活動報告

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高速料徴収延長で新道路/老朽化対策優先を/田村智議員/参院国交委

 日本共産党の田村智子議員は30日の参院国土交通委員会で、高速道路の料金徴収期間を50年延長する道路整備特別措置法改定案について「2115年まで料金収入で新規建設する枠組みだ」と指摘し、反対しました。

 同法案は、笹子トンネル事故(12年)を受け、高速道路の老朽化対策の費用をまかなうための14年の改定に続く、2度目の徴収の延長案です。

 田村氏は、「14年の改定後、国会へ説明もなく、審議会で方針を変えて、新規の道路建設に料金を使えるようにした。国会と利用者への裏切りだ」と批判しました。

 田村氏は20年に7600億円の追加費用が計上され総額2兆3575億円となった東京外環道にふれ、「地盤を崩落させ、悪影響を与えているのに、この〝金食い虫〟を見直さない。これでどうして老朽化や安全対策に優先的に道路料金が当てられるといえるのか」とただしました。

 国交省の丹羽克彦道路局長は「更新のための財源を確保しているところ」と答弁。田村氏は「その〝更新〟のためのお金が外環道につぎ込まれている。安全対策に優先的に使われる担保などない」と批判しました。

 さらに田村氏は、外環道で将来、見込まれる更新費用を質問。丹羽局長は「事業評価のマニュアルでは見積もらなくていい(となっている)」と、計画のずさんさを示しました。

 田村氏が「老朽化対策を最優先にするなら、新規事業の総量規制をすべきだ」と求めました。

 改定案は、採決が行われ、自民、公明、維新、国民の賛成多数で可決。日本共産党と立民、れいわは反対しました。


2023年5月31日(水) しんぶん赤旗

 

 

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 二〇一二年に発生した笹子トンネル事故の解明は、本法案審議の前提です。十五日の本会議で、NEXCO中日本は、二〇〇九年度に行うはずだったコンクリート板撤去工事を中止していた、事故の三か月前に予定していたボルトの打音検査も取りやめていた、それがなぜ、誰の判断によるものなのかとただしましたが、斉藤大臣は、調査・検討委員会において報告されているとの答弁でした。

 その調査・検討委員会の報告書には、二〇〇九年には笹子トンネルリフレッシュ計画として、天井板撤去を含めた換気方式の変更を検討したが、長期間通行止めなどの社会的影響を考慮し、計画を変更した。また、打音検査は、JR交差部など第三者被害が想定される箇所の点検を最優先とし、点検の全体計画を見直した。これだけなんですよ。これ、解明と言えるでしょうか。

 長期間通行止めの社会的影響とは何か、安全性確保との関係でどのような検討がされたのか、点検の全体計画の見直しの理由、その内容、それが笹子トンネルの打音検査を中止する根拠となり得たのか、これらはどのように解明されたのか、お答えください。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。
 お尋ねの天井板撤去の検討に当たって、長期間の通行止めなどの社会的影響を考慮した点につきましては、高速道路における天井板構造による換気方式のトンネルについては、笹子トンネル事故前より、自動車の性能向上などに伴う一酸化炭素やばい煙の排出量の低下により、自然換気やジェットファンによる換気方式へ変更するための工事を順次行ってきたところでございます。笹子トンネルについても、同様の理由で換気方式の変更を検討したところ、天井板の撤去に長期間の通行止めが必要であることが判明したため、天井板の撤去を前提としない計画へ見直したと聞いております。

 また、点検の全体計画見直しにつきましては、当時、東名高速においてJRの架線上へ道路構造物の一部が垂れ下がる事故が発生したことを踏まえまして、道路構造物に対する安全確認作業に当たっては、この第三者被害が想定される高速道路本線内の道路空間などを最優先としておりました。これに伴いまして、笹子トンネルにつきましては、天井板内の足場設置による近接目視点検に代わり、トンネル内の利用者に直接影響のある範囲からの剥離を点検するために、トンネル内の内装板や手すりについての近接目視点検に見直しを行ったと聞いております。

 いずれの判断も、中日本高速道路会社が道路整備特別措置法の規定によりまして自らの責任で維持修繕などの判断をされたものであると考えております。

○田村智子君 あの報告書というのは、物理的にどうやって落下が起きたのかというのはすごい詳細に調べられているんですけど、人災としか言いようがない、今の説明聞いたって。その部分についての解明は本当にないんですよ。

