活動報告

活動報告
共産党議員の国会質問/非正規研究者を守れ/大量雇い止め中止を/コロナワクチン副反応/被害救済、運用改善を/田村智氏

 田村智子議員は8日の参院内閣委員会で、2023年3月に懸念される理化学研究所(理研)などによる非正規研究者の雇い止めを中止させるよう国の指導を求めました。

 労働契約法の特例で、非正規の研究者は通算雇用期間10年で無期雇用転換権が発生しますが、法施行10年目を迎える23年4月の直前に、国立研究開発法人や国立大学法人による無期転換逃れの大量雇い止めが危惧されています。田村氏の調査で、国立研究開発法人による雇い止めの危険がある研究者は1390人、全職員数の2・9%に上ります。全職員数の5%超で危険があるのは理研(6363人、13・1%)と産業技術総合研究所(449人、9・4%)の2法人です。理研労は3万人分のネット署名を集めています。

 田村氏は、理研では60人を超えるチームの主宰者も対象となり、チーム全体の雇い止めやプロジェクト中止も生じかねないと指摘。研究力の向上どころか打撃になるとして、雇い止めの中止へ指導を求めました。また、国立大学は任期なし教員を任期付きに置き換えているとして、「これが国立大学の研究力低迷の原因だ」と指摘。「選択と集中」ではなく基盤的研究費の抜本的増加を求めました。

 

コロナワクチン副反応/被害救済、運用改善を

 田村智子議員は8日の参院内閣委員会で、新型コロナウイルスワクチンによる被害に対する予防接種救済制度の運用改善を求めました。

 ワクチンによる副反応疑い報告のうち死亡事例は2月18日現在で1450件。厚生労働省に予防接種被害救済制度の申請件数は67件(2月24日現在)で、5件が審査会にかけられましたが、いずれも保留となっています。死亡事例以外は認定が566件であり、死亡事例の救済の遅れが目立っています。

 田村氏は、死亡事例の救済が遅れている原因として、窓口の自治体が、提出書類が足りないと判断した場合、申請を見合わせると言っているところがあると指摘。書類が不十分であっても国へ申請するよう自治体に徹底するとともに、自治体での審査マニュアルの整備を求めました。

 また、田村氏は死亡事例では予防接種との因果関係が評価不能の事例がほとんどで、剖検の費用助成など因果関係評価の改善が必要だと提起しました。


2022年3月15日(火) しんぶん赤旗

 

 

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。

 冒頭、私もロシアのウクライナ侵略に強く抗議をし、また三月八日にジェンダー平等を求めるムーブメントへの連帯を表明いたします。

 ワクチン副反応被害の救済について、まず質問いたします。
 感染症対策としてワクチン接種は重要な柱であり、接種を進める上で有効性、安全性を科学的エビデンスに基づいて周知するとともに、被害があった場合の救済をしっかりと行うことが不可欠です。新型コロナウイルスワクチンは、過去に経験のない規模とスピードで接種を進めているだけに、被害を受けたと考える方への対応がどうなっているのかを把握して、問題があれば速やかな是正が求められます。

 ワクチンによる被害があったと考える場合、当事者は市町村を通じて申請を行い、厚生労働省の審査会が健康被害と予防接種との因果関係を否定できない場合に医療費や障害年金、遺族年金、死亡一時金などが給付されるという仕組みになっています。

 まず、確認いたします。
 新型コロナワクチンでの副反応疑いでの死亡事例、また死亡事例で予防接種被害救済制度の適用を求める申請、そして認定、これらについて、それぞれ件数を教えてください。

○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘ございました二つの制度、副反応疑い報告制度と予防接種健康被害救済制度の現状でございますけれども、まず、副反応疑い報告制度、こちらは予防接種……(発言する者あり)はい。こちらはその症状等の傾向を把握するために医師等に報告を求めているものでございますが、二月十八日に開催された審議会の報告によりますと、これまでに新型コロナワクチン接種後に死亡として報告されたものは、ファイザー社のワクチンでは千三百八十二件、モデルナ社のワクチンでは六十七件、アストラゼネカ社のワクチンでは一件となっております。

 一方、個々の健康被害生じた場合の救済制度ということで、別途、予防接種健康被害救済制度というものがございますが、こちらにつきましては、二月二十四日に開催された審査会の時点で進達された死亡一時金の件数ということになりますが、こちらになりますと六十七件でございまして、うち五件が審査をされて、現時点では全て保留となっているという状況でございます。

○田村智子君 副反応疑いの死亡事例は一千四百五十件ぐらいになるでしょうか、それを超えますね。ところが、審査会にかかった件数は五件でよろしいですか。で、全て保留となっているというふうに認識します。申請そのものが六十七にとどまっているということなんですね。

