日本共産党 田村智子
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【12.03.27】厚生労働委員会�◆宗醜�抜きの派遣労働法案

「派遣切り」を2度と起こさない改正が必要

○田村智子 日本共産党の田村智子です。
 今回提案をされた派遣労働法の改定は、政府案、修正案とも日本の雇用形態がどうあるべきかということを問うものであって、十分な審議時間が必要な内容だと考えます。今日は、リーマン・ショック後派遣切りに遭って、現在も裁判を闘っている方々も傍聴に来ておられます。本来、こうした当事者の方にも参考人として意見陳述をしていただき、派遣労働の自由化が一人一人の労働者、そして企業、日本社会に何をもたらしたのか、しっかりと議論する責務が国会にはあるはずです。政党間の駆け引きによって、僅かな審議で採決まで行う、これは良識の府としての参議院の存在意義が根底から問われる事態だと思います。そのことを強く抗議して、以下、質問に入ります。

 まず、製造業派遣についてお聞きをいたします。
 2008年、リーマン・ショックを理由に、十月から年末までの僅か2か月間で14万人もの労働者が派遣切りに遭いました。他の非正規雇用も含めれば、約23万人が短期間のうちに仕事を失いました。景気が悪化をすれば即、職を失う、低賃金のため貯金もできなくて、職を失えば住まいも失うと。こんな不安定な働き方をはびこらせた政治への疑問や怒りが大きく広がって、これが政権交代の一因になったと私は思います。
 まず、大臣にお聞きをいたします。政府提出の法案は、大変限定的ですが、そして私たちは不十分だと考えますが、少なくとも製造業派遣には何らかの規制が必要だと、こういう立場です。なぜ製造業派遣を規制する必要があると、そう考えたのか、お答えください。端的にお願いします。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 平成20年秋のリーマン・ショック以降、製造業務に従事する派遣労働者の雇用の不安定、また技能の継承の問題が指摘されました。こうしたことなどから、政府提出の労働者派遣法改正案では、常時雇用する労働者の場合を除いて製造業務派遣、これを原則禁止することにしていました。
 ただ、先ほどから審議があるように、今の国会の中で6度継続審議になり、様々な経済情勢が悪くなっている中で、衆議院で、登録型派遣と製造業務派遣の原則禁止を削除をして、登録型派遣と製造業務派遣の在り方を検討事項とする旨の修正が行われました。この修正案には、政府案に盛り込みました労働者の保護規定の日雇派遣の原則禁止ですとか、労働契約申込みみなし制度の創設などが入っておりますので、先ほどから申し上げているこの一歩前進という形で、この法案の持つ意義というのはあるというふうに考えています。

○田村智子 リーマン・ショックが一つの原因となって派遣切りが起きた、ここに大きな問題があるんだというその認識があったということが、趣旨説明でも本会議の議論でもこれは明らかに示されたと思うんですね。
 それでは、私は提案者の方にお聞きをしたいと思います。
 この修正案というのは、製造業派遣への禁止は何一つとして行うべきではないというものです。手を付けるなと、こういう修正案ですよね。それでは、2008年の派遣切りは何も問題なかった、今後このような事態を未然に防ぐような政策は必要ない、そういうことなのか、自民党の提案者、民主党の提案者、それぞれお答えください。

○岡本充功 衆議院議員(民主党) 何一つないわけじゃなくて、これ検討していくわけですよね。そういう意味では何一つないわけではないんですけれども、一方で、今お話がありました、確かに2008年の派遣切りをどう考えるかという論点はあると思います。現に多くの方がこういう形態で働いているのもまた事実です。
 一方で、様々な労働を取り巻く法整備をしていかなきゃいけないというのは、現時点で、私は政府側ではありませんけれども、国会の側として既に提出されている法案の中にもあるという理解をしています。例えば、労働契約法の改正なども、まさにこれから先、有期の労働者の皆さん方のいわゆる労働者性についての保護する、こういったことを補完するものでありますので、こういった法律も併せて対策を取っていくということでありまして、今お話がありましたように、未然に防ぐための措置をとっていくという意味においては様々な法律とともに行っていくんだろうと、このように理解をしております。

