活動報告

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対ロシア/経済協力できぬ、表明を/田村智議員が迫る/参院内閣委

 日本共産党の田村智子議員は16日の参院内閣委員会で、2022年度予算案に21億円が計上されているロシアに対する8項目の経済協力プランについて、「侵略行為を続ける国とは経済協力できないと表明すべきだ」と迫りました。

 田村氏は、松野博一官房長官が「政府事業については当面見合わせる」と表明する一方、岸田文雄首相が21億円については「修正しない」と明言していると指摘し、「何を見直すのか」と質問。経済産業省の矢作友良審議官は「ロシアとの関係をこれまで通りにはできない」としながら、政府事業の具体的な内容は答えませんでした。

 田村氏は、8項目の概要ではほとんどがロシア国内の都市開発や技術移転、エネルギー開発で、民間事業者によるものだとして、「協力プランに参加する日本企業とも協議し、侵略行為を続けて正当化する国とは経済協力はできないとの表明が必要だ」と追及。松野官房長官は「予算の執行段階で適切に判断したい」としか答えませんでした。

 田村氏は、協力プランはロシアのクリミア併合に対して欧州連合(EU)が経済制裁を行うもとで、16年に安倍晋三元首相が踏み出したものだと告発し、「覇権主義・侵略戦争は許されないとの姿勢こそ確固として示すべきだ」と迫りました。

 

指導監査緩和やめよ/保育の質、悪化まねく/田村氏

田村智子議員は16日の参院内閣委員会で、認可保育所への年1回の実地検査義務の緩和をやめるよう求めました。

 新型コロナの拡大で年1回の実地検査が困難になるもと、自治体が指導監査の規制緩和を提案し、政府は「実地によらない実施方法について検討し、2021年度中に結論を得る」との方針を決定。厚生労働省は感染拡大時の特例にとどめず、児童福祉法施行令に定める年1回の実地検査義務の削除を検討しています。

 田村氏は、認可保育所等の重篤事故は15年度378件から20年度1540件と大幅に増加しており、実地検査や巡回指導の強化が必要だと指摘。検査実施率が100%にならない上に、自治体間で差があるもとでの規制緩和は、国が保育行政の質を低い方に流すものだとして、方針の見直しを求めました。

 佐藤英道厚労副大臣は「懸念の声は承知している。指導監査は実地検査が原則、実地によらない場合も一定の条件を付すべきだと研究会から意見をもらっている。実効的な指導監査が可能となるよう検討を続ける」と答弁。野田聖子少子化担当相は、厚労省の検討を踏まえると述べました。


2022年3月17日(木)、2022年3月25日(金) しんぶん赤旗

 

 

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。

 まず、ウクライナ情勢についてお聞きします。
 今、ロシアによる戦争をどうしたらやめさせられるのかと、日本の国内でもこの思いがあふれています。ロシアのウクライナ侵略を国連憲章違反として非難する国連決議には、百四十一か国、加盟国の七割以上が賛成をしました。国際社会、市民社会の一致結束でプーチン大統領を包囲することなくして、この戦争を終わらせることはできません。

 この点で、国連決議に棄権、退席した四十七か国への働きかけが必要ではないかと考えます。特に中国などアジアの国に日本政府としての働きかけの検討をしていないか、官房長官、お願いします。

○国務大臣(松野博一君) 田村先生にお答えをさせていただきます。
 現地時間三月二日、国連総会の緊急特別会合は、ロシアによるウクライナへの侵略を最も強い言葉で遺憾とし、ロシア軍の即時、完全、無条件の撤退を求めること等を内容とする決議を百四十一か国という多数の賛成によって採択をいたしました。我が国は、できる限り多数の国々がこの決議案に賛成をし、共同提案国入りするよう、多くの国々に働きかけてきたところであります。

 いずれにせよ、我が国としては、一刻も早くロシアの侵略をやめさせ、ロシア軍を撤退させるためにG7を始めとする国際社会が結束して対応することが重要と考えており、粘り強い外交努力を続けていきたいと考えております。

○田村智子君 国連の主要機関である国際司法裁判所は、ウクライナからの提訴を受けて調査を行い、今日判断を示すと報じられています。戦争犯罪を裁くという判断が下されるかどうかということですね。国連決議以降もこうした新たな動きがあります。