 死亡事例以外では、認定件数、二月二十四日現在で五百六十六件ありますから、死亡事案への対応が余りにも実態から乖離しているように思えるんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 先ほど少し申し上げましたけれども、副反応疑い報告制度、こちらにつきましては、接種後に副反応が疑われる事例につきまして接種後に生じる症状等の傾向を把握するために医師等から報告されるものでございますので、その数をベースにして健康被害救済制度の数について議論することちょっと難しいですけれども、健康被害救済制度の方につきましては、先ほど委員御指摘のように、接種後に死亡した際に請求されるということで、個人の救済を目的として、接種を受けた方の死亡事例で申しますと、御家族等から申請されるものでございます。

 両制度、制度のその目的等が異なりますので、それぞれの件数が一致するものではございませんが、この副作用、副反応に関してのこの健康被害救済制度につきましては、接種を受ける方々にきちんと周知徹底を図って、制度の活用、残念ながら制度を活用するような場面が生じる場合には、きちんと制度を活用いただけるように周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

○田村智子君 幾つか問題点、指摘したいんです。
 資料の一ページ目、「接種後死亡 救済進まず」と共同通信が配信し、一月二十五日に京都新聞に掲載されたものです。

 東広島市の岡本さん、息子さんが昨年八月、二回目接種から二日後の就寝時に突然死をされたと、翌月、申請書を東広島市に出したが、健康診断や病理検査の書類がないと厳しい、これでは申請できないという対応で、担当者は取り合ってくれず、申請を受けようという積極的な姿勢はなかったという岡本さんの言葉を紹介しています。

 また、神戸市への取材で、生前の健康状態など情報が足りないと判断した死亡事例は申請を国に上げるのを一時見合わせる、判断基準がなくて困ると担当者は頭を抱えると報じているんですね。

 市町村は、申請があるとまず市町村の調査委員会で審査をして国に進達すると、調査委員会に医学的判断を求めるわけではないというのが厚労省の説明です。しかし、国が医学的判断をするに足りる書類があるかどうかということを判断しているわけですね。

 そうすると、自治体から資料が足りないなどと説明されて申請に至らない、あるいは申請を諦める、こういう事例も多いのではないかと推測されるのですが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(島村大君) 引き続き声がかれていて済みません。
 今委員の御質問がありました。一つは、確認をさせていただきたいんですが、副反応疑い報告制度と、今委員がお話ありました予防接種の健康被害制度は違うということをまず御理解していただきたい。

 副反応疑い報告制度は、医師が疑いがあるときに報告をさせていだたく。今御案内の予防接種健康被害救済制度は、御案内のとおり、申請者本人、本人が市町村に提出するものでございます。ここを一つ確認していただき、そして、市町村は、請求のための資料を整理の上、市町村が医学的判断をするのではなくて、資料さえそろえば国に進達していただき、疾病・障害認定審査会において、これは国です、国において医学的、科学的知見を踏まえた上で、因果関係の認定のための審査が行われます。ですから、申請に当たっては、関連法令等に定められている書類を提出していただければ、これは国に上がってきます。

 そして、委員御案内のとおり、円滑に請求が行われますように、今、国としましては手引や厚労省のホームページで詳細に申請のことをお示しさせていただいていますが、それでも市町村が、この申請者から上がっている書類が難しいと思う場合、思う場合には、個々にしっかりと回答をさせていただいております。
 今後も万全を、厚労省としては万全を期していきたいと思っております。

○田村智子君 自治体からの声がこうやって報道もされているわけですから、今のでいいんだということにしないでほしいわけですよ。

 厚労省にお聞きすれば、書類が十分でなくとも国への申請をということも含めて言われて、私は説明を受けているわけですから、まず申請してほしいと。だったら、そういう審査マニュアルなどを自治体の事務の参考になるように出すべきだというふうに私は思います。

 また、国の審査についても、死亡報告のうち九九%がワクチン接種との評価不能、不能なんですよ、とされているんです。これでは、国が副反応の原因究明や被害救済に後ろ向きだというメッセージになりかねない。ワクチン接種を意図的に攻撃する動きに根拠を与えかねないというふうに私は危惧をします。

 評価不能とされてしまう要因として、死因究明が十分になされていないのではないだろうかというふうにも思います。死亡事例のうち、解剖が行われたのは全体の数%だということも聞いています。死亡事案については、死因究明のための解剖をできるだけ求めて、そのための費用助成も行うなどして、因果関係評価の施策について改善が求められていくと思います。

 最後に、ワクチン担当大臣、堀内大臣に一言いただきたいと思います。

○国務大臣(堀内詔子君) 今、田村委員の御指摘の件に関しましては、厚生労働省において、専門家ときちっと連携して、国民の皆様方が安心してワクチン接種を受けられるように、このような制度や体制の適切な運用にもしっかりと努めてまいらなくてはいけないというふうに思っておりますし、しっかりと被害救済制度、そういったものが運用できるように努めてまいらなくてはいけないというふうに思っております。