○田村憲久 衆議院議員(自由民主党) 確かにあのリーマン後の雇用環境は大変な状況でございました。その中で派遣切り等々も言われたわけでありますが、これはやっぱり派遣先が中途解約をしたというのが一番の理由だというふうに思います。そして、そのときにちゃんとした取決めができていなかった。
 ですから、今回、改正法案におきまして、派遣元・先指針に定める事項を今度は法律に明確に規定をすると、これは今回の修正では全くいじっていないところでございますので、これはこのまま残っておりますから、例えば休業補償をどうするんであるかでありますとか、また代替の職場をどうやって探していくのか、解雇手当、これは当然の話でありますけれども、こういうものもここに書いております。
 損害賠償を、今度は派遣元か派遣先に対して損害賠償をちゃんと求める、こういうところで一定程度のものは担保できるんであろうと思いますが、ただ、それだけのみならず、あのリーマン後の雇用環境というのは全ての職がなくなっちゃったんですね、あれ。つまり、製造業も自動車だけが駄目だとか電機だけが駄目だというんじゃなくて、どこもかもなくなっちゃった。ですから、ある意味あそこの自動車もここの自動車も駄目という話になれば、普通、派遣であるならばここが駄目ならば次のところを探すということができるんですが、一斉に日本中から雇用がなくなるわけですから、それは次にも持っていけない。ですからこういうことが起こった。
 一方で、じゃ、直接雇用ならどうかというと、これも有期雇用、言うなれば契約社員のような期間工、こういう方々も雇い止めを受けているんですよ。ですから、直接ならばよかったという話でもない。
 そういうことから考えれば、やはり有期というもの、こういうところにしわ寄せが来たという話でございまして、製造業派遣のみが問題であったというふうには我々は考えておりません。

○田村智子 切られた後のこの手当てをどうしていくか、それでは駄目なんですよ、やっぱり。
 派遣切りというのは、直接雇用での有期雇用で切っていくというのは大問題ですよ。しかし、実際に派遣切りが過去に起きたことをこういうふうに片付けるわけにもいかないような事情がありますよね。いすゞ、日産、トヨタなど名立たる製造大企業が、もう派遣会社への一片の通知でまさに労働者を切り捨てたと、これがそれでいいのかということが問われているわけですよ。こういう企業のモラル破壊に目をつぶれば、同じことがまた繰り返される。
 しかも、あの派遣切りが起きたときに、現行の法制度も、そして労働行政も全くそれを止めることができなかった。この反省に立って、こういう事態を起こさないために、少なくとも製造業で何らかの規制必要なんだと、検討じゃ駄目ですよ、規制に一歩踏み出すということが求められていたはずなんです。
 大臣にもう一回お聞きしたいと思うんですね。今度、民主党も修正案に加わっちゃったんですよ。一体、野田政権は製造業の派遣、これは規制が必要という立場を取るのか、それとも、もうそのときから、派遣切りのときから状況が変わりましたと、いろいろ企業も大変ですと、規制はやめておきましょうと、そういう立場を取るのか、これどっちなんですか、お答えください。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それは先ほどから申し上げたように、この製造業務のところまで広げたことによって派遣が不安定で低賃金なものになったという側面があると思います。
 ただ一方で、今状況がいろいろ変わっている中で、この製造業派遣で仕事が回っているという部分も確かにあるわけなので、こういう現状の中で、私は、製造業派遣を今のままでいいということではないので、今回一歩前進という形にしたいと。その中に先ほど申し上げたように、労働者の保護を規定したものも数多く入っていまして、これは製造業務派遣の皆様にも適用されるので、そういう意味で一歩前進という形で今回考えたということです。

○田村智子 もう一度製造業派遣については、私、原点に戻ってちゃんと議論しなくちゃいけないと思うんですね。
 製造業への労働者の派遣、これそもそもが禁止だったんですよ。派遣労働が原則自由化された際にも、製造業への派遣、これ禁止しなきゃ駄目だと、先ほどからお話ありますね、ネガティブリスト。これ、何で製造業は派遣はそもそも禁止しなくちゃいけないと、こういう判断がなされていたのか、これ改めてお聞きしたいと思います。局長の答弁で構いません、端的に。

○生田正之 職業安定局 派遣・有期労働対策部長 お答えいたします。
 平成11年の労働者派遣法の改正に際しまして、それまで政令で列挙する業務のみ派遣ができるというふうにしておりましたのを原則派遣可能といたしまして、派遣禁止業務のみを法令で定めるというネガティブリスト化を行いました。
 その際に、物の製造業務につきましては、製造業のとりわけ直接生産工程で働く労働者の方が日本の雇用労働者に占める割合が非常に大きいということ、それから、日本の労働者の労働条件の決定に与える影響の大きさがあるということもございまして、本則上は自由化をしたんですけれども、激変緩和の観点から、附則によりまして、当分の間、厚生労働省令で定める業務の労働者派遣は行ってはならないというふうに定めまして、厚生労働省令の中で、物の製造の業務につきまして、産前産後休業、あるいは育休、介護休業の代替要員の業務以外は定めるということになりまして、労働者派遣の対象業務とならなかったということでございます。