 笹子トンネルの建設は一九七七年、建設省、道路公団の時代です。道路公団は、二〇〇五年の民営化前に十九本のトンネルで天井板を撤去しています。これは、何らかの計画に基づいてのことでしょうし、笹子トンネルも対象になっていたのではないかと、こういうふうに私は考えざるを得ないんです。

 そうすると、道路公団時代、笹子トンネルの天井板撤去を担当する部署や計画、これはなかったのか、それは民営化時にどのように引き継がれたのか、答弁できるでしょうか。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。
 お尋ねのこの日本道路公団時代における天井板の維持修繕の担当部署は、保全交通部及び施設部であると中日本高速道路会社より聞いているところでございます。

 また、なお、日本道路公団時代において、公団における笹子トンネルの天井板撤去に関する検討、計画について詳細は把握しておりませんけれども、笹子トンネル天井板崩落事故発生前においては、道路公団時代も含めて、天井板構造のトンネルについて、個別に通行止めによる社会的影響などを総合的に勘案して撤去の有無を判断してきたと高速道路会社からは聞いております。

○田村智子君 NEXCO中日本は、笹子トンネル事故が起きるまで同社管内の五本のトンネルで天井板撤去全く行っていないんです。一方で、NEXCO西日本は、民営化後、関門トンネルなど十五本のトンネルで天井板撤去をした。二〇〇六年にはアメリカで天井板崩落のビッグディッグ事故が起こり、危険性は国交省も道路会社も十分認識していたはずなんです。それなのに撤去計画をわざわざ中止した、それがなぜなのかと遺族は今も問い続けています。

 NEXCO中日本、維持管理コストを民営化までに三割カットし、民営化後も更なるカットを行うと各種文書で公表をしていました。コストカット、経営優先が骨の髄まで徹底されていた会社です。長時間通行止めが経営に与える影響、打音検査のコストカットを安全確保の上に置いた。目先の利益で安全を犠牲にした。そして、国交省も重大な計画変更を道路会社任せにしていた。これらが防げたはずの笹子トンネル事故を起こした、そういう要因ではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 高速道路における天井板構造による換気方式のトンネルについては、笹子トンネル事故の前においても、自動車の性能向上などに伴う一酸化炭素やばい煙の排出量の低下により換気基準の見直しが行われ、自然換気やジェットファンによる換気方式への変更をする、変更を行うために工事を順次行ってきたところです。

 具体的には、中日本を含めた高速道路会社においては、笹子トンネル天井板崩落事故発生前より、個別に安全性を確認した上、通行止めによる社会的影響などを総合的に勘案して撤去の有無を判断してきたと高速道路会社から聞いております。

 また、お尋ねがありました民営化に伴うコスト縮減については、安全性を確保する前提の下で単価や組織などについて見直したものであることから、この事故の原因であるとは認識しておりません。なお、事故後に設置した有識者による調査・検討委員会において原因究明を行った結果、天井板の落下原因について、一、トンネル完成当初からボルト接着部周りに要因が内在していたこと、二、経年的な影響を受けて天井板の落下に至ったことが指摘され、また、三、中日本高速道路会社の点検体制も不十分であったとの報告がなされ、中日本高速道路会社において、他の同様のトンネルの天井板等の撤去、適切な頻度、機会、方法で点検の実施などの再発防止の徹底に取り組んできたところです。

 また、民営化から十年後の平成二十七年に有識者会議で取りまとめた高速道路機構そして高速道路会社の業務点検の結果、高速道路機構と高速道路会社は、民営化の目的に加え、安全、安心など民営化時に明示されていない役割も含め、これまで以上に社会的役割を果たすことが必要との御意見を有識者からいただいています。

 こうしたことも踏まえ、国土交通省としましては、高速道路会社が自らの責任で維持修繕、更新などを行うことが基本と考えており、引き続き高速道路会社を適切に指導してまいりたいと考えています。