 何よりも、女性も子供も犠牲となり、市街地は廃墟となり、原子力施設も攻撃され、国連総長が核戦争があり得ると警告、時々刻々とロシアの暴挙がエスカレートしています。是非、投票しなかった国への働きかけ、これ重ねて求めておきます。

 ロシアに対する日本の経済協力についてもお聞きします。
 三月十一日、衆議院内閣委員会で松野官房長官は、八項目の協力プランを含むロシアとの経済分野の協力に関する政府事業については当面見合わせると表明しました。一方で、十四日の参議院予算委員会で岸田総理は、来年度のこの八項目の協力プラン、二十一億円の予算について修正しないと明言しました。これがどういうことなのか。

 予算案の修正はしないけれど凍結など執行を止めるのか、一体何をどう見直すのか見直さないのか、説明いただきたいと思います。官房長官、お願いします。

○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 今、八項目の協力プランについてお尋ねがございました。

 この協力プランに係る事業につきましては、令和四年度予算案におきまして、医療とか都市環境、中小企業、エネルギー、産業多様化、あるいは人的交流等々の各分野における事業、これ、関係省庁で合計約二十一億円が計上されているところでございます。

 今後の方針につきましては、ロシアのウクライナ侵略により、ロシアとの関係をこれまでどおりにすることはもはやできないと、このように考えてございまして、我が国としてもロシアとの関係で新たな経済分野の協力を進めていく状況にはないと、このように考えてございます。

 その上で、ロシアとのその経済分野の協力に関する政府事業につきましては、これはもう当面見合わせるということを基本に、また国際的な議論も踏まえ、あるいはそのエネルギー安全保障、あるいは人道上の配慮に留意しつつ対応していきたいと思ってございます。

 また、先ほど申し上げましたような政府事業、これどうしていくかということでございますけれども、今後のウクライナ情勢あるいはその国際的議論の展望を正確に見通すということは現時点では大変困難でございまして、今後、その個々の予算の執行の際に、その時点の最新の情報、状況、これを踏まえて適切に判断していきたいと、このように考えてございます。

○田村智子君 これ、答弁聞いていてもよく分かんないんですよね。

 資料の一見てください。外務省在ロシア日本大使館ホームページの特設ページです。八項目の協力プランのアピールなんですが、協定当時の安倍総理とプーチン大統領がにこやかに握手する写真が今も大きく出てきます。

 そして、資料の二ページ目、八項目の概要なんですね。この中身見てみれば、ほとんどがロシアにおける都市開発、インフラ整備、技術移転、で、エネルギー開発もロシアの脱炭素への新たな開発支援、そしてほとんどが民間事業者によるものなんですよ。

 昨日、これどうなるのというのを経産省から、電話ででしたけどね、やり取りしたんですけれども、エネルギーは日本の安全保障に関わるからとか民間事業については国益も考える必要があるからとかですね、こういうことを言っていたら一体何が見直されるのかと。ほとんど見直されないんじゃないかということにもなりかねないと思うんですよ。

 これね、この一覧のうち何が見直されるんですか。

○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 ロシアとの経済分野の協力に関する政府事業、これにつきましては、今申し上げましたように当面見合わせるということを基本に考えてございます。これ、協力を前へ進めていくということはしないと、こういう意味でございます。

 一方で、国際的な議論も踏まえまして、またエネルギー安全保障、あるいはその人道上の配慮、こういったことについては引き続き考えていかないといけないというふうに思ってございます。

 そういう意味で、ここに申し上げたようなその個々の政府事業、これどうしていくかということに関して言うと、これ、現時点でこの今後のウクライナ情勢あるいはその国際的議論、これがどうなっていくかということを見通すことは難しいということでございまして、これは、その都度、予算の執行の際、そのときの状況に応じまして適切に考えていきたいと、このように考えてございます。

○田村智子君 昨日、電話でこれのうちどれと聞いたら、明確に言えたのは一番下の分野横断的事項のJBICとロシア直接投資基金との共同投資の枠組み、ここはもう政治、政府事業だからと言ったけれども、あとはもうほとんど民間事業に関わってくるんですよ。何が見直されるのかがこのままじゃ分からない。

