って五千八百八十名の教諭を含む六千八百七十九名分が集約をされたもので、同様の調査は東北大学でも行われています。
文科省の調査では、時間外勤務時間は一か月平均、これ休日勤務も含めて約四十二時間、六年後の全教の調査では、土日を含めて六十九時間三十二分、持ち帰り仕事を含めますと実に九十一時間十三分という結果がまとめられています。しかも、この全体の三割以上が厚生労働省が過労死ラインとしている月八十時間の時間外労働を超えていて、百時間以上という方も二割近く、五人に一人に上ります。これ、持ち帰り仕事は含んでいません。こういう長時間勤務がこれ更に悪化しているんではないかと示唆する内容で、これは東北大学の調査にも共通をしています。
二〇一二年度、文科省は、うつ病など精神系の病気による休職者は五年ぶりに五千人を下回ったとの報告をなさいましたが、依然として高水準だとこれはお認めになっています。
まず大臣にお伺いしたいんですけれども、やはり非常に深刻な長時間残業が学校現場に蔓延している。この実態についてどのような認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 平成十八年度文部科学省委託調査の結果から教員の年間の平均残業時間を推計すると、御指摘のように月平均四十二時間残業時間となっておりまして、一般の労働者と比べて時間外勤務が多い実態となっているというふうに承知をしております。
学校教育に求められるものが多様化、高度化する中で質の高い教育を行うためには教員の多忙を解消し、子供と向き合う時間を確保することが重要であるというふうに認識しております。
○田村智子君 私もそのとおりだと思うんです。
この教員の多忙化、長時間勤務はこの間様々な機関で議論や検討が行われてきました。二〇〇七年中央教育審議会答申、今後の教員給与の在り方についてでは、先ほど紹介した文科省の調査についても取り上げていますが、教員の勤務実態について、どのような認識がこの答申で示されましたでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 平成十九年の中教審の答申におきましては、教員の超過勤務の実態について次のような記述がございます。
教員勤務実態調査暫定集計によれば、七月、九月、十月、十一月の通常期における一日当たりの平均残業時間は、小学校の教諭で一時間四十七分七月、一時間三十四分九月、一時間四十二分十月、一時間四十分十一月、中学校の教諭で二時間二十六分七月、二時間十分九月、二時間七分十月、二時間八分十一月となっており、恒常的な時間外勤務の実態が明らかになっている。また、同集計によれば、七月、九月、十月、十一月の通常期における一日当たりの休憩・休息時間は、小学校の教諭で七月九分、九月九分、十月六分、十一月六分、中学校の教諭で七月十分、九月十一分、十月七分、十一月七分となっており、事前に割り振られているはずの休憩・休息時間が、子供たちへの指導等があるため、結果として十分に取れていない現状がある。
このように、通常期においては、授業の始業時間から終業時間まではもとより、放課後においても子供たちが学校にいる間は、子供たちの教育指導や安全管理の責任などを負うことになるため、事務の軽減措置や勤務時間の適正な管理の取組だけでは対応し切れず、八時間の正規の勤務時間を超えてしまうことがどうしても多くなってしまっていると、このように記述されております。
○田村智子君 今お話のあった休憩時間九分とか十分というのは、これは本当は労基法では四十五分、これを保障しなければならないとなっていますから、本当に異常なんです。
加えて、やっぱり私重大だと思うのは、恒常的な時間外勤務になっているというふうに言われているんです。これは、そのこと自体が法律に照らして大問題だという認識を持たなければなりません。労働基準法三十二条、一日八時間、週四十時間を超えて労働させてはならないという規定は教員も適用対象です。
さらに教員については、公立教員給与特別措置法で、特別の場合を除いて超過勤務をさせてはならないと定めて、その特別な場合を更に政令で、次のように限定をしています。教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすることと、四つ示されています。校外実習その他生徒の実習に関する業務、修学旅行その他学校の行事に関する業務、職員会議に関する業務、非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務と。
