安保法制=戦争法の強行採決から10年となった19日夜、総がかり行動実行委員会と9条改憲NO!全国市民アクションは「武力で平和はつくれない!強行採決から10年 戦争法廃止!9・19国会正門前大行動」を行いました。参加した2300人(主催者発表)が「戦争法は今すぐ廃止」「憲法生かせ」「排外主義は許さない」とコールしました。
主催者あいさつした総がかり行動実行委共同代表の菱山南帆子さんは、2015年のたたかい以降、一人ひとりが運動に参加するハードルを下げ、全国に共同の輪が広がっていると強調。国会提出が狙われるスパイ防止法は思想弾圧に他ならないと指摘し、「力を合わせて声を上げ続けよう」と呼びかけました。
市民連合・上智大学教授の中野晃一さん、日弁連憲法問題対策本部副本部長の山岸良太さん、移住者と連帯する全国ネットワーク事務局長の山岸素子さんがスピーチしました。
日本共産党の田村智子委員長、小池晃書記局長、山添拓政策委員長が参加し、立憲民主党の近藤昭一衆院議員、社民党の福島瑞穂党首があいさつしました。田村氏はあいさつで、戦争法廃案を求めて国会を包囲したたたかいをきっかけにして市民と野党の共闘が広がり、衆参で自公過半数割れに追い込んだと指摘。安保法制のもとで進む大軍拡が、平和も暮らしも脅かし、軍拡大増税をもたらすと述べ、「今こそ安保法制を廃止しよう。自民党政治を終わらせ、極右的潮流を許さない新しい共同を広げるときだ。一緒に頑張ろう」と呼びかけました。
東京都江東区の戦争法の廃止をめざす大島の会の久保木正明さんは「沖縄のミサイル基地化などが進み、いつ戦争が起きてもおかしくない状況に危機感がある。もっと力を込めて戦争法反対を訴えたい」と述べました。
安保法制10年9・19国会正門前大行動/田村委員長のあいさつ
みなさん、こんばんは。「戦争法案を廃案に」「憲法壊すな守れ」と10年前、国会を包囲した声をはっきりと覚えています。あのときの共同があったからこそ、市民と野党の共同が全国各地に広がり、きょう衆院でも参院でも、自民党、公明党を過半数割れに追い込んだ確かな力になったことをみなさんとともに確信にし合いたいと思います。そして、いまこそ「安保法制を廃止せよ」「憲法守れ」の声をいっそう大きな共同として広げていくことを心から呼びかけるものです。
この10年、安保法制の強行が日本政治のターニングポイント、悪い方への転換点となりました。集団的自衛権行使容認の法整備をしたら、これをどうやって実施するのかと、危険な流れが次々とつくられています。外国を攻撃するミサイルが大量に配備される、沖縄の南西諸島では、こちらが攻撃したら相手からの反撃に遭って日本が戦場になることを想定した日米軍事演習が行われ、全島避難まで沖縄県民のみなさんにつきつけられる。山口、九州に行けといわれても、一体どうやって暮らしていけばいいのか、私たちのふるさとはどうなってしまうのか、こういう声が起きるのは当然のことです。
しかも、とんでもない大軍拡は、トランプ米大統領からの要請によって行われている。トランプ大統領はいまやGDP(国内総生産)比3・5%、21兆円もの大軍拡を日本に突きつけています。こんな道を歩んでいったら、軍事対軍事、ミサイル対ミサイルがエスカレートして平和が脅かされるだけではなく、暮らしの予算が押しつぶされ、軍拡大増税が襲いかかってくるのではないでしょうか。許すわけにはいきません。
トランプ大統領いいなりの政治、この自民党政治をまだ続けるのかが問われているのではないでしょうか。トランプ大統領は、イスラエルがどんなにガザでのジェノサイドをやっても一言も批判をせず、むしろガザをアメリカが占有しリゾート開発すると、イスラエルのジェノサイドを事実上応援しているではありませんか。イスラエルのガザでのジェノサイドにも、この場から満身の怒りをもって糾弾の声をあげましょう。
きょう安保法制から10年ということで各紙も報道しています。朝日新聞で法学者の長谷部恭男早大教授がこう言っています。
「憲法は生きている。憲法をくぐらずに合理的な安全保障政策を考えられるはずはない」「大丈夫です。専守防衛のタガを緩ませている政治家を交代させるのが正道です」と呼びかけています。
先の参院選挙では残念ながら極右的な潮流、大軍拡をけしかける政党、スパイ防止法をつくろうという政党が議席を伸ばしました。私たちは自民党政治を終わらせる、極右的な流れを断じて許さないという新しい共同を、保守的な立場の人々も含め大きく広げていくときではないでしょうか。日本共産党はこの新しい共同を大きく広げるために先頭に立って奮闘し、何としても安保法制を廃止し立憲主義を取り戻すため全力でがんばりぬいていきます。
2025年9月20日(土) しんぶん赤旗