○田村智子 非常に製造業の割合が大きいと。派遣法の一番の原則的なところは、この派遣労働者が常用代替になっていったら駄目だ、こういっていろいろ規制掛けてきたわけですよね。常用代替を起こすような派遣は駄目だと。
 実際、製造業派遣が解禁をされて、労働者の割合も非常に大きいところで解禁がされてどうなったか。解禁後、派遣労働者は一気に100万人規模で増えて、リーマン・ショック前には321万人にまで膨れ上がったわけです。この間、就業者の総数というのはほとんど変化がないと。こういうことを見ても、まさに派遣労働法があってはならないと想定をしている常用代替が大規模にすさまじいペースで起こった、これ言えると思うんです。
 もう一点確認したいんです。
 それでは、2003年、製造業への派遣が解禁された。なぜこれが解禁されたのか、これも端的にお答えください。

○生田正之 派遣・労働対策部長 お答えいたします。
 物の製造の業務につきましては、平成11年改正の際に激変緩和の観点から当分の間適用除外という取扱いでございました。しかしながら、平成15年改正に際しまして、経済産業構造の転換でございますとか、あるいは国際化の進展の中で、日々変動する業務量に応じまして労働力の需給に迅速、的確に対応するというニーズが製造業において非常に高まっているということでございまして、物の製造の業務を派遣の対象としたということでございます。
 その際には、当時、製造業において請負事業の利用が広く進んでいたことと、それから労働者派遣事業の利用が全面的に禁止されていたということを踏まえまして、15年改正のときには派遣期間の制限が原則1年から3年に改められたわけですけれども、この改正法の施行後3年間につきましては、平成11年改正で対象業務をネガティブリスト化したときと同様に、この製造業務につきましてはまずは1年間の期間制限を適用するということで、請負業や派遣先に急激な変化をもたらすことがないような配慮をしたということでございます。

○田村智子 ちょっと今の答弁、よく分からなかったんですけど、過去の議事録を読んでみますと、今大切なことをちゃんとお答えになっていないんですね。
 実際には、相当に製造業の中に偽装請負がはびこってしまって、これを適正な請負にするためには派遣労働者を受け入れていいと、こういう法律を作らなきゃ駄目だと、こういう議論、ずっと衆議院でも参議院でもやられてきているんですよ。
 これ、製造業で働く皆さんが派遣労働を解禁してほしいとか、多様な働き方にしてほしいんだと、こうやって求めて解禁されたものなんかじゃないです。キヤノンやニコン、松下プラズマなど名立たる大企業が、人件費抑制のために偽装請負という法律違反を犯してまで労働者を外部調達した。そして、待遇の格差だとか、安全対策の不十分さとか、突然の雇い止めとか、深刻な問題が次々と起こって社会問題化して、労働者の告発も相次いで、それじゃ今度は製造業に派遣を解禁して法律で適正な請負、適正な派遣、これ規定しましょうよ、こういうふうに動いていったんです。
 実際、当時の議事録ずっと読んできますと、例えば当時の局長、こういうふうに言っているんですよ。偽装請負があることで一番の問題は、何か起きたときに雇用主責任がどちらにあるのかはっきりしないということがやはり最大の問題ではないかと、製造業では事故とかそういうことを含めてそういう事態が起こりやすいと、こういうふうに言っているわけですよね。
 それでは、製造業の派遣労働を法制化して、何か起きたときの雇用責任が明確になったと言えるのか。派遣切りのときに一体誰が派遣労働者に対して雇用主責任を果たそうとしたのか。
 私、改めて製造業派遣をめぐる経緯を見ても、またこの現状を見ても、製造業への派遣労働を解禁したことで、正規雇用から非正規雇用への切替え、個々の企業での常用代替、そして派遣切りに象徴される労働者の物扱い、雇用破壊が起こったことはもうこれ明らかだと思います。であるならば、やはり製造業派遣は一部の禁止ではもう足りないと。製造業は、雇用主責任をしっかりと果たすような雇用形態をもう一度組み立てていくべきだと。これ、全面禁止という方向を真面目に検討することを求められていると思うんです。
 大臣、いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 先ほどから申し上げているように、この製造業務派遣についても今後その検討をするということになっていますので、そういう意味では、今御指摘の点なども踏まえてしっかりとこの先検討をしていきたいというふうに思っています。

