全国建設労働組合総連合(全建総連)は19日夜、東京都内で結成65周年の記念式典を開き、建設労働者の生活と権利を掲げて闘ってきた歴史を振り返り、組織を強く大きく発展させようと決意を新たにしました。
主催者あいさつで鈴木貴雄委員長は、結成以来、幾多の困難を乗り越えてきたとして、建設国保の実現や、自然災害時の木造仮設住宅建設の取り組みを紹介。現在の課題として、若者が入職してこないことを挙げ、「昨年、国会請願署名を120万人近くから集め、建設業担い手3法改正などを実現した。処遇改善を推進し、持続可能な建設業の実現に向けまい進する」と強調しました。
国土交通相や厚生労働相、日本共産党、自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党、社民党の代表が来賓あいさつ。日本共産党から田村智子委員長、小池晃書記局長、大門実紀史参院議員が出席し、田村氏があいさつしました。
全建総連65周年記念式典での田村委員長のあいさつ
日本共産党の田村智子委員長は19日、全建総連65周年記念式典であいさつしました。大要を紹介します。
全建総連結成65周年、おめでとうございます。
大規模災害の復旧・復興、まちづくりなど、日本社会と経済、私たちの暮らしを支えてこられた全国の建設業に携わる皆さまに、まず心からの敬意を表します。
運動に多く学んだ
皆さんは、建設労働者、一人親方、工務店の社長さんも、みんなで団結して、建設従事者の要求実現のためにたたかうという、産業別労働組合として、すばらしい役割を発揮してこられました。日本共産党も、働く人の団結で世の中を変えようという政党ですので、皆さんの運動に、多くのことを学んでいます。
一つは、建設国保を生み出し、発展させていることです。「ケガと病気は手前持ち」と言われた時代に、「カラスの鳴かない日はあっても地下足袋の職人が国会に来ない日はない」といわれるほど、精力的な運動で日雇健保を生み出しました。「労働者が運動によってつくらせた初めての社会保険」と、厚生省も記録するほど画期的な歴史です。
赤字を理由につぶしにかかる政府との闘いの中で、健康保険制度を守り発展させようという団結が培われたことなど、皆さんの闘いの歴史に大いに学びたいと思います。
二つ目に、建設従事者全体の処遇改善を求める闘いです。設計労務単価の引き上げ、公契約条例・公契約法制定の運動は、「産別労働組合ここにあり」のたたかいで、国や自治体を動かしてこられました。
単価引き上げが末端の職人に届かない、町場の仕事で単価たたきにあってしまう、こうした問題にも、大手企業に対し「労働協約」の締結をと取り組んでおられます。労働組合の団結と闘いこそ、賃上げの力です。
三つ目に、建設産業の危機を告発し、持続可能な産業へと発展させる先進的な取り組みを展開されていることです。新「担い手3法」改定の国会質疑では、全建総連から参考人として発言いただき、このままでは日本が立ち行かなくなるという危機感を、すべての政党、政府と共有できました。
同時に皆さんが建設キャリアアップシステムの活用など収入アップへの新たな展望を生み出し、「担い手3法」に生かされていることは、とても重要です。週休2日の徹底、公正な福利厚生費など、実効性の確保に力を合わせる決意です。
消費税減税への道
最後に、今国会で、消費税減税への道を開きたい。取引額の大きい建設業は、消費税とインボイスによって大変な状況にあります。インボイス廃止、消費税減税を喫緊の課題として超党派で取り組む決意です。
全建総連の皆さまのますますのご発展を心から祈念し、あいさつといたします。
2025年11月21日(金) しんぶん赤旗