 今、ロシアは、現に国際秩序を破壊し、侵略戦争をしている国です。こうした八項目の協力プランに参加する日本企業とも早急に協議をして、全面見直し、侵略行為を続けて正当化する国とは経済協力はできないと、私はその表明が必要だと思います。
 これは官房長官にお答えいただきたい。いかがですか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 政府参考人からも答弁をさせていただきましたけれども、ロシアとの経済分野の協力に関する政府事業については当面見合わせることを基本に、国際的な議論も踏まえて、エネルギー安全保障や人道上の配慮に留意しつつ対応していくということで考えております。

 今後のウクライナの情勢や国際的議論の展望を現況において正確に見通すことは困難であります。今後、個々の予算の執行の段階でその時点での最新情報を踏まえて適切に判断をしてまいりたいと考えております。

○田村智子君 これ、だから、予算の執行だけの話じゃないんですよ。日本の参加している民間企業とどう話し合っていくのかということをやらなければ経済協力どんどん進むということになっていくわけですよね。

 この八項目の協力プランは、二〇一六年に安倍総理が自ら提案したものです。二〇一五年から毎年ウラジオストクで開催されていた東方経済フォーラムに安倍総理が毎年出席をし、自らこのプランのプレゼンテーションをしてきたわけですよ。その中では、ウラジオストクがこうしたら国際的な観光都市になりますよとかね、そういうプランを自らプレゼンテーションしてきたんですよ。ロシアの都市開発なんですよ、これ。二〇一九年には、ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ていると、プーチン大統領にこう直接呼びかけて進めてきた国家プロジェクトなんです。

 しかも、それがどういう国際情勢の下で進められたのか。二〇一四年、ロシアは、ウクライナからのクリミア共和国の独立を承認し、その直後にロシアに併合しました。今日のウクライナ侵略につながる危険な覇権主義が既に二〇一四年に露呈をしていた。日本政府はクリミア併合を批判しましたが、ロシアに対してEUが経済制裁を行っていたただ中で、安倍総理が国家プロジェクトの経済協力に踏み出してしまったということなんですね。

 これ、ウクライナの主権だけではありません。千島列島と北海道の一部である歯舞、色丹が不法に占領された。この領土問題での交渉をせずに、信頼だ、経済協力だと、これが新たなアピールだと、安倍総理が北方四島の共同経済活動も約束をしたわけです。ロシア側がロシアの主権の下で行われる共同経済活動だと繰り返し表明したのに、それに対する抗議もしなかった。

 今この千島列島は、ロシアのミサイル発射訓練など、まさに覇権主義の舞台になってしまっています。私は、これはもうクリミア併合の下で作られたプランですよ。こうした安倍政権のロシア外交は、ロシアの覇権主義に対する批判が完全に欠落した道理のない外交だったと、これはもう認めざるを得ないんです。言わざるを得ないと思います。この誤りは、今日のプーチン大統領の暴挙を見れば明らかです。

 岸田政権の下で、この安倍政権時代のロシア外交について抜本的な見直し行うべきだと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 現在のロシアのウクライナ侵略に関して、我が国は、G7、国際社会と連携をして強い制裁を行っているところであります。こういった状況の中において我が国は明確なロシアに対する非難をしているわけでございまして、岸田内閣としてのこの問題に関する態度は一貫したものであると考えております。

○田村智子君 その一方で、経済協力で、在ロシア日本大使館の特設ページで、プーチン大統領と安倍総理がにこやかに握手して、八項目の協力プランなんですよ。これでいいのかということを私は指摘している。それは国際的にどういうメッセージになりますかということを指摘しているんです。

 是非、ここはしっかりと見直して、覇権主義、侵略戦争は許されないと、この姿勢こそ日本政府は確固として示すべきだと、その政治決断をすべきだということを強く求めて、ロシアの問題については以上ですので、官房長官、経産省、外務省の皆さん、退席いただいて構いません。

○委員長(徳茂雅之君) 松野長官、関係の政府参考人は御退席いただいて結構です。

○田村智子君 次に、保育所等への実地検査の規制緩和についてお聞きします。
 安全で質の高い保育を子供たちに保障するために、児童福祉法によって保育所等に対する年一回の実地監査が都道府県、政令市、中核市に義務付けられています。ところが、今、地方自治体からの提案に基づいたということで、児童福祉施設等の年一回の実地監査の義務付けをなくして、書面やリモートでの監査を可能とする児童福祉法施行令の改定が検討されています。