○田村智子 今回、本当に修正案で、僅かな規制も削除をして検討にしちゃったんですよ。どう検討されるか分からないですよ。
 私は、派遣切りで裁判まで訴えた皆さんにいろいろお話聞いてきました。勝訴するためにと全力尽くしていますけど、元の職場に帰れるかどうか分からないんですよ。そういう不安の中で闘っています。日々の生活の困難も本当に抱えています。それでも2年、3年掛けて裁判闘っているのはなぜか。それは、働きたいって思いが物すごくあるからですよね。この会社で自分、誇り持って働いてきた、その仕事を奪わないでほしい。それをいきなり一片の通知で奪った。人間に対する尊厳を踏みにじるやり方、許せない、こういう気持ちもあるでしょう。そしてもう一つ、自分たちが闘うことで二度とこういう事態を許さないような法制度がつくられると、このことを信頼して私は裁判を闘っていると思うんですよ。
 それにどうこたえるかということを話し合うのが私は厚生労働委員会の役割だと思う。それにどうこたえるかと真剣に向かうのが労働行政が果たすべき役割だと、そういうふうに思うんですよ。
 大臣、いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 また何度も繰り返しになって恐縮ですけれども、私を含めて、今政府の方でも、今、製造業派遣の中に問題があることは当然意識をしています。ですから政府案を提出をいたしました。
 ただ一方で、今の被災後の状況やらいろいろな経済状況の中で、そこで仕事がつくり出されて、働いている人が現にいるということも事実なんですね。そういう中で、どういう在り方にしたらいいかということ。今回、何回もの継続審議を経て、やっぱりそれでも製造業も含めて本当に少しでも労働者を守れる方向を実現をしようということで、今回これを一歩踏み出しました。
 先ほどからお話ししているように、この製造業派遣の問題、それからほかにも幾つも問題があります。最初想定したものと随分違った働き方になっているということは事実です。また、新たな雇用の場をつくっているということも一方で事実の中で、この製造業派遣についても、どうあるべきかということを、今後もう一度抜本的なところから、しっかりとその現場の方の御意見も伺って、私も裁判闘争をしていらっしゃる皆様方とも直接お話もしていますし、これまで私自身もいろいろなかかわりを持ってきました。そういう中で、そうした当事者の皆さんの声も聞きながら、また今の状況の中での経済界の御意見も聞いて、それぞれ関係者の意見もしっかり聞きながら検討を徹底をしてやっていきたいと、そのように思っています。

○田村智子 だったら、こんな修正案がこの国会に出ているということは、私は本当におかしいと思います。
 時間がないので、日雇派遣についてもお聞きをします。
 政府案では、派遣期間が2か月未満の登録型派遣を禁止すると。日雇派遣、2か月未満の派遣は駄目だというふうにされたのか、そのことについてお答えください。

○生田正之 派遣・有期労働対策部長 お答えいたします。
 政府原案につきましては、日雇派遣の禁止の範囲につきまして、派遣元に雇用管理責任を果たさせるという観点から、労働政策審議会での議論を踏まえまして、社会保険の適用の基準となります2か月というのを基準として定めたところでございます。

○田村智子 それで、修正案ではその2か月は長過ぎると、30日以内だと。先ほどお答えがあって、雇用保険加入の義務付けが31日以上だということだったんですけど、私、これは労働者の保護になるというふうにはならないと思うんですよね。
 日雇派遣の方というのは、失業状態か分からないじゃないですか。日々仕事があるかどうか分からない。あなた、雇用保険に入っていますから失業手当受け取れますよなんということにならないと思うんですけど、これは何でこれで労働者が保護できるというふうにお考えになったのか、お答えできますか。

○岡本充功 衆議院議員 何をもってこの日数とするかというのは、今委員がお話しになられたとおりで、もう既に議論があったと思いますが、労働者の保護、様々な観点があると思っていますけれども、雇用保険を掛けて派遣元事業主が適正な雇用管理責任を果たすことで派遣労働者の保護は図られるというふうに理解をしているところでありまして、先ほど答弁があったと思いますけれども、我々としてはこれを30日というふうにしたところでございます。

○田村智子 結局、根拠ないわけですよ。社会保険加入というのはまだ私、ちょっと根拠あるかなというふうに思うけれども、30日未満を禁止、雇用保険加入期間が31日から、これは理由にもならない。私、言わば日雇で使いたいような事業者に押されて、もっと短くできないかと、まあ、さすがに10日とかそういうのじゃまずいなと、じゃ、ここまでぎりぎり短くしましょうと、そんな決め方だったんじゃないかと思わざるを得ないような、何が何でも日雇派遣、これを野放しにしたいかのような提案だなというふうに、修正だなというふうに思わざるを得ないんです。
 大体、そもそも2か月でもどうかと思いますけれども、そういう1か月や1か月の雇用期間、一番心配なのは安全教育が十分に行えるのかということです。そういうのがニーズがあるからという議論があってちょっと驚きましたけれども、ニーズがあるからとこたえていたら、労働者の側だって職業意欲や自らの職業能力をどうやって伸ばしていくのか。むしろこれは日本の産業や経済にとって大問題だと思いますよ、もしそこにニーズがいっぱいあるということだったら。そういうことも考えなきゃいけないはずだと思いますよね。
 それ以上に問題なのは、こうやって非常にこの期間短く定めているんだけれども、これでさえも例外規定を設けて、結局日々雇用でいいよと、1日だけ働くのでもいいよという例外規定を設けてしまっている。政府案の方でも提起をされている雇用管理に支障を及ぼさない業務、これは例外だと。一体どういう労働者を指しているのか、簡潔にお答えください。