法令でここまで厳密に規定をしながら、恒常的な時間外勤務という違法実態がなぜ起きるのか、この点についても局長の見解をお伺いします。
○政府参考人(前川喜平君) 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法でございますが、この給特法第六条に基づく政令第二号におきましては、時間外勤務を命ずる場合は臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとされ、各教育委員会においては当該基準に従い時間外勤務を命ずる場合を条例で定めております。
平成十八年の教員勤務実態調査におきましては、小中学校の教諭の勤務日の残業時間が、一月当たり平均約三十四時間となるなど、昭和四十一年の教職員の勤務状況調査の結果と比べて残業時間が増加しているという実態がございます。
条例に定める事項以外において行われる時間外勤務、これは職務命令によらない時間外勤務でございますが、これが行われている理由は多様であると考えられます。事務処理や報告書の作成、また生徒指導、部活動の指導等が時間外に勤務が行われている主な要因ではないかと考えております。
○田村智子君 これは、いろんな過労死裁判などを見ても、それは言葉で命令されていなくても黙示のこれは指示であるというような過労死裁判も行われているわけですから、教員が勝手にやっていることでは決してない、通常の業務の中でこれだけの長時間勤務が起きているんだ、これはやっぱりちゃんと認識しないといけないと思うんです。
私、別に文科省何もやってきていないよとは言いません。これ、二〇〇六年に勤務実態調査する、中教審も答申を出す、そうすると、これを受けて二〇〇八年には学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会、この審議のまとめも発表しています。その中でちゃんと、今後必要な取組ということで、授業以外の業務負担を減らすために学校運営の在り方について様々な課題があるんだということをきちんと提起をされておられます、それが実施されているかどうかというのは非常に疑問ですけれども。
さらに、この審議のまとめの中では、法制度についても見直しが必要だという認識が示されました。これは、文科省自らに課せられたものだと思うんです。先ほどから指摘のある給特法、これは時間外勤務の時間数にかかわらず定率四%を教職調整額として支給するというふうに定めているんですけれども、このことについて、これが時間外勤務の抑制につながっていない、無定量の時間外勤務を招いているという批判がある、これを認めて、学校業務の効率化などと併せて、教員の時間外勤務が抑制されるような仕組みをつくっていく必要があるというふうにまとめを文科省自らがやった、でもそういう仕組みが提案されたという記憶がありません。これ、なぜなんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 平成二十年の学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議における審議のまとめにおきましては、時間外勤務の問題に関しまして、ICTの活用でありますとか外部人材の活用等により、教員が担う授業以外の業務を縮減すること、適正な教職員数を確保すること、部活動指導については教員以外の専門的な指導者の活用を促進するとともに、部活動による時間外勤務が可能な限り生じることがないように、校長が適切に管理監督するよう指導することなどが必要であると指摘されております。
文部科学省といたしましては、ICカード等を基礎として確認、記録するなど、管理職による労働時間の適正な把握、主幹教諭等の配置、事務職員の活用、校務の情報化、校務の効率化などを通じた負担軽減などによりまして、教員の勤務時間縮減に努めることを通知等を通じ指導してきたところでございます。
引き続き、勤務時間の把握及び学校の校務運営体制の改善等を通じた勤務時間縮減を各教育委員会に求めてまいりたいと考えているところでございます。
○田村智子君 それは、私が指摘したところの前段階までなんですね。その後に続けて、教員の時間外勤務が抑制されるような仕組みをつくっていく必要があるということもちゃんと書かれているんですよ。これはもう大臣にお聞きをしたいと思います。