○田村智子君 ワクチンをめぐっては、いろんないわゆるフェイクの情報が流れるわけですよね。そういうのを許さないような、やっぱりちゃんとした、政府が取り組んでいるよと、被害があったときもそれを隠したりとかしていないよと、ちゃんと対応しているよということを示すことが求められていると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 ワクチンについては以上で質問を終わりますので、担当の皆さんの退席いただいて構いません。

○委員長(徳茂雅之君) 堀内大臣には御退席いただいて結構でございます。(発言する者あり)島村厚生労働大臣政務官も退席いただいて結構です。

○田村智子君 次に、日本の研究力について取り上げます。
 科学や技術の発展、また、経済社会を豊かに発展させる上でも、これ重要な課題だと考えています。

 菅前総理は施政方針演説で、科学技術立国日本にとって、二十年近くも続く研究力の低迷は、国の将来を左右する深刻な事態ですと述べました。日本の研究力が世界の中で低下しているということについては、我が党も十年以上前から危機感を持って繰り返し国会で取り上げてきました。

 岸田総理の施政方針演説や先日の小林大臣の所信挨拶ではこの日本の研究力について触れておられませんでしたが、低迷しているという認識がおありか、そうであるなら、その原因をどう分析されていますか。

○国務大臣(小林鷹之君) 委員今御指摘いただきました我が国の研究水準の状況でございますけれども、これについては、私どもといたしましても、委員の御指摘のとおり、例えば、被引用数トップ一〇%の補正論文数、こうした実数というのは、低下は、実数自体は低下はしていないんですけれども、中国やアメリカなどの論文数が著しく増加をしておりますので、その反射的な効果として相対的な立ち位置というものが低下をしていると認識しています。

 その背景として、例えば、幾つか挙げさせていただきますと、第一に、複雑化する競争的資金の申請などの事務や手続などによって研究者の研究時間の減少を招いていることが挙げられると思います。

 また、世界のトップレベルの研究大学が、自己収入を含む様々な資金を獲得して事業規模を拡大しています。一方で、我が国との、我が国のその事業規模との差というものが当然拡大しております。こうした中で、他方で、これらの世界に伍する研究大学だけではなくて、多様な大学の強みを引き出すための府省横断の取組、これまでやってきましたけれども、これが必ずしも十分ではなかった、こうした背景もあるかと思います。

 また、三つ目としては、若手の研究者が腰を据えて研究できる環境が十分ではない、そして博士号取得者の多様なキャリアパスが十分開けていないこと、こうした背景があるというふうに認識をしております。

○田村智子君 今の論文数のことは、私、実は二〇一四年に取り上げてから何度も質問をしてきたことなんですね。そこに政府も注目しているということについては、かなり共通認識になってきたのかなというふうにも思うわけです。

 言われたとおり、本当に論文数そのもの、そして引用の多い優れた論文、補正論文数とも、伸び率が欧米各国、中国、韓国と比較しても日本は異様なまでに鈍化、後退をしています。

 文科省の科学技術・学術政策研究所、略称NISTEPの調査報告、科学研究のベンチマーキング二〇二一にもこのことが指摘されていて、資料の二ページ目ですね、日本の論文数の推移です。二〇〇〇年頃までは論文数、補正論文数共に増えていく。ところが、二〇〇〇年代に伸びが鈍化する。二〇〇〇年代半ばからは減少に転じてしまう、伸びが減少に転じる。その後も顕著な回復はない。まさに低迷状態。

 このように、減少に転じるという変化がなぜ起きたのか、どう分析をされていますか。文科省にお聞きします。

○政府参考人(寺門成真君) お答えいたします。
 文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査によりますと、二〇〇〇年代半ばからの日本の論文数の停滞は、時期によっても異なるわけでございますけれども、教員の研究時間割合低下に伴う研究時間割合を考慮した教員数の減少、博士課程在籍者数の減少、原材料費のような直接的研究の実施に関わる費用の減少といった複合的な要因が影響していると、かように認識をしてございます。

○田村智子君 今の分析が資料の三ページ目、令和三年版科学技術・イノベーション白書で文科省が分析したグラフとして書かれているんですね。教員の研究時間の減少、博士課程に進む学生の減少、研究に必要な原材料費の減少と。これらは安定的に研究に取り組める条件が劣化した、研究に必要な予算が減少した、こういうことを示しているんですね。研究条件と予算の劣化、まさに政治の問題ですね。

 次のページ、これは組織区分別、つまり国立大学、国立研究開発法人、私立大学、公立大学、企業、それ以外という組織別で論文数の増減傾向を示したものです。

 一九九八年から二〇一八年に至る全期間を通じて、企業は常に減少傾向、日本の論文数全体にマイナスの影響を与えています。研究者を含めた労働者のリストラ、あるいは研究への投資、これを絞ってきた表れだというふうに推測されます。