○生田正之 派遣・有期労働対策部長 政府案の日雇派遣の例外でよろしゅうございますか。
 政府案の日雇派遣の例外につきましては競争力あると考えられる業務でございまして、17・5業務の対象者につきましては日雇派遣の例外というふうにいたしております。

○田村智子 これは専門26業務の中の17・5業務と。つまり、専門性があるので、専門業務に登録型派遣が認められていて、仕事があるときだけの雇用契約でもそういう皆さんはスキルがあるから大丈夫ですよと、日々渡り歩いても大丈夫ですよというような規定だと思うんですね。
 私、これもどうかと思うんですね。先ほどから派遣元の責務ということが議論されていますけれども、専門的なスキルがあればなおのこと研修の期間が保障されて、その派遣元で自分のスキルアップができていくような、そういう雇用形態だって必要なはずで、それが登録型でいいのか、日々雇いのような職場にどんどん行かされるということでいいのかと、ここは大いに議論しなければいけないと思います。
 加えて、修正案はそれだけでは足りないと、もっと広げろという規定が加わっています。雇用機会の確保が特に困難であると認めた場合とその他政令で定める場合。非常に曖昧な規定で、これも先ほどお答えがあったので、どういう人かといったら高齢者、60歳以上でしょうか、それから学生、副業の方、主たる生計者ではない者。
 私、この主たる生計者ではない者というのは実は非常に幅が広くなっちゃうんじゃないだろうかと思うんですよ。親と同居している若者、入りますよね。夫婦共働きでどちらも不安定な働き方、どっちが主たる生計者か分からない、こういう人たちもみんな日々雇いの、日雇派遣の、やっていいと、そういう対象になっちゃうんですか、どうですか。

○岡本充功 衆議院議員 主たる生計者じゃない者というのは、主には主婦で、御主人が働いていて仕事に出るというような人などを想定をしていますが、先ほど御答弁させていただきましたように、これにつきましては政令で定めることとなっていますので、労政審の議論を経て決まるのではないかと、このように考えております。

○田村智子 こうやって曖昧に広げておきながら、あとは労政審で審議しますなんて、こんな無責任なことないと思いますよね。規制する幅を緩めちゃって、あとは労政審ですよと。法案の条文は非常に曖昧で、本当にこれからの検討なんていうのは、私は認められないですよ。
 しかも、修正案で加えられたこの中身というのは、例えばこういう仕事は30日未満になる可能性が高いと、だからこういう業務については日々雇いも日々派遣も、これは認めましょうというのとは違うんですよ。こういう人は仕事に就くのが難しいから日雇派遣でもいいでしょうと。一番就職が苦しくて一番弱い立場にあるような人たちに日々派遣でいいよというふうにしちゃっている。
 こうなったらどうなりますか。これまで社会問題で起きてきたのは、そういう本当に社会的に弱い立場ですよ。なかなか仕事に就けない、まさに雇用の機会の確保が困難な方々、そういう方々が食いつなぐためにやむを得ず日々雇いに入っていくと。そして、どうなるか。もう物のように扱われるわけですよね。危険な作業もやらされる。体に大きな負荷を与える作業も、あしたこの人潰れちゃっていいわけですよ、今日働いてくれれば。労働条件が劣悪な職場でも、意見言ったってあしたはいなくなっちゃう、意見も言えない。
 事業者側が労働者の安全確保も脇に置いて使い捨てができるというシステム、この修正案、こういう規定がやられてしまったら、これは否定できなくなっちゃうんですよ。これでは、社会問題になった、どこ連れていかれるかも分からない、危険な業務でぼろぼろになっていく、こういう日雇派遣、かつては社会問題になった日雇派遣、禁止するという保障にならないと思うんですけれども、提案者はいかがですか。