○田村智子君 いや、検査が不十分だったの一言で終わっちゃうというのが、何で検査が不十分だったかが一番問われなければならないことだと思うんですよね。

 NEXCO中日本、遺族向けの説明に用いているのは、安全性向上に向けた取組みという表紙を含めて僅か十二ページの文書のみなんです。大臣は真摯な対応をしていると言うんですけど、これが真摯な対応とはとても思えない、だから遺族が説明を求めているという状況です。私はやはり、NEXCO中日本に、その検査の体制不十分だった、何でそうなったのかと、ここまで踏み込まなかったら、これ防げた事故ですから、その認識に立った検証というのを引き続き求めたいと思います。

 高速道路の更新、危険箇所への大規模修繕、これ今もそれぞれの道路会社が適切にって大臣言われた。でも、道路会社任せにしていては利用者の命の安全守れなかったんですよ。それが笹子トンネル事故なんですよね。国交省は事故後、老朽化についての総点検の指示をしました。しかし、その後の対策はやはり今も民間任せなんですよ。

 私は、高速道路の維持修繕、更新について中長期の計画を国と道路会社で共有し、適切に維持修繕、更新の事業を行っているかどうか道路会社を国がチェックする、こういう仕組みが必要だと思う。大臣、いかがですか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 高速道路会社が行う新設及び大規模更新を含めた改築については、道路整備特別措置法の規定によりまして、国土交通大臣の許可を受けて事業を行うこととされております。

 一方、道路の維持修繕、災害復旧、更新につきましては、道路法及び高速自動車国道法の規定に基づきまして道路管理者が行うこととなっており、特に高速道路会社が国土交通大臣の許可を受けて新設し、又は改築する高速道路に関しては、道路整備特別措置法の規定により高速道路会社の責任で維持修繕などを行うこととされております。

 お尋ねがありました高速道路会社が行う維持修繕、更新などの内容については、一部の大規模なものを除き国が個別に内容をチェックする仕組みにはなっていないところです。なお、国においては、笹子トンネル天井板崩落事故を教訓として、平成二十五年を社会資本メンテナンス元年と位置付け、道路法を改正して、五年に一度の頻度での点検を義務化したところです。

 国土交通省としましては、二度とこのような痛ましい事故が起こらないよう、将来にわたる安全、安心な道路ネットワークの確保に向けて、引き続き高速道路会社を適切に指導してまいりたいと考えています。

○田村智子君 仕組みがないという答弁が長かったんですけど、ないのが分かっているからつくれと求めているわけなんですよ。

 そもそも、老朽化道路の更新費用を見込まずに道路公団民営化のスキームをつくったことの政治的な責任も問われるわけです。二〇一四年道路特措法等の改定は、老朽化した道路の更新費用約四兆円を確保するため料金徴収期間を十五年延長するという、そういう法案でした。しかし、その後、国会への説明もなく国交省の審議会で方針を変更して新規道路建設にも料金収入使えるようにした。午前中、鬼木議員も質問していましたけれどもね。

 資料の一というのが、その二〇一四年法改定後の新規事業の一覧なんです。東京外環道の東名ジャンクション―大泉ジャンクション間の僅か十六・二キロに約七千六百億円の追加を始め、総額二兆円以上、新規事業に料金収入が充てられました。二〇一四年法改定は、笹子トンネル事故を受けてのものです。これは、私も国会と利用者に対する裏切りとも言えるものだと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。
 二〇一四年の法改正において、債務を確実に返済するという方針を堅持しつつ、その時点で明らかとなった更新事業、これを確実に実施するため、料金徴収期限を十五年延長したところでございます。その際、新設、改築に係る債務につきましては、民営化の趣旨を踏まえ、引き続き二〇五〇年までには返済する方針を堅持すること、また二〇五〇年以降の料金収入は新規建設事業に充てることなく更新事業のみに充てるとの趣旨の答弁があったと認識をいたしております。

 その後、阪神高速において、二〇一七年の近畿圏の新たな高速道路料金の導入時に、地方自治体から、追加的な料金負担分などについてネットワーク整備に充当すべきとの意見をいただきました。

 また、二〇一六年の熊本地震を始めとした災害の激甚化、頻発化を踏まえた高速道路の機能強化を求める社会的要請の高まりから、NEXCOにおいて、二〇二〇年に地方自治体から、二〇五〇年以降の料金収入の一部をネットワーク強化に活用すべきとの意見をいただきました。