 一九九八年からの五年間、国立大学と国立研究開発法人は論文数を伸ばしています。ところが、二〇〇三年からの五年間で国立大学は大きく減少に転じてしまう。二〇〇八年からの五年間は、これに加えて国立研究開発法人も減少に転ずる。二〇一三年からの五年間では、国立研究開発法人は更に減少幅が大きくなって、トップ一〇%補正論文数で見ると、国立大学、国立研究開発法人とも顕著な減少傾向となります。

 この国立大学と国立研究開発法人の研究力の大幅な低下、低迷、これは国の科学技術政策あるいは大学政策が直結しているんじゃないかというようにも思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(小林鷹之君) これも、田村委員御指摘のとおり、この図を見れば確かにおっしゃるとおりだと思っていまして、近年、特に国立大学、そして国立研究開発法人の論文数というのは減少してきております。その背景としましては、研究時間の減少を始め、先ほど三つ申し上げましたのでもう繰り返しませんけれども、そういう背景があるものと認識しています。

 したがって、政府としては、研究時間の減少の課題につきましては、昨年四月からスタートした第六期の科学技術・イノベーション基本計画などを踏まえまして、競争的資金の簡素化、デジタル化、そして迅速化を通じまして、研究者の方々の研究時間の確保に取り組んでいるところであります。

 また、大学の事業規模の話でございますけれども、これにつきましては、この国会審議で何度も出ておりますけれども、十兆円規模の大学ファンドを創設いたしまして、その運用益によって世界に伍するトップレベルの研究大学を支援をし、事業規模を国際的にも競争できるようにすることとしております。あわせて、この十兆円ファンドの支援を通じて、若手の研究者が活躍できる環境を整備することにもしております。

 さらに、政府全体として、この国立大学、国立研究開発法人の運営費交付金などの基盤的経費、これを確保するとともに、創発的研究支援事業や若手への任期なしのポストの充実などを促す研究費改革のための取組を行っているところでございます。

 引き続き、これらの施策に政府全体で取り組むことによって、大学における研究力の強化に取り組んでまいります。

○田村智子君 根本的なところの分析ないと思うんですよ。これ、劇的転換のときに何があったかなんですよ、やっぱり。

 二〇〇四年に国立大学は独立行政法人となって、運営費交付金、基盤的経費が年々減らされていきました。国立研究機関は独立行政法人となってもしばらくは踏ん張っていたけれど、やはり基盤的経費削減の影響が現れたというふうに言わざるを得ないんですよ。

 我が党は、独法化による運営費削減は日本の研究基盤を損なうものとして強く反対してきました。しかし、政府は、限られた予算を重点配分する選択と集中によって研究力は向上すると強弁してきたわけです。

 資料の五ページから六ページ、NISTEPの二〇一九年の調査報告、研究論文に着目した日英独の大学ベンチマーキングというのも見てみたいと思うんですね。

 イギリス、ドイツの大学と日本の大学を比べると、日本は極端に一部の大学に論文数が集中しているんです。アメリカや韓国などと比べても同じです。日本以外の国は上位の大学に続く大学の層が厚い。国際的には共著論文が増加の傾向で、ある大学の論文はその大学で、その大学だけで生み出されているわけではないと。上位層を活性化しながら上位に続く層の厚みが形成されて、共同研究、共著論文なども促進されて、研究力が全体として向上している。これが国際的な傾向だと思うんですよ。

 日本でも、一九八〇年代から九〇年代までは、トップクラスの大学に続く大学の層があった。ところが、独法化以降の基盤的経費の削減で、学術書もまともに買えないというような大学がたくさん現れてしまったわけですよ。ごく一部の大学や分野に予算を集中させても、それは日本全体の研究力の向上とはなり得ない。これ、もはや明らかだと思います。
 この選択と集中、どうだったのか。いかがですか。

○国務大臣(小林鷹之君) 近年、先ほど申し上げたとおり、世界の主要大学、これは積極的に投資を行っているわけであります。こうした大学では、自ら知的価値を創出をして、社会に社会還元を進めるだけではなくて、巨額の基金を保持、運用することで潤沢な資金を確保し、自らの経営基盤の強化、教育研究の充実を着実に図っていると認識しています。

 一方で、我が国の大学は、教育研究面あるいはその財政面において、世界の主要大学との差が近年拡大をし続けている状況です。十年前に比べましても、論文数、トップ一〇%の論文数共に米中など主要国に比べて順位を落としている。研究力が停滞している状況が見られます。

 したがって、先ほど申し上げた大学ファンド、この大学ファンドによる支援を通じて、まずトップレベルの研究大学が自律的、継続的に知的価値を創出すると。その創出し続けるとともに、その知的価値を更に社会の成長につなげていくという、この好循環のサイクルというものを構築していくことが重要であると考えています。このことで大学の持続的成長や我が国全体の研究力の向上につなげていきたいと考えています。