 地方自治体からの提案というのは、二〇二一年のもので、新型コロナ感染症の下で実地監査ができなくなっているということが理由とされています。言わば危機対応での特例的なものです。ところが、厚労省は、年一回の実地監査の規定そのものを児童福祉法施行令から削除しようとしています。
 なぜ法令上の義務そのものを廃止しようというのですか。

○政府参考人(岸本武史君) 保育所等の指導監査につきましてお答えいたします。
 これまで、まず地方分権改革に係る地方自治体からの御提案といたしまして、新型コロナウイルス感染症への対応の観点も含めて、指導監査の周期の見直しや、書面又はリモート等による方法も可能とすることを求める提案をいただいております。

 これを踏まえまして、厚労省におきまして、児童福祉施設の指導監査の在り方についての研究会を開催いたしまして、指導監査は実地検査とすることを原則としつつ、新型コロナ対応などで例外的に実地によらない方法を可能とする場合も、前年度に実地で監査を行った上で適切な運営ができていると確認できていること、設置から一定年限を経過していること等を要件としてはどうかといった御意見をいただいたところでございます。

 厚労省としましては、研究会の御意見を踏まえ、保育等の質の確保と両立をした実効的な指導監査が可能となるよう、引き続き検討してまいりたいと考えております。

○田村智子君 これ、だから新型コロナへの特例的なものだったら特例で考えればいいんですよ。何で施行令そのものから義務付けを廃止してしまうのかなんですね。

 これ、新型コロナ感染症の前、二〇一九年度、保育所に対する監査実施率を見てみると八二・三%、これは書面監査なども含まれていて、実地監査は六二・五%に低下します、新型コロナ前からです。全体として実施されていないというのではなくて、都道府県、政令市、中核市の約半数では実地監査は一〇〇%実施されています。一方で、実施率二〇%未満というところも全体の一割に及ぶんですね。ワーストスリー見てみると、兵庫県と和歌山市は実地監査はゼロ%です。東京都は八・二%。

 資料の三ページ目ですね。これ、首都圏四県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県と、その主な政令市での実施状況についてまとめました。これ、大変大きな差があることが一目瞭然なんですね。兵庫県内だけで見ても、神戸市は実地検査は一〇〇%なんです。ところが、兵庫県はゼロ。政令市、中核市以外にある保育施設等では実地検査が全く行われていないということですね。東京都は、実地監査以外も非常に全体として実施率が低いです。

 法律で現状義務付けられているのに、監査実施率が一〇〇%にならない。しかも、自治体間で大きな差がある。この現状を厚労省はどう分析していますか。

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、都道府県等による保育所への指導監査は法令上年一回以上の実地監査が義務付けられておりますが、一方で、一部の都道府県等におきましては、指導監査の実施体制不足等の理由から実地監査の実施率が必ずしも高くない現状があるということで承知をしております。

 厚労省といたしましては、保育の質の確保という指導監査の目的を担保しつつ、自治体、保育所双方の事務負担軽減をしている事例を把握しまして、自治体、保育所に対して共有をすることで実地監査の実施率を高められるよう取り組んできたところでございます。できるだけ全ての保育所に対してしっかり監査が行われるよう、引き続き自治体に対して働きかけてまいりたいと考えております。

○田村智子君 保育所等の箇所数が大幅に増加した、保育料の実質無償化に伴って認可外施設への立入検査の強化も求められた。業務量は大幅に増加したのに、職員数を増やしていない。これが最大の理由ですね。

 また、実施率の大きな差を見れば、自治体の姿勢も厳しく問わなければならないと思います。こうしたところを不問にして、規制緩和で書類監査やリモート監査だけでも法定監査としてよしとしてしまうのか。法令にのっとって保育の質を保障しようという自治体の努力、取組を評価して徹底するということが必要なのに、国が保育行政の質を低い方に流していくということになってしまうというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか、副大臣。

○副大臣(佐藤英道君) ただいま政府参考人から答弁したとおりでありますけれども、今般の研究会では、指導監査はあくまで実地によることが原則であるとし、例外的に実地によらない方法を取る場合にも一定の条件を求めるべきとの御意見をいただいたところであります。

 保育等の質の確保が重要であることは当然でありまして、研究会の御意見も踏まえ、保育等の質の確保と両立した実効的な指導監査が可能となるよう、引き続き検討してまいりたいと考えております。