 これらの地方公共団体の意見を踏まえまして国土幹線道路部会で御議論いただいた結果、受益のある世代間の負担の公平性などの観点から、二〇五〇年以降の料金収入について、更新事業を優先した上でその一部を追加事業に充当することとしております。

 この幹線道路部会での議論、また追加事業を含む事業許可の内容につきましては、情報を公表することなどにより、透明性を確保するよう努めているところでございます。
 引き続き、国民の皆様に御理解いただけるよう、丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

○田村智子君 ちょっと答弁長過ぎます。時間短いので。
 この法案では、さらに、二一一五年までという料金徴収のスキームを示しながら、更新事業と新規事業の規模さえ出していないんですよ。

 二十三日の参考人質疑で、社会資本整備審議会のメンバーも務めた根本敏則参考人が、料金徴収期間と道路事業のシミュレーションを説明されました、資料の二枚目ですね。更新事業を年間八百億円と見込むと同時に、暫定二車線区間の四車線化、東名高速六車線化の事業費、人口推計に基づく料金収入などの要素を検討したということです。このシミュレーションも、費用の多くは新規事業となることを想定していることが分かります。

 更新事業年八百億円、この根拠を質問いたしましたが、根本氏からも、具体の資料がNEXCOや国交省から示されていないと、耐用年数からの試算だという回答がありました。そして、将来これぐらいの更新投資があるということを大ざっぱに見通すことも大事な仕事だという指摘があったわけです。

 ですから、国交省が示した八・三兆円分の更新、これ年間事業費の見込み、また、進化事業、新規事業の事業支出、料金収入、これらの推計を出して法案審議をやるべきなんですよ。ちょっと答弁長いから、ここ答弁要らないです、出さないから。これね、出してほしい、たとえ通ったとしても。

 本会議では、更新事業が新規建設よりも優先するその法律上の担保はあるのかと私聞きました。大臣の答弁は、業務実施計画の許可の要件として、更新事業により、貸付期間満了の日においても道路構造が通常有すべき安全性を有すると見込まれることを法律に規定していますと、これにより、法令上、必要な更新事業が優先して実施されることが担保されていますと。これ、分かりましたか。全く分かりませんでした、何を意味しているのか。

 認可申請は個別事業ごとなんですよ。そうすると、その個別に上がってくる認可申請に対して、その優先順位が更新事業になるよと、老朽化対策が必ず優先されるよと、そういう担保がどこにあるんですかと聞いています。いかがでしょうか。

○委員長(蓮舫君) 簡潔にお願いします。

○政府参考人(丹羽克彦君) はい。
 お答え申し上げます。
 更新事業は適切に実施されなければ高速道路の安全が確保されないことから、今回の改正法案により確保される財源については更新事業に優先して充当することとしております。

 このため、高速道路機構が作成する業務実施計画を国土交通大臣が認可する際の要件として、更新事業により、道路の貸付期間満了日においても道路構造が通常有すべき安全性、これを確保、有すると見込まれることを高速道路機構法に規定していると。

 これによりまして、重大な損傷が発生し更新が必要となっている箇所について更新事業を実施する計画となっていない場合、業務実施計画が認可されない仕組みとなっておりまして、法令上、必要な更新事業がこの進化事業に優先して実施されることが担保されているところでございます。

○田村智子君 それじゃ、具体に聞きます。
 東京外環道を挙げます。二〇二〇年の事業再評価で総事業費は七千六百億円増えて二兆三千五百七十五億円に跳ね上がりました。高速料金が追加事業費に充てられたと。七千六百億円というのは、私が示した資料の一のこの四車線化、これ、北海道から九州まで四車線化、二十区間百六十九・七キロになるんですけど、この事業総額よりも多いんですよ、僅か十六・二キロで。

 BバイCは、再評価で一・〇一まで下がった。調布での陥没事故はこの後に起きた。今後も長期にわたって難工事が続く。現段階では総事業費を見通せる状況にないと国交省は説明する。BバイCが一を大きく下回るのはもう必然です。