この給特法の規定というのは、民間事業者でいいますと、基本給の四%分をあらかじめ残業代として支給するという仕組みになるわけです。民間事業所ならば、それが何時間の時間外労働に対する手当なのかということは当然示さなければなりません。それを超えた時間については残業代の支払がさらに上乗せされなければなりません。私立学校も同様です。
ところが、公立学校では、何時間時間外勤務をしたかは問われない。しかも、あらかじめ超勤手当の支給がされているんだから、時間外働いて当たり前と、こういう状況がつくられてしまった、だから抑制的になっていないんだと、これ検討会も認めざるを得なかったと思うんですね。しかも、この四%という規定が作られたのは一九九六年の調査に基づくもので、この当時の時間外勤務の月平均というのは八時間なんですよ。十年後、二〇〇六年文科省調査では、月平均四十二時間。どこから見ても全く時代にそぐわない、そういう法令がそのままになっているんじゃないだろうかと言わなければなりません。
実は、民間の方はもっと進んでいて、労働基準法は、これは二〇〇八年の改定で、月六十時間を超えるような時間外労働はこれは割増し率も上げなきゃ駄目だと、二〇一〇年四月から施行されています。これは公立学校についても同じように、時間外勤務はその時間数に応じて割増し給を支払うようにする、こういう給特法の改正なども行って実際に抑制的な仕組みをつくるということが必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 公立学校の教員には、割増し賃金を含む時間外勤務手当を支給しない代わりに、御指摘のように、職務と勤務態様の特殊性に基づき本給の四%分の教職調整額が支給されているわけでございます。文科省では、平成十八年度に実施した教員の勤務実態調査等を踏まえ、これまでも教職調整額の支給を定めた給特法の在り方について検討してきたが、結論を得るということには至っていないという状況がございます。
私も、事務方から詳しく説明をしてもらったんですが、一般行政職と教員の給与比較の中で、この一般行政職における本給、それから時間外勤務手当、それから職務給手当と、教員とでそもそも構成が違っている部分がございまして、その辺を実態的な状況に合わせるということになると、そもそもの本給の在り方をどうするのか、それから御指摘の義務教育費等特別手当やあるいはこの教職調整額、それから職務給付額等をどうするのかということも併せて抜本的なこれは検討をしていかないと、なかなか時間外手当の問題も含めて簡単に解決できることではないと思いましたが、その検討は必要であるというふうに私も思いました。
しかし、さらに、その検討、その給与の問題だけでなく、学校の組織運営や、それから教員の勤務時間管理、また教員の時間外における勤務の在り方等も含めて大きく影響する問題でありますので、今後の学校の在り方や教員の質の向上を進めていく上でもトータル的な形での検討が必要だということでありますが、大変重要な課題だというふうに認識しております。
○田村智子君 これは、労基法はやっぱりペナルティー的な意味合いを込めての割増し給料なんですね。それで抑制させようと。やっぱり同じような、ある意味、力も働かせることが必要ではないかという問題意識を持っています。
実は、この何時間働いても手当が変わらないということが、今大臣お話しになったとおり、勤務時間の把握、管理の在り方、これも現場では曖昧になっているんじゃないかというふうに言わざるを得ませんし、さっきの審議のまとめでもこのことが指摘をされています。
まず確認をしたいんですけれども、やっぱり学校現場の労働時間の適正な把握、これは文科省も通知も出す、それからその後も指導を進めるということをやっているんですけれども、改めて確認したいのは、時間を把握すること、これは教育委員会や校長が出退時間の把握をするだけでなくて、個別教員の総労働時間を管理すること、これが求められていると思います。あわせて、その労働時間が長過ぎると、健康を害するというふうに思われる場合には、具体に労働時間を減らすような手だてを取る義務、これ安全配慮義務と呼ばれますけれども、これを教育委員会や校長は負っているというふうに考えますが、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、この平成二十年の御指摘のあった検討会議の審議のまとめにおきましても、国家公務員や民間企業の使用者についての最高裁判決を踏まえれば、教育委員会は当該教育委員会が服務監督権を有する教職員について当該教職員の生命及び健康などを危険から保護するように配慮すべき義務、これが安全配慮義務でございますが、この義務を負っていると指摘されているところでございます。