○岡本充功 衆議院議員 委員の御指摘がある雇用の機会が不足して雇用の確保を緊急に図る必要があるという方については高齢者を想定しているということは、これまでも答弁をしているところでありますが、高齢者の方にとって雇用の場を確保したいという思いも一方であるというのも事実でありまして、そういう皆さん方の状況、これからもちろん高齢者に対しての雇用の確保の促進を図る、これもまた別の法案ですけれども、政府案が出ているところでありまして、様々な対策を経てこれは高齢者の雇用の確保を図っていくということでありますから、この法律だけで高齢者の雇用の議論をしているわけじゃないということも一方で御理解をいただきたいと、そのように思っております。

○田村智子 何も高齢者に限定して議論をしたつもりはなくて、むしろ若者の使い捨てについて議論をしたつもりだったんですけれども。
 いずれにしても、短期であるからこそ、直接雇用の責任を事業主に求めて、安全管理とか、そういうのをしっかりやらせるということが私は本来求められていると思うんですよね。
 でも、日雇派遣禁止の動きに、ニーズがあるんだってかつて主張して、それやめてくれと一番動いたのは、例えば私の記憶では、引っ越し作業を行う運送業者などは相当に攻勢を掛けていましたよね。作業量に応じてファクス一枚で派遣労働者を日替わりで調達できると。だけど、この引っ越し業務だって、本来は安全教育が必要です。荷物の取扱いも、チームワークで行わなければ、けがも生じるでしょうし、荷物の損傷にもつながりかねませんよ。ニーズがあるからで済ませるようなことでは、私はこれはおかしいと思う。高齢者だってそうですよ。高齢者であればなおのこと、それにふさわしい安全管理が求められるじゃありませんか。
 であるならば、雇用の責任、労働者の安全確保、能力の向上、それから仕事の質にかかわる大きな問題だと、こういう認識で議論をすることが私は求められていると思います。とてもこの修正案、受け入れるわけにはいきません。
 これ、時間がないので、もうちょっと聞きたいところですけれども、みなし雇用についても大切なことなのでお聞きをしたいと思います。
 違法派遣で派遣労働者を受け入れた場合、派遣先企業に直接の雇用責任を求めるというこの規定、これは偽装請負の告発が始まったときから長く切望されてきました。やっと作られる規定なんですね。ですから、これが真に労働者の利益に資するものでなければならないと思います。
 まず、確認をしますが、このみなし雇用の規定から外れる場合として、派遣先が違法派遣であることを知らずに受け入れていた場合には直接雇用の責任を問われないということになっていますけれども、みなし雇用にならないということになっていますけれども、この違法派遣であることを知らずにというのはどういう場合を想定しているのか、お答えください。

○生田正之 派遣・有期労働対策部長 みなし雇用の規定は、改正法の40条の6という条文に書いてございまして、その中で、4つの違法行為があったときに、その違法行為に伴う派遣労働者の受入れの場合に派遣労働者の雇入れの申込みをしたものとみなすということになってございます。
 その場合の例外といたしまして、労働者派遣の役務の提供を受ける者が、その行った行為が次の各号のいずれかの行為に該当することを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときはこの限りではないと、こうなってございまして、この具体的な運用につきましては今後きちんと詰めていきたいと思ってございますし、関係審議会でも御議論いただきたいというふうに考えてございます。

○田村智子 これ、大臣に確認をしたいんですけれども、これ極めて限定的、本当に知りようがない、知り得る条件が全くないというふうに、極めて限定的だと考えてよろしいですね。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 今御答弁したとおり、その内容についてはこれから詰めていきたいと考えているところです。

○田村智子 厚生労働省にお聞きをしましたら、極めて限定的、例えば派遣元が無届けであるということを隠して詐欺的に派遣労働者を送っていたような場合など、そういう極めて限定的だということなので、是非そういう中身になるようにしていただきたいと思います。
 しかし、それでも不十分な点が出てくるんです。というのは、違法派遣であるかどうかで派遣先と労働者との間で争われる事例、これ、今もいっぱいあるわけですね。とりわけ多いのは専門26業務にかかわる事例です。
 これ、例えばですけれども、明らかに一般的な事務であるものを専門26業務として扱って派遣期間の制限を超えて働かせていた場合、これはみなし雇用の対象になるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。明らかに一般的な事務を専門26業務だとして扱った場合です。

○生田正之 派遣・有期労働対策部長 何といいますか、明らかに26業務に該当しない業務というのをどういうふうに判断するかにもよるわけですけれども、個別の事案を見てみないとなかなかお答えが難しいですけれども、もう明確に26業務に該当しない業務であれば、それは、何といいますか、このみなし雇用の対象になってくるという可能性はあると思います。