○田村智子君 これ、子供たちにどういう影響を与えるかなんですね。

 資料の四ページ目を見てください。
 二〇一五年以降、主な施設類型ごとに、意識不明や骨折などの重大保育事故、それから死亡事故、この発生件数をまとめてみました。死亡事故は残念ながらゼロにならずに毎年発生しています。重大事故件数は、認可施設だけで見ても二〇一五年三百七十八件、以後毎年増加して二〇二〇年度は千五百四十件なんですね。

 安全性の向上のために実地の指導監査や巡回指導で各施設の問題点を明らかにして改善を促すこと、また悪質な事業者を見極めてその対処を促す取組、こうしたことこそ強化すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(佐藤英道君) 委員御指摘のとおり、自治体による実地での指導監査を通じて保育所の保育内容や保育環境を適切に確保することは極めて重要であると考えております。

 一方で、都道府県等の体制等の課題により実地による監査の実施率が必ずしも高くないことから、先ほど室長より答弁したとおり、自治体や保育所双方の事務負担を軽減している事例を把握し、共有をすることで実地監査の促進を図ってきたところであります。

 こういった取組に加え、都道府県等による効果的な監査の実施に資するものとして、指導監査結果の積極的な公表についても促しております。これにより、指導監査における指摘、助言事項が確実、適切に是正改善につながり、保育所の適切な運営が確保されるようになると考えております。

 引き続き、これらの取組を進めることにより、適切な指導監査の実施、公表等による保育の質の確保に努めてまいりたいと考えております。

○田村智子君 二〇一八年の地方からの提案、ここでもやっぱり実地監査を緩めてほしいって規制緩和の要求出ているんですけれども、これは、実地監査を行うべき保育所数も増大する一方、職員の増員等の体制整備は容易ではなく、一施設当たりの監査に充てることができる時間、労力を削減せざるを得ない状況となりつつある、そのため、安全対策、処遇、会計処理の状況等を適切に検査することが難しくなるおそれがあるというふうにされているんですね。

 これ、私、ちょっと読んで驚いたのは、安全対策を適切に検査することが難しくなるならば、それは人の配置を増やすべきだという、その結論しかないと思うんですよ。そのことは明らかだと思うんです。実地検査義務の削除、これ、自治体は求めている、あるいは事業者の方も負担があるといって求めている、それは傾向はあるんですね。だけど、パブリックコメントに寄せられた意見を見てみると、こういうのがあります。現地に行くことで分かることはたくさんあります。具体的には、におい、汚れ、整理整頓の欠如、二方向避難路が現実に避難可能な状態か、備えるべき帳簿、備品などが現実に存在するか、子供や職員の表情など現地に行けば一目瞭然なことから、ちょっとおかしいなと思って精査、深掘りのきっかけになることまで様々な情報が得られます。百聞は一見にしかずです。

 こういうふうに、実地検査の存続を求めるものがほとんどで、実地検査をなくすことに賛成の意見はありません。保護者や多くの国民が賛同しているとは言えない状態だと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(佐藤英道君) 児童福祉施設に関わる実施監査の見直しについて、保育等の質の低下を懸念する声があることは承知をしております。

 今般の研究会では、指導監査はあくまでも実地によることが原則であるといたしまして、例外的に実地によらない方法を取る場合にも一定の条件を求めるべきとの御意見をいただいたものでありまして、厚生労働省としては、保育等の質の確保と両立した実効的な指導監査が可能となるように引き続き検討してまいります。

○田村智子君 東京などを見て分かるとおり、法律、法令上義務付けられているのにやられていないんですよ。それで、その法令上を緩めたらどうなっていくか、ここでしっかり見る必要あると思います。保育需要の高まりで、もうけ本位の悪質な事業者の参入、これ繰り返されている。私も何度も取り上げてきた。もちろん、圧倒的には真面目にやっている保育施設ですよ。だけど、そういうところに紛れてくるわけですよ。

 その一つ、兵庫県の地方裁量型認定こども園、姫路市でしたか、わんずまざー保育園、二〇一七年三月にこの委員会でも質問いたしました。定期検査で自治体職員が施設長との会話で違和感を持って、改めて抜き打ち検査を行って、定員をはるかに超える子供を預かっていたことが判明をしたという事案です。その後、保育士の人数も偽っていた、不正な労働契約が結ばれていたなど、数々の問題が発見されました。これは書面だけでは読み取れなかったことなんです。わんずまざー保育園は二〇一五年三月に認定されました。しかし、最初の定期監査は二〇一七年二月、二年間監査が行われていなかったために、子供たちに給食のおかずはスプーン一杯分だけというほどの劣悪な保育が行われてしまったんですね。