文部科学省といたしましては、教員の心身の健康が保持されるように、勤務時間の把握及び学校の校務運営体制の改善等を通じた勤務時間の縮減を各教育委員会に引き続き求めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 やっぱり前提として、勤務時間がどうかという把握が適正に正確に行われることが求められると思うんです。
私、幾つかの学校の現状を聞きましたら、こういう通知も受けてタイムカードで把握しているという学校も確かにあります。しかし、別の学校に行きますと、目視で校長などが確認すると。目視でどうやって時間を確認するのかなと思うんですけれども、勤務時間が過ぎたと、誰々が残っているということを確認する程度で終わっている学校もあるということなんですよ。
文科省に改めてお聞きしたいんですが、一体勤務時間がどのように把握されているのか、その実態を文科省はつかまれておられるでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 出勤時刻及び退庁時刻の管理方法でございますが、例えば管理職による報告や点呼、目視。この場合、教頭先生が朝一番早く来て出勤状況を把握する、夜は最後まで残って全ての教員の帰ったのを確認すると、こんなようなことをしているという例もございます。また、出勤簿への押印、さらに、タイムカードなどを導入するところも徐々に増えてきているという状況でございますが、このような形で教員の労働時間の管理を行っているものと承知しております。
文部科学省といたしましては、管理職が自ら現認する、あるいはICカード等の客観的な記録を基礎として確認し記録するなどの方法によりまして、労働時間の適正な把握に努めるよう、これまでも通知するとともに指導してきているところでございます。
○田村智子君 これね、大臣、先ほどどんなふうに働いているかということも調べなくちゃいけないとおっしゃられたんで、これやっぱり、どうやって勤務時間つかんでいるかというのは、全くのこれ原点なんですよ。それがなければ何も進まないんですよ。是非、その実態調査、行っていただきたいと、これ要望しておきたいというふうに思います。
併せて大臣にお聞きしたいのは、これ先ほどの文科省の検討会の審議のまとめでは、改善の方向として、学校が抱える課題に対応する適正な教職員数の確保が必要であると、こういう指摘もされているところです。にもかかわらず、この間、まともな教員定数の改善は行われず、二〇〇七年の中教審答申以降、むしろトータルでは、自然減であるとか、改善数の差引きなどで減少しているというのがこの実態なんですね。その辺、先ほど午前中の審議でもありましたけど、来年度予算案では初めて教員定数は純減になってしまうという案が提示されています。
これ、児童生徒数の減少ということが理由なんですけれども、これでは、超過勤務が恒常化しているという、この違法状態を文部科学省は解決するという意思を持っているんだろうかと思わざるを得ないわけです。
学習指導要領の改訂で授業で教える内容は増えていると、学力テストは全国だけでなくて地方公共団体や自治体も独自に取り組んでいると。あるいは来年度は土曜授業だと。これは外部の人だって言いますけど、教職員を抜きにして土曜日学校を開けるなんてことはまずあり得ないわけですよ。さらに、家庭や社会状況の変化などで、子供への対応も十年、二十年前と比べて本当に負担が重くなっている、これは十分考えられることです。
本気で教員の過重負担解消すると、長時間勤務解消するというのならば、抜本的な定数増に本当は踏み出さなければいけないんじゃないかと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 今、学校教職員が平均残業月四十二時間というのは、これは大変だということの御質問を受けて、文科省の職員はどうなんだというふうに聞きましたら、いや、もっと残業時間が多いんじゃないかと。これは、文科省だけでなく、霞が関全体もそういう状況だと、率直に言って思うんですね。
