日本共産党は30日、高校生サマーセミナー「田村智子・共産党委員長と話そう 日本と世界と私たちの生き方」を党本部で開きました。首都圏を中心に東北・東海地方からも参加した25人の高校生が自分の思いを田村委員長にぶつけ、一緒に考えました。平和や個人の尊厳、多様性を認める社会などの高校生の願いを深める3時間になりました。
最初に高校生たちが自己紹介。「排外主義と軍拡など今の日本で心配なことがたくさんあって田村さんに聞きたい」「共産党の安全保障などの政策に深く共感したので申し込んだ」など、参加理由を話しました。「共産党に入りたい」と発言した人もいました。
「ようこそ」と笑顔で歓迎した田村氏は、自分の高校・大学時代を振り返り自己紹介しました。1980年代、大学の不当な学費値上げ問題に直面したことと、米ソの核開発競争まっただ中で核兵器について誰かと話したいと思っていた10代だったと語りました。大学で学費値上げ反対を掲げてたたかう民青同盟や核兵器廃絶を訴える党と出会い、「おかしいと思うことには声を上げ、たたかいで変えていく道があると知り20歳で入党しました。今日も、安心して何でも話せる場にしたいと思います」と話しました。
高校生との交流は、参院選の結果や多様な生き方を認める社会のあり方、共産主義、校則問題、日本の農業や鉄道を守る党の政策など多岐にわたりました。
愛知県の3年生は「参院選で党に伸びてほしいと願っていた。選挙期間中、ヘイトスピーチが拡散され怖かったしつらかった。党がヘイトや排外主義とたたかうという方針を出したことが私の力になった。生き延びられた」と語りました。
田村氏は「ヘイトスピーチは言論の自由ではなく、許されないという法律が日本にはあり、政党はその立場に責任をもてと迫っていかないといけない。政治に問題があると明らかにして、排外主義とたたかう民主的な共同・連帯をつくろうと呼びかけたい」と力を込めました。
福島県の3年生は「同性婚の法制化を望んでいます。参院選では同性婚に賛成する議員が半数を超えませんでした。多様な家族のあり方だとか、多様な生き方について聞きたいです」と発言しました。
田村氏は、多様性を認めることは人類社会の進歩の方向だと強調。資本主義の中で多様性は発展してきたという前向きの要素をさらに進め、「逆流を乗り越えて、誰もが生きやすい社会を目指そうよということを貫いて頑張っていきます」と答えました。
東京都の3年生は「参院選で共産党は消費税5%への減税を訴えたが、『廃止』を訴えた政党に票が流れた。民主主義はポピュリズムに弱いと思うが、どう考えますか」と質問。
田村氏は「私たちは責任ある財源論を示す論戦を行ってきた。これは選挙の論戦をリードし、自民党も否定できなくなっている。無責任なポピュリズムでは政治は変えられない。党の政策の良さをもっと伝えていく努力をしたい」と答えました。
「参院選後、自民党内から石破首相退陣の声があるがどう見ますか」と千葉の2年生の質問に田村氏は「醜い権力争いです。付け替える看板もないほど末期的状況。もう自民党政治を終わらせるしかありません」と語りました。
「若者の中に党支持を広げるために何をしていますか?」。東京都の3年生の質問に田村氏は、「党を知ってもらおうと挑戦中です。今回の企画もそう。若者の願いを実現する運動やツールをつくっていきたい。今日はとても刺激的な時間でした」と語りました。
参加者は本部の資料室などを見学したあと、グループに分かれて感想を交流しました。
参加した1年生は「SNSで企画を知って友人と参加した。いままでいろいろな党のことについて調べてきたが、こうして委員長と実際にやりとりできる場があるのはすごい。記事や演説からは得られないような貴重な経験になった」と話しました。
セミナー後、入党を申し込んだ3年生は「多くの人を幸せにするような政治をやりたいと考えていた。共産党の共産主義はまさにそれを体現していると思う」と誇らしげに話しました。
2025年8月31日(日) しんぶん赤旗