ともここらむ

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終戦直後の道路計画のために住民を立ち退かせるのか

いま東京都は建設事業ラッシュになろうとしています。「東京を世界とたたかえる都市に」と巨大ビル建設が次々とつくられようとしています。東京オリンピックを口実に、新国立競技場周辺は高さ制限も大きく規制緩和されました。これ以上、人を東京に集めてどうするのか、高層ビルはもういらないと叫びたくなります。

そして道路建設も、外郭環状自動車道、その地上部(外環の2)、そして都内28か所に及ぶ「特定整備路線」を一気につくろうとしています。6月9日、「特定整備路線全都連絡会」のみなさんが、この事業認可はやり直すべきだと、国交省に要請。私も、現地視察やシンポジウムに取り組んだ国会議員の一人として同席しました。

 この道路計画の都市計画決定は、なんと1946年4月、戦災復興院によるものだとされていますが、そのことが確認できるのは当時の公報に掲載された「告示」のみです。主務大臣の決裁文書も、どこに道路をつくるのかという図面もなぜか存在していません。しかも、計画決定は、戦時中の法律を根拠としたため、住民との協議どころか住民への説明さえ必要ない、お上の思いのままというものです。

都市計画決定から70年近く経過して、突然、この計画の通りに道路をつくると東京都は住民に一方的に説明し、昨年2月、国交省も都の申請を事業認可してしまいました。

「すでに決定している計画だから」と、住民との協議も合意も必要ないというのが東京都の姿勢。戦時立法にもとづく手続きを是とするのかと驚きます。

この日の要請では、私も国交省を問い詰めました。

Q「昭和21年の都市計画決定の公文書を国交省は確認したのか」 A「東京都に問い合わせたら、当時の文書は確認できないとのことだった」

Q「都市計画決定の図面がないのに、どうして事業認可できるのか」  A「(沈黙が長く続く) 東京が提出した図面が、都市計画決定文書だから」

Q「一般論で聞くが、都市計画決定の図面と、都道府県が事業認可申請で提出した図面が違っていた場合、国交省は指導しないのか」 A「道路の幅が違っているなど、都市計画と異なっていれば指導する」 Q「今回の計画は、図面は後から適当に引いたものだと、当時の関係者の発言もある。昭和21年の都市計画決定を示すよう東京都を指導すべきではないのか」  A「計画決定後、地形の変化などで図面を更新することはある。東京都は、昭和21年の都市計画を更新した図面だと説明している。事業認可は法に基づき適正に行った」

Q「都の説明を検証できない。ことは財産に関わる。戦時立法にもとづく計画決定で、しかも決定時の公文書が何もない。こんな計画を事業認可するのでなく、新ためて都市計画をつくるよう指導すべきだ」  A「都市計画決定者は東京都。東京都が決めること」

これが舛添都政と、安倍内閣の政治なのです。ここであきらめるわけにはいきません。住民の方々は憲法を掲げて、東京都と国交省に対峙しています。住み慣れた家を奪われる苦しみ、街を分断され壊される苦悩、話し合いさえ拒否する東京都の強権政治への怒り。どれも当然のものです。民主主義にもかかわる問題として、私も住民のみなさんと頑張ります。


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