 一方で、委員から御指摘ありましたけれども、我が国全体の研究力向上のためには、トップレベルの研究大学だけではなくて、地域の中核大学ですとか、あるいは特定分野に強みを持つ大学というものがあります。こうした大学の機能を強化することも当然必要だと考えておりまして、そのための支援策を本年二月に地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージとして取りまとめたところでございます。

 大学ファンドと併せる形でこの総合振興パッケージを同時に推進することで、我が国全体の研究力の底上げを図っていきたいと考えます。

○田村智子君 経営基盤を強化していったのが外国の大学だと。だけど、その経営基盤を国が削っちゃったんですよ、その予算を。そこへの反省がまずないんですよね。

 大学ファンドについては、今国会、法案提出されていますので、ここでは具体の議論はいたしませんけれども、これ、最大年間三千億円という支援は、国際卓越研究大学としてまさに選択された僅か数大学にそのほとんど、二千八百億円程度が集中するんですよ。また選択と集中なんですよ。

 一方で、今言われたパッケージですか、地域中核・特色ある研究大学のパッケージ、これは今年度予算で四百六十二億円と。国際卓越研究大学に選択されるのは、恐らく僅か六大学程度だと思うんですね。国立大学、公立、私立大学全部合わせると八百ですよ、超えますよ。そしたら、それは一体どれだけの大学に一体幾ら渡るんですかという話になっちゃうんですね。

 しかも、これは基盤的経費の増額でもない、既存のプロジェクト型研究費の寄せ集めにすぎない。だから、国大協の総会で大学の学長から、引き出しをひっくり返して小銭を集めてきた感が拭えない、プロジェクトの予算を積み上げても真の研究力の強化に至らないのではないかなどの発言が相次いだわけです。文科省以外の研究予算というのもプロジェクト型ですよ。
 期間限定のプロジェクト型予算では真の研究力の強化にならない、こういう指摘はどう受け止めますか。

○国務大臣(小林鷹之君) 今申し上げたいわゆる総合振興パッケージですけれども、これは日本全体の研究力向上を目指して多様な大学の機能を抜本的に強化していく、そのために特定分野において世界レベルにある大学ですとか地域創生の貢献に不可欠な大学など、特に実力と意欲を持つ大学の発展に必要な予算確保に向けて支援策を取りまとめたものであります。

 このパッケージには、政府として、競争的資金の簡素化あるいは大ぐくり化などを通じまして、実力と意欲のある大学を一体的かつ安定的に支援をしていくこととしております。さらに、このパッケージにおきましては、多くの関係府省の事業を政策課題ごとに整理をした事業マップを提示することによって、大学の現場が安定した環境下でシームレスな活動を遂行し、任期なしポストの充実を促すことができるよう支援の工夫を図っているところでございます。

 また、大学の現場に対しても、これは令和二年の一月にいわゆるCSTIで決定したものでございますけれども、研究力強化・若手研究者支援総合パッケージを踏まえまして、学内の経営マネジメントを強化をし、多様な財源を戦略的かつ効果的に活用することによって、特に優秀な若手研究者の安定的なポストの確保を図っていくことを促しているところでございます。

 引き続き、こうした取組を政府全体で進めていくことによって、大学における優秀な研究者の安定的ポストの確保を図ることによって、それをもって研究力の強化に取り組んでいきたいと考えております。

○田村智子君 今、安定的ポストとか任期なしのポストということを強調されたんですけど、プロジェクト型ではそれは難しいんですよ。基盤的経費が削られる一方で、プロジェクト型予算で大学を支援する、これが延々やられてきたんです、もう。それで何が起きたか。二〇〇〇年以降、任期付きの教職員が大学で急増しています。

 資料の七ページ目、国立大学では、二〇〇一年、一千六百六十六人だった任期付き、期間限定の教職員ですね、これが二〇一三年には二万七百六十六人になります。私立大学も一千四十九人から二万五千三百二人とまさに急増しています。しかし、よく見ると、私立大学は任期なしの教員数を基本的に維持しながら任期付きの教員を増やした。つまり、教員数全体を大きく増やしたということが分かります。一方で、国立大学は、任期なしの教員が二〇〇一年には六万人弱いたのが、二〇一三年には四万二千人弱と大きく減少して、まさに任期付きに置き換えられたということが分かるんですね。

 資料三に戻っていただきますと、私立大学は基本的に論文数の伸び、これ減らしていないんですよ。教育研究職員が言わば非正規雇用化された国立大学で論文数の著しい減少が起きていると。
 これ、文科省にもお聞きしたい。このこと、どう考えますか。