○田村智子 何だか曖昧な答弁で逆に不安になってくるんですけれども、これは本当にみなし雇用の適用というのがちゃんとなされるのかどうか。
 これ、事業主が専門26業務だと主張し、違法派遣ではないと、こう主張すれば、これ、明らかにと聞いてもそういう御答弁だと、ますますみなし雇用の規定というのが本当に生きていくのかどうかが問われてきちゃうんですね。裁判に訴えて、そして結論が出て、やっとそれは違法派遣だったと認定されて、その人についてはみなし雇用する、大変時間が掛かることになりかねないんですよ。
 本当に求められているのは、裁判ではなくて、労働行政でこうした問題の是正が図られなければ、何のための派遣法の改定なのかが分からないわけですね。そのためには、専門26業務をやはり極めて限定的にするということをやらなかったら、いつまでたってもグレーゾーンで、このみなし雇用の規定というのが生きてこなくなっちゃうわけですよ。真に専門的なスキルや資格を必要とすると、例えば国家資格にかかわるような、そういうものだと、そういうふうにならなければ、これは誰もが納得いくようなそういう業務に限定していかなければ、何年も裁判で争って、それでみなし雇用と。意味がないんですよ。
 専門26業務を限定的にする、これ必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 いわゆる専門26業務の在り方については必要な見直しの検討をまた行いたいと思っていますけれども、違法派遣かどうかなどについて認識が食い違って、みなし効果が発生するかどうかについて争いが生じた場合は、おっしゃったように、裁判に訴えることのほかに、労働局に対して派遣先への助言とか指導、勧告を求めることができます。その労働契約申込みみなし規定の適用に当たっては、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために、労働局や厚生労働省が派遣労働者や派遣先に対していわゆる専門26業務に該当するかどうか、こうした助言を丁寧に行っていくということでやっていきたいと思っています。

○田村智子 労働局の勧告や指導というのが、現実に事業主がこたえないという事例いっぱいあるんですよ。だから法律でちゃんと定めてほしい、専門26業務を限定的にしてほしい、それは当然の要求だと思います。これ検討されなければおかしいということを強く主張したいと思います。
 もう一つ、この救済です。じゃ、みなし雇用でどうなるかなんですけれども、みなし雇用になって直接雇用になった、だけど雇用期間が極めて短いと、これでは労働者の救済にならないと思うんですね。
 私、昨年の予算委員会でも取り上げましたけど、例えば日産自動車、労働局の是正指導を受けて派遣労働者を直接雇用に切り替えた。ところが、全員契約期間は6か月、契約更新は最長2年11か月、それ以上はやらない。これで労働者の皆さん、雇い止めを目の前にしながら働かざるを得ないわけです。キヤノン、偽装請負で大問題になりました。8年間働いていた人が是正指導で直接雇用になったけれども、やっぱり2年11か月で雇い止め。別の大企業でも、5か月の雇用しかしなかった、そんな事例まであります。
 みなし雇用の規定が違法状態で働かされてきた労働者に対する救済措置になるためには、それにふさわしい条件で雇われることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○生田正之 派遣・有期労働対策部長 お答えいたします。
 みなし雇用の条文につきましては、先ほど申しましたように、40条の6に規定がございますように、「その時点において、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者から当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、その時点における当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす。」ということになってございまして、みなし規定自体がその時点の派遣労働者についての労働条件と同じものについて申込みをしたものとみなすというものでございますので、その範囲でみなされるということだと考えてございます。

○田村智子 そうすると、派遣期間が契約が半年だったら半年になっちゃうのかということが疑問として出てくるわけですよ。これは、実態に即してということを衆議院の方での議論では大臣が御答弁なさっていますので、救済措置だということが明確になるような規定を是非やっていかなければならないと、そのことを強く求めたいと思います。
 修正提案者にお聞きをいたします。
 修正案では、みなし雇用の施行は3年先だと。それで、先ほどの議論を聞いていたら、3年先で、いや、みなし雇用って規定はやっぱりきついんじゃないか、要らないんじゃないかという結論があるかのような答弁までされて驚きました。これ3年先に延ばしたら、労働者の救済なんです、救済をそんな先延ばしにするという理由が私は分からない。お答えください。

○岡本充功 衆議院議員 ちょっと冒頭、先ほど私、労働者性の保護と一問目答えたかもしれませんが、労働者の保護です。済みません、訂正させてください。
 その上で、今御指摘がありました今回の修正案で法施行から3年経過後に先延ばししたのは何でだというお話でありますけれども、いつから施行するかというのは様々な議論がありますけれども、やはり労働者の意見それから使用者側の意見を聞きながら、それはおのずと法律で決めていくと、こういうことだろうと思っています。
 確かに、できるだけ早く施行してほしいという労働者の皆さんの声があるのも承知をしていますし、一方で、これについてきちっと周知徹底をしてほしいということ、この規定が適用されることについて一定程度の懸念を示している経営側もいらっしゃるという中で、今回この法案の修正を図って成立をさせるということにまず意義があると考えて私はこの修正を提案をしたところでございます。