 先ほど公明党さんの質問の中で、いろんなBバイCだけじゃなくて、社会的な影響、住民の生活とかというのもあったんですけど、それは、地盤を崩壊させ、社会的に大きな悪影響も与えているわけですよ。それでも、この金食い虫そのものの東京外環の建設見直しはしないんですよ。
 これで、何で老朽化、安全対策に優先的に費用が充てられるということになるんでしょうか。どうですか。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。
 更新事業につきましては、これから、今既に老朽化の対策を取らなければならない箇所、またそれと同じ構造、基準で今後蓋然性がある財源、これを確保するための、その更新のための財源を確保しているところでございますので、この更新事業は着実に進むものと考えております。

○田村智子君 その更新事業のためだというお金が七千六百億、東京外環につぎ込まれているんですから、何の担保もないということなんですよ。

 長谷川茂雄参考人は、造った後のメリットより費用の方が高いのは普通の民間会社では事業としては採用されないと、国の事業も同様の視点で検証すべきだというふうに述べましたが、そのとおりだと思います。しかも、東京外環道、国直轄事業にもなっていて、料金徴収では建設費用を償還できない。では、その更新費用はどうなるんでしょうか。幾らと見積もって、その更新費用負担のスキーム、造るのも料金徴収ではできないんですよ。じゃ、更新はどういうスキームになるんですか。

○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。
 事業評価上、その更新事業費、どれぐらいになるのかというのは、今の事業評価のマニュアル上は見積もらなくてもいいということになっております。

○田村智子君 これ、スキームもないですよ。建設費用さえ料金徴収じゃ賄えないんですから。
 一九八七年策定の四全総で約一万四千キロメートルの道路ネットワーク構想が示されました。東京外環道もここに含まれていた。しかし、費用が掛かり過ぎる、住民の反対運動も強い、四半世紀凍結されていた。ところが、当時の石原都知事と扇国交大臣の視察によって突然事業化への動きが始まったんです。

 大臣は、四全総全ての整備を決定するものではなく、個別に事業申請を認可するのだと、地域高規格道路や四車線化も同じだという答弁をされました。しかし、これでは造り続ける構造の維持でしかありません。もうシールドマシンを持つ大企業は掘り続けることで利益を上げているんだと、私は東京の道路建設を見ていてつくづくそう思いますよ。

 人口推計、一極集中の解消、モーダルシフト、高速道路は老朽化対策を最優先に、こういうことを総合的に考えていけば新規事業の総量規制が求められることになるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回、料金徴収期限の、期間の期限を付けたということ自体、造り続けるということではないということを表しております。

 いまだに未開通区間が残されております。また、開通区間の約四割が暫定二車線区間であることや、これを補完する道路ネットワークが不十分であることなどにより、都市間移動の速達性や安全性、災害に対する強靱性などに課題があるものと、このように認識しております。

 このため、既存施設の老朽化対策とともに、必要な道路整備を着実に実施していく必要がありますが、実施に当たっては新技術などを活用したコスト縮減を図るなど効率的に実施していくことが重要と考えております。是非御理解を賜りたいと思います。

○田村智子君 なかなか理解できないのでね。この本法案は、二一一五年まで料金収入による新規建設のスキームがつくられてしまうんですよ。附則第六条で五年後目途の検討を政府が行うというふうにしていますが、せめて五年ごとに法案によって国会での検証を行うべきだと思います。

 二一一五年まで高速道路事業が、国会からも、国民や利用者から見てブラックボックスにしないためにこれ絶対必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回、改正法附則六条に基づきまして、政府では、施行後五年を目途として施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。今日も午前中からいろいろな御議論がありまして、ここについてはきちっと、有料道路制度をどうするのか、その時々の国民の意見も聞きながらきちっと議論をしていこうということになっております。国会でしっかり御審議いただくことになると思います。

○田村智子君 そうおっしゃるなら、更新事業の見込み、それから新規事業、進化事業、どういう事業量を見込んでいるのか、せめてそれぐらいの資料を、法案今日可決した後もですよ、これ私は出してほしい。委員会への提出を求めたいと思います。

○委員長(蓮舫君) 後刻理事会で協議いたします。

○田村智子君 例えば、ミッシングリンクの解消などという道路造り、これも進んでいますけれども、渋滞解消を理由として一時的にそうなっても、結局東京などへの一極集中がどんどん進んでいたら、まさに一時的でしかないんですよ。

 これは本当に道路このままでいいのかと、まだ造り続けるのかと、こういうことを含めた総合的な検証、これを求めて質問を終わります。

 


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