○政府参考人(寺門成真君) お答えをいたします。
 御指摘の点ございますけれども、委員がお示しをされました大学の設置形態ごとでの任期の有無が論文数に与える影響につきましては、大変恐縮でございますけれども、詳細な分析には至っておりません。今後更に分析を深めてまいりたいと存じます。

○田村智子君 是非分析していただきたいですね。
 国大協の総会では、人員を増やしてほしい、任期付きではなく、任期のない教職員を増やすことが根本的な解決だという声も上がったとお聞きしています。

 プロジェクト型は、もう大臣言われたとおり、事務作業が本当に多い。これ、デジタル化して済む問題じゃないんですよ。だって、応募しなかったら予算は付かないんだから、応募の事務作業は絶対必要です。毎年、中間報告も必要です。予算も目的外使用が禁止されているので、厳密な管理が必要となります。しかも、研究中に次のポストのための活動をしなければならない。どう考えたって研究時間は削られるんですよ。また、学生への対応や大学の運営の仕事は人数が減らされた任期なしの教員に集中することになりますから、こちらの方もやっぱり研究時間が削られていくわけですね。

 こうした問題は、実は第六期科学技術基本計画に向けての提言ということで、二〇一九年十月三十一日、日本学術会議がきちんと意見を述べております。その中でも、選択と集中、あるいはそのプロジェクト型、これによってトップダウン型の競争的資金が拡充されてきたと。しかし、短期間での直接的な成果が求められ、結果として長期的な視点での研究協力に結び付きにくい、若手研究者を安定的に雇用することは難しい。また、この間進められた任期制導入の最大の目的は人材の流動性を高めることにあったが、それもほとんど失敗したと言っても過言ではないと。二〇一九年ですよ、第六期科学技術基本計画に向けて提言がされているんですよ。私は、日本学術会議など科学者の意見を真摯に聞いて政策に生かそうという姿勢がない、こういう政治こそが改革されるべきだというふうに思いますね。

 この運営費交付金の総額を増やさないままに、文科省の査定による交付金の傾斜配分も行われているんです。
 二〇一九年には若手研究者の割合ということを評価基準に加えましたが、これが各地で波紋を呼んでいます。

 広島大学、二〇一九年に雇用期間僅か三年という育成助教というポストを導入しました。しかし、育成の具体の支援策もなく、単に時限付教育労働者のように扱われている研究者もいるとお聞きします。今年で三年目で、使い捨てとも言える事例が起きていて、現在、組合が当局と交渉中です。若手研究者を育てるためではなく、運営費交付金を獲得する手法としてポストがつくられたと、こうしか言いようがないんですね。

 広島大学以外にも新たな短期雇用のポストをつくって若手の研究者の募集を掛けた大学、これ、そういう情報寄せられているんですね。

 これは、文科省、実態を調査して、若手研究者の使い捨ては是正する、また傾斜配分、これ、だって常に若手の割合で見られたら、常に若手がいなきゃいけないじゃないですか。何年かたったら若手じゃなくなっちゃうんですよ。取っ替え引っ換え入れ替えなきゃいけないということになっちゃうんじゃないですか。だから、この傾斜配分の在り方も見直しが必要だと思う。いかがですか。

○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えをいたします。
 研究者のキャリアパスは、個々の状況により多様でございますが、一般的には一定期間任期付きのポストで切磋琢磨をし、基礎的な研究能力を向上させた後に、公正な評価を経て、任期なしのポストを得るという流れが多いと認識をするものであります。

 また、第六期科学技術イノベーション基本計画においても、若手研究者の育成、活躍促進に向けて、キャリアパスの明確化やテニュアトラック制の積極的な活用等が盛り込まれているところであり、これらの取組を通じ、大学本務教員に占める四十歳未満の教員の割合が三割以上となることを目指すとされているところであります。

 研究力強化においては意欲ある若手研究者の確保が重要でありますが、我が国の若手研究者の割合は減少傾向にあることを踏まえまして、任期付きポストも含めて若手研究者比率を評価をし、国立大学法人運営費交付金の配分に活用をしているものでありまして、短期の任期付きポストの導入を促しているものではございません。

 なお、文科省におきましては、国立大学の教員について任期の有無を含めた実態調査を行うとともに、各国立大学の人事給与マネジメントに関する優れた取組事例の周知徹底を図っているところであります。

 文科省といたしましては、これらの取組を通じて我が国の未来を担う優秀な若手研究者が安定した環境の下で挑戦的な研究に打ち込めるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいる所存であります。
 以上であります。

○田村智子君 基盤的経費を本当に増やさない限りは安定したポストを若手の方々にというふうにならないわけですから、実際に使い捨てのような事態が起きていますので、これ是正を強く求めておきたいと思います。

 そして、今、今の副大臣の御答弁とは違う方向のことが進んでいるので、具体の問題に入りたいんですけれども、来年四月、労働契約法施行後十年となります。一般の労働者は契約期間五年を超えると労働者の申出によって無期雇用となるんですけれども、研究職はその期間が十年とされました。十年を目前にして無期転換権を与えないための雇い止めがまた起こることが強く危惧されています。