実際のところは、田村先生も、多分それ以上に、別にそういう勤務体系じゃないわけですけど、我々のもし勤務時間に加算したら、とっくに過労死してもおかしくないぐらいの仕事をしていると思うんですが、好きでやっているから過労死じゃないんだろうというふうに世間からは言われそうですけれども、やっぱり日本全体が、そういう意味では、ワーク・ライフ・バランスの中、やっぱり教員問題だけでなく、日本社会全体で取り組むべきことであるということを感じておりますが、決して逃げるわけではありません。
平成二十六年度の概算要求においては、今後七年間で計画的に三万三千五百人の定数改善を図ることを目的とした教師力・学校力向上七か年戦略の初年度分として三千八百人の定数改善の要求を行いました。文部科学省としてはそういうスタンスでございます。
しかし、残念ながら、この予算編成過程において財務省から大幅な教職員定数の削減を求められ、その結果、今後の少子化等を踏まえ、七百十三人の定数の減を行う一方で、小学校英語の教科化や特別支援教育の充実など、個別の教育課程への対応に必要な定数改善として七百三人の増を計上をしたところでございます。
このため、自然減三千八百人を除く全体の定数は初めての純減、マイナス十人となったわけでありますが、その中でも優先度が高い課題に対応するため、定数の配置見直しを行い、実質的な教育環境の改善を図ったところでもございます。
非常に財源が厳しい状況でございますけれども、重要な教育課題への対応を図るための必要最小限の予算が確保でき、そして今後、教職員定数のより一層の充実に努めるということが文部科学省の役割であるというふうに認識しております。
○田村智子君 これ、やっぱり文部科学省というのは、法令に基づいて学校運営が行われているかどうかということに極めて重い責任を持っていると思うんですね。これ、もう違法状態が恒常化されている、この認識で、是非、その解決のために何が必要か、これ財務省とももちろんそのつもりで、違法状態なんだと、解決するのは当然なんだということで、やっぱり教職員定数の改善も求めていかなきゃいけない、改めて強く要求しておきます。
最後、一問、高校就学支援金について、私も一問だけどうしても大臣に直接お聞きをいたします。
来年度入学の高校生から、高校退学者が再入学する場合、最長二年の学び直しの支援ということで就学支援金が支給の対象となります。が、留年した場合はこの対象にしなかった。
議論の中では、遊んでいる人にその支援金を渡していいのかというようなことがあったんですけれども、これ私、やっぱり、留年してでも卒業しようとする子たちを、これはちゃんと支援することは必要なんじゃないだろうか。まして、留年というのは遊んでいるばっかりじゃないですよね。様々な困難、家庭の困難でなかなか通えない状況になっちゃったという方とか、働きながらだったら、通学費がなかなか払えなくて休まざるを得なくなっちゃったとか、そういう子たちが現にいるわけです。そういう子供たちに対して学校の先生も、頑張って卒業しようよと、留年しても頑張ろうよと。そういう子たちが中退することなく、留年してでも卒業するということは、これは社会的にも大きな利益になると私は思うんです。と考えるならば、留年のその子供も、個々の事情をよく見て、全部駄目よというのじゃなくて、これ対応するということが求められるんじゃないか。
その点、是非再考をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) この度の高校無償化制度見直しに伴いまして、新たに学び直し支援事業を創設することにより、一度は高校段階で学んだものの、何らかの理由により途中で修学を断念し、再び高校段階で学ぶ者に対して支援するということを決定をいたしました。
しかしながら、高等学校は本来修業年限をもって卒業すべきものでありますので、やはり遊びとか、それから非行などのため修業年限を超えて在学する留年生についてまでこの支給対象とすることは、これはやはり適切でないというふうに思います。
しかし、病気とか留学等を理由として休学することにより就学支援金の支給の停止を申し出た者については、休学期間中は就学支援金の受給期間の進行を停止することができるようになっております。この場合において、修業年限を超過し、留年することとなった場合でも、就学支援金を受給できることとしております。
○田村智子君 済みません、一言だけ。
○委員長(丸山和也君) 田村君、時間です。
○田村智子君 はい、一言だけ。
留年している子供の中に定時制の高校生、結構多いんですよ。本当に苦しい家庭の中で学んでいる子たちのその卒業を応援するという制度にしなくちゃいけないと、このことを改めて求めて終わりたいと思います。