結婚時に同姓か別姓を選べる「選択的夫婦別姓制度」の導入を求めて、市民団体や女性団体が23日、国会議員への要請行動や院内外での集会・行動を実施しました。昨年10月の総選挙の結果、衆参両院で選択的夫婦別姓賛成を公約した議員が多数になるもとで「今国会で実現を」とアピールしました。
「望まぬ改姓ゼロに」/国会前
国会前では「女性団体大集会」が開かれました。同制度の実現に取り組む「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」を中心に150以上の団体が賛同し、小雨が降る中で約200人が集まりました。
同会の田中優子代表(法政大学名誉教授)は「夫婦同姓の強制は憲法に違反し、国連の女性差別撤廃条約にも違反している。世界的に恥ずかしいことだ」と指摘。事実婚などで多くの女性が不自由な状況だとして「すぐに(同制度を)実現してください」と訴えました。
結婚して夫の姓になってからも旧姓を「通称」として名乗ってきた宮子あずささんは、看護師として病院で旧姓使用の難しさを感じてきたとして「困っている人がいます。これ以上は待てない」と述べました。
参加者は「自分の名前で生きる自由」「望まない改姓をゼロに」などと書かれたプラカードを掲げ、議員会館に向かって「いつまで待たせる夫婦別姓」「今こそ実現」と力強くコールしました。
同制度の実現に賛成する日本共産党の堀川あきこ、本村伸子両衆院議員、仁比聡平参院議員のほか、立憲民主党、社民党、参院会派「沖縄の風」の国会議員が連帯のあいさつをしました。
新婦人、請願署名7万9696人分/田村委員長あいさつ
新日本婦人の会は、選択的夫婦別姓を求める院内集会を衆院第1議員会館で開きました。次世代行動として、34都道府県から約150人が参加。20代の会員は、結婚して改姓したさいの喪失感にふれ、「制度実現をなんとしても」などと訴えました。
あいさつした米山淳子会長は、昨年11月からとりくむ「選択的夫婦別姓制度をただちに導入することを求める請願署名」が、7万9696人分になったと報告。紹介議員が108人に広がり、自民党の国会議員も含まれると紹介しました。
ゲストとして、IT企業・サイボウズ社長の青野慶久さん、mネット・民法改正情報ネットワーク理事長の坂本洋子さん、全労連副議長の髙木りつさん、全日本民医連事務局次長の西村峰子さんが発言。「選択的夫婦別姓の実現をめざして声をあげていきましょう」とよびかけました。
日本共産党の田村智子委員長、立憲民主党、社民党、参院会派「沖縄の風」の国会議員などがあいさつ。田村氏は「選択的夫婦別姓制度を今国会で実現させようというのが、みなさんの声。これに応えるのが私たち国会議員の役割です」と強調しました。
院内集会の前後に、国会議員要請や参加者交流会が行われました。
2025年4月24日(木) しんぶん赤旗