○田村智子 政府案が半年と言っていることは、厚生労働省は半年で周知できるというふうに言っているわけですよ。
 私ね、これ本当に遅きに失しているんです、今も。何でそう言うかというと、派遣切りの裁判を闘っている労働者の多くは偽装請負から派遣になって使い捨てられているんです。ソニー仙台テクノロジー、被災を理由とした非正規切り、これ今も闘い続けている労働者いらっしゃいます。この方々も偽装請負から派遣になって、そして有期の直接雇用になってという経過をたどっている。偽装請負が是正されたときに正規雇用とか、少なくとも期限の定めのない雇用になるように、みなし雇用のこういう法制度というのがあれば派遣切りや被災地での非正規切りなんというのは起こらなかったんじゃないのか。それを更に先延べするなんというのは本当に許し難いことだというふうに言わなければなりません。
 人間らしい雇用を保障する、使い捨て雇用を厳しく是正する、これを企業の目先の利益に左右されて棚上げしていたら、日本は雇用破壊からもデフレからも抜け出すことできない、社会保障の土台も崩しかねない、そういう議論を私はこの厚生労働委員会でもっとやるべきだったと思います。
 先ほど与党の皆さん、賛成される方からはニーズ論というのがありました。それから、仕事がなくなっちゃうという議論もありました。だったら、若い労働者呼んできたり、非正規を選んでいる若者が多いって調査があるんだったら、そういう人たちが何でそういうふうに選ぶのかということを委員会で参考人で来てもらって意見聴いて、これからの日本の雇用の在り方どうするのか、みんなで議論すればよかったと思いますよ。仕事がなくなっちゃう、海外に逃げちゃう。それじゃ、リーマン・ショック後も名立たる大企業、内部留保をどんどん積み増してますよ。役員報酬でいえば、役員報酬の額、増えてますよ。それを人件費に充てて正規雇用を増やすということが本当にできないのかどうか。日本経団連や企業の人に来てもらって意見聴いて議論するというのが私は厚生労働委員会の役割だと思う。
 本当にこんな拙速なやり方には改めて強く抗議をし、こんな法案は通すべきじゃないと申し上げて、質問を終わります。

派遣労働法「改正」法案への反対討論

○田村智子 日本共産党の田村智子です。
 政府提出の労働者派遣法の一部改正案及び三党提出の修正案に反対の討論を行います。
 政府提出の法案は、提出から2年近くたなざらしにされた挙げ句、衆議院での突然の修正協議によって、昨年末、一気に成立が狙われたものです。であるならば、参議院での審議は、政府案、修正案について徹底した審議を行わなければならないはずでした。衆議院審議にも満たない四時間の審議での採決は、拙速と言わざるを得ません。
 政府提出の法案は、製造業務派遣、登録型派遣の原則禁止と言いながら、派遣労働者の大半を占める常用型や専門26業務を対象外とするなど、極めて不十分な内容です。民主党は国民に対し、原則として製造現場への派遣を禁止する、派遣労働者の雇用の安定を図ることを公約として掲げ政権に就いたのであり、これは明らかな公約違反です。政府法案提出以降、派遣切りを二度と許さないための抜本修正を求める声が沸き上がっていましたが、この声にこたえず、民主党自らが、自民、公明との合意により、原則禁止条項そのものを法案から削除するなど、どうして許されるでしょうか。
 加えて、修正案は、製造業務派遣や登録型派遣の原則禁止を削除し、日雇派遣の禁止さえ緩和する、違法派遣の場合の派遣先の雇用申込みみなし規定の施行を3年先延ばしするなど、政府案の僅かな規制の根幹部分への重大な改悪まで行っているものであり、断固反対するものです。
 現在も、派遣切りに遭った多くの労働者が、その撤回を求める裁判を闘っています。こうした事態を二度と繰り返さないためには、製造業派遣、登録型派遣の原則禁止、違法行為の場合の派遣先へのみなし雇用制は期限の定めのない直接雇用とすること、日雇派遣の全面禁止、正社員との均等待遇などの抜本改定こそ求められています。
 目先の利益を最優先させ人間の物扱いを繰り返す、こうした企業に法制度によって社会的責任を果たさせることこそ労働行政と本委員会の役割である、そのことを重ねて申し上げ、反対討論を終わります。