 独立行政法人の状況、政府から資料提供を受けまして私の事務所でまとめました。これは、来年四月で雇用通算期間が十年を超える非常勤研究者、これがだから雇い止めの最大の可能性ということになるんですけれども、まとめてみると、全職員数の二・九%になります。特に理化学研究所、六百三十六人、全職員の八分の一が雇い止めの対象となり得るわけです。

 この理研は、二〇一七年、事務職員の無期転換逃れの雇い止めが大問題となって、当事者の交渉と我が党の論戦で雇い止めストップさせた、こういう経緯があります。研究職についても同様の動きがあって、今、理研の労働者が、雇い止めは研究現場に混乱をもたらすとしてインターネット署名にも取り組んでいるんです。

 この雇用期間通算十年とされた研究者の中には、プロジェクトはまだ終了期間を迎えないという方もいる。あるいは、六十人を超える研究チームの主宰者も含まれる。主宰する研究者が雇い止めになれば、これチーム全体の雇い止めが広がったり、プロジェクトそのものが空中分解しかねないんです。神戸の研究所では、建物丸ごと解体かと、研究棟丸ごと解体という事態になるんじゃないかという声まで聞こえてくるわけです。

 しかし、そういう問題を指摘しても、理研は雇用期間は十年だと強固な姿勢を取っています。研究現場に大きな混乱が起きかねません。研究力向上どころか日本の研究に大きな打撃をもたらすことになります。理研は指導すべきだと思いますが、どうですか。

○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えを申し上げます。
 理研の研究力の維持発展の観点からは、国家的、社会的ニーズの高い研究を推進するために、プロジェクトの改廃等の都度、最適な人材を結集させることが求められているところであり、人材の流動性を一定程度確保していくことが必要と考えるものであります。

 独立行政法人である理化学研究所におきましては、法人の自主性、自律性の下に業務運営が行われることが基本であります。理化学研究所においては、平成二十八年の就業規程改正によりまして研究系職員には十年の雇用上限を設けておりますが、労働関係法令に基づき、法人において適切に定めたものと承知をいたしております。
 以上であります。

○田村智子君 ちょっと、これは労働法の問題でもありますので厚生労働省にも聞きたいんですけどね、労働契約の無期転換ルールは労働者の雇用の安定が制度の趣旨なんですよ。施行から五年目のときにも、法改正があったからということで雇用期間五年上限だという契約を押し付けられた労働者が、まさに理研もそうだった、独立行政法人で相次いで、大問題になったんですよ。

 また同じことやっているんですよ、理研は。今まで上限がなかった、そういう労働者が、通算十年上限と、こういう契約を結ばされているんですよ。不利益変更されているんですよ。これは、私は、違法だという立場で、違法だという立場で是正指導しなければならないし、文科省は、これは監督省庁ですからね、これは十年でいいんだなんということを言っちゃったら、一体、六百人からの研究者ですよ、何考えているんだという事態だと思いますよ。

 まず、厚労省どうですか。私は、これは不利益変更、違法だと思う。どうですか。

○政府参考人(青山桂子君) お答え申し上げます。
 一般論として申し上げれば、無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的で雇い止めを行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくないと考えております。

 その上で、委員おっしゃられたような通算の雇用期間の上限を設けることが直ちに法律違反となるものではございませんが、その上限に基づき行われた雇い止めの有効性につきましては、雇い止め法理と申しまして、労働契約法十九条に定める一定の場合に雇い止めを無効とするルールに基づいて、最終的には司法、裁判において判断されるものと考えております。

 ただ一方、厚生労働省といたしましては、こうした無期転換ルールの制度の内容、趣旨や円滑な運用を周知などしていくことは大変重要と考えておりまして、関係省庁とそうした取組を進めるとともに、問題のある事案を把握した場合には、都道府県労働局などにおいて適切に啓発指導などを行ってまいりたいと考えております。

○田村智子君 そうなんですよ。これ裁判で闘えば、これなら理研負けますよ。だって、ずうっと働いて、契約ずうっと上限なしでやってきて、しかもプロジェクトの途中ですよ。雇い止めする合理性なんて何一つないじゃないですか。だけど、研究者に裁判闘わせるのかという問題ですよ。そんなの文科省が、厚労省が一緒になって是正指導しなければ駄目でしょう。

 これね、文科省、先ほどの政務官の答弁、駄目ですよ。ちゃんと実態見て、調査、是正する。これ、答弁どうですか。

○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えを申し上げます。
 先ほど来御答弁申し上げましておりますとおり、理研では国家的、社会的ニーズの高い研究を進めているところであり、最適な人材を結集していくことが求められていると考えるものであります。これには人材の流動性を一定程度確保していくことも必要であり、これまで理研において、労働組合との協議も含め、適切に職員との対話を重ねてきていると承知をいたしております。