 そもそも認定こども園は、年一度の立入検査が法令上義務付けられていません。自治体への助言である通知でも実地調査等というふうに等が含まれていて、書面などによる調査でもよしとされているんですよ。

 それで、これ野田大臣にお聞きしたいんですけど、私は、わんずまざー保育園の問題を受けてなお、何で法令上の改正しないのかと。認定こども園の側に保育施設を合わせるようなことをやるんじゃなくて、認定こども園の方をこれ実地検査でなくていいよとしていることを見直すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 幼保連携型認定こども園において実施される実地調査は、認定こども園法第十九条に基づく指導監査通知により、保育所等の児童福祉施設が原則として一年に一度以上実地調査を行うこととの均衡に留意するものとしているところです、今、お話があった。このような認定こども園における実地調査の考え方については、厚生労働省における検討の状況を踏まえながら適切に検討してまいりたいと思います。

 参考までに、通知であっても、幼保連携型認定こども園というのは実地監査の実施率というのは実は保育所より上回っているということで、必ずしも通知だから下回るということではございません。ただ、しっかりと安全確保のために取り組んでいきたいということで、今、厚生労働省とも連携しつつ、都道府県の適切な指導監査、そういうことを、質の確保を取り組んでいるということでございます。

○田村智子君 この委員会では企業主導型についてもかなり議論をしてきたわけですよ。まさに電子申請だけでどんどんつくるのを認めてきたことで、現地に行かないことで、非常に悪質な事業者がたくさんあったということ大問題になって、私たち、内閣委員会として視察までやったんですよ。やっぱり実地調査ということがいかに必要かということを、企業主導型保育を通じてもこの委員会で議論してきたことなんですね。

 それで、これ野田大臣にもう一問聞きたいんですけど、今国会ではこども家庭庁設置法案、これ提出されています。政府提出法案です。このこども家庭庁の任務として、法案には、子供の年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とすることなどが書かれていますよね。子どもの権利条約は、この子供の意見というのを乳幼児についても、その発達に応じて乳幼児もその意思を示していると、それを大人が受け取るということを求めているわけです。

 私は、保育施設等での実地検査というのは、まさに言葉では表せない子供の意見をも自治体職員がちゃんと受け止めて施策に生かしていくということだというふうに考えますね。職員数の不足を理由として子供の安全を後退させる規制緩和、これ地方からの提案だ、地方分権だと言って内閣府が厚生労働省に提案し、推進する。この担当もまた野田大臣なんですよね。子供を真ん中にとか子供の最善の利益をうたいながら、子供の安全の水準を切り下げる、これを地方分権の名でやるべきじゃない。規制緩和はあり得ない。野田大臣の見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(野田聖子君) 地方分権改革、これは地方自治体からの提案、これを受けて、厚生労働省において、繰り返しになりますけど、児童福祉施設の指導監査の在り方について検討が行われている、そういうことであります。保育所や認定こども園に対する指導監査は、御指摘のように、子供の安全確保や教育、保育の質の確保の観点から大変重要なものであり、内閣府としても、しっかり厚生労働省における検討状況を踏まえつつ対応してまいります。

 引き続き、常に子供の最善の利益を第一に考える、これは子供に関する取組、政策を日本の社会の真ん中に据えて進めていくこどもまんなか社会、これに向けて、全ての子供が安全、安心して過ごせるよう取り組んでいくわけですけれども、ただ、地方分権だからそういう規制緩和はという御指摘なんですけれども、このことは、副大臣がいらっしゃるんですが、厚生労働省の研究会の報告書、ここでは、保育所等においては指導監査はあくまでも実地によることが原則であるとして、例外的に実地によらない方法を取る場合にも一定の条件を求めるべきとしているというふうに承知しているところです。

 いずれにしても、認定こども園も、そういう検討の状況を踏まえて、今おっしゃったように、こどもまんなか、そして子供をしっかり、安全、安心を守るためにやるべきことをやっていくということでございます。

○田村智子君 実地検査の規制緩和はあり得ないと、このことを強調して、質問を終わります。


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