 この観点から、引き続き理研において、職員との対話を継続しつつ、適切な人事の運用を行っていただくことが重要と考えます。
 以上でございます。

○田村智子君 今、この雇い止め、研究者の雇い止め重大問題だというこの署名は三万筆超えています。理研の理事長に提出されたと聞いています。日本の研究にとっても重大問題ですからね、そういう目でしっかり見ていただきたいと思うんですね。

 それで、国立大学法人の方でも同様に、無期転換の申出をさせないために、雇用上限を事実上強制されて契約をしたと、こういう方々が二〇二三年、来年に雇い止めされようとしているんじゃないかという動きがあるんです。このことも文科省としては是正を是非していただきたいんです。

 それで、研究者だけでなくて技術補佐員も十年となっている方が多くて、これ併せて雇い止めになる可能性が高いんです。
 私、こういう問題を何度か取り上げてきたので、私の事務所に何通もメールが届いてきています。

 その中の一つ、国立大学に十八年勤務し、テクニカルスタッフとして研究者をサポートしている方のメール。先日、上司に、このまま仕事を続けてもらいたいが、大学に何度聞いてもこれ以上は難しいと言われた。一旦やめて、半年空けてクーリングオフして戻ってきたらまた十年雇えるから、戻ってくるように言われました。非正規を救済するための法律のはずなのに、不条理に感じております。特例法の五年延長申請の際は、十年を超えないことを承知しているという念書を書かないと申請できませんでした。

 だから、上限なかったんですよ、この人も。だけど、十年超えませんという念書で雇用契約をするしかなかったんですね。職場には同じタイミングで、あっ、違った、国の教育機関が脱法のようなことをしているのもとても残念です。私たちの世代は就職するとき超氷河期で、やっと見付けた仕事で今までやりがいを持って仕事を続けてきました。これからも仕事を続けていけるようにお力添えをいただけませんでしょうかと。

 もう一人紹介したい。雇用通知書に、十年経過後、無期雇用に申し込めると書いてあるので申請したいとお願いしたのですが、教授が大学に聞いたところ、無期雇用申請については法律で雇用通知書に書かないといけないので書いているが、受け入れる準備はしていない、一人でも受け付けるとみんなが申し込むので、大学としては考えていないという回答だったと。

 これが国立大学で起きていることなんですよ。こんな違法、脱法が大学の中で起きると。これね、私は到底許すわけにいかない。何のための法律かということになってしまいます。

 改めて、文科省と厚生労働省で、国立大学についても実態を把握し、問題があれば是正をすると、このことをお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えをいたします。
 国立大学法人の教員の雇用形態は、労働関係法令に従って各法人が経営方針等に基づき適切に定めて運用すべきものであると考えるものであります。

 文科省では、国立大学法人の学長や理事が参画する会議等において、改正労働契約法の趣旨を踏まえて適切に対応をしていただくようお願いをしてきているところであります。

 引き続き、必要に応じて厚生労働省と連携をしながら、各法人に対して情報提供など支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○田村智子君 無期転換を逃れようとするのは、やっぱり運営費交付金が減らされてきた、苦しい、財政、基盤的な状態が非常に苦しいと。今後もまた減るんじゃないのか、あるいは根本的には増えないだろうと、こういうことを見越していつでも切れるようにしておきたい、無期転換しちゃったら切れるっていうふうにならないからと、こういう思惑が独立行政法人の中には共通してあるわけですよ、予算がどうなるかで。国の予算に関わる問題になってくるわけです。

 この日本学術会議も指摘した、やっぱり基盤的経費、基礎的研究費、ここをおろそかにしてきたことが今どれだけ重大な問題を日本の研究力やあるいは国立大学、独立行政法人にもたらされているのか、ここ直視しなきゃいけないです。競争的資金やプロジェクト型を否定しているんじゃない、どっちも必要だということがずっと科学者からは言われているわけです。

 ノーベル物理学賞を受賞した眞鍋淑郎さんは、最も興味深い研究は、社会にとって重要だから行う研究ではなく、好奇心につき動かされて行う研究だと思いますって述べられていますよね。インパクトのある研究は、今求められて、今インパクトを求められた、分かったというものじゃないと。そのときは誰もそう思わなかったけれど、何十年もたったときにインパクトのある研究になったんだと。そうやって若手の皆さんに好奇心を持ってくれというふうに呼びかけておられる。ところが、そんな研究ができる状態にないわけですよ。三年だ、五年だ、プロジェクトが終わったら雇い止めだ、プロジェクトの途中でも雇い止めだ。

 この状況を本当に政府の責任で私は変えていかなければ日本の研究力の向上はあり得ない、それは日本の経済も成長させることにならない、このことを申し上げて、質問を終わります。


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