日本共産党 田村智子
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【12.06.19】厚生労働委員会� 宗醜駑�・労災病院への給与削減介入はやめるべき

被災地の病院職員の怒り・要求をつきつける

○田村智子 震災復興財源の確保を理由に、人事院勧告も無視した国家公務員の給与の大幅削減が強行されました。この法案が成立をしてからすぐに、政府は独立行政法人についても同様に職員給与を見直すよう要請したと聞いています。さらに、5月11日の閣僚懇談会では、岡田副総理が独立行政法人等の中にはなお対応が遅れていると見受けられるものがあると発言し、財務大臣からは、運営費交付金等で人件費が賄われている独法については人件費マイナス分の交付金を減額する、それ以外の独法についても給与削減して国に納付してほしいという発言がありました。
 厚生労働省は、国立病院や労災病院等の医療機関に対して職員給与の引下げを行うよう要請したのかどうか、まず確認します。

○二川一男 大臣官房総括審議官 独立行政法人への給与削減要請についてのお尋ねでございます。
 厚生労働省としては、平成24年3月6日付けの総務省行政管理局長からの事務連絡により要請を受けまして、平成24年3月に国立病院機構や労働者健康福祉機構など所管の独立行政法人に対しまして、国家公務員の給与削減の動向を見つつ、役職員の給与について必要な措置を講じるよう要請したところでございます。

○田村智子 この独立行政法人の医療機関には病院職員の人件費に充てる交付金は1円も出ていません。それでは、職員給与の引下げを要請して、その額を国に納めろということなんですか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 委員が御指摘のとおり、国立病院機構等については、一部を除いてその人件費は病院の自己収入から拠出をされています。一方、政府の方針として、人件費の見直しは、その財源が運営費交付金であるか否かにかかわらず、独立行政法人を含む公的部門全体で取り組む必要があるとされています。このため、国立病院や労災病院等に対しても、この政府の方針に沿って国家公務員の給与削減と同様の措置を要請をしています。

○田村智子 全く道理のない要請なんですよね。
 具体的に聞きます。労災病院取り上げます。
 全国労災病院労働組合と労働者健康福祉機構との基本的協定は、職員給与は人事院勧告に準拠しないとしています。病院の業績や経営状況、医師、看護師の人材確保などを組合と機構が話し合って、職員給与を合意の上で決めています。
 ところが現在、機構は、既に協定で定めた給与をほごにする新たな提案を行っています。昨年度の給与を遡って平均0・23%引き下げる。今年4月から3年間、給与は平均7・8%引き下げる。3月に強行された国家公務員の給与引下げそのものの提案です。
 この提案を労働組合側に示した5月17日付けの労働者健康福祉機構の文書がここにあります。そこに何と書いてあるか。厚生労働省労働基準局長から理事長に対して、早急に労使交渉を進め、政府の方針を踏まえた適切な対応を図るよう直接要請がなされた、こう書いてあるんです。
 労働基準法の施行に責任を持つ労働基準局長が、労働基準法に基づいて労使協定を結んでいる労災病院に対して、協定を無視した給与の引下げを直接要請したということですか。

○金子順一 労働基準局長 5月の17日に厚生労働省におきまして会議がございまして、その会議に労働者健康福祉機構の理事長も出席をするということでございましたので、その機会に、給与の改定につきまして、政府全体の方針を改めて伝えまして、必要な措置をとるよう要請をしたものでございます。

○田村智子 聞いていて情けなくなる答弁ですが、一般論としてそれではお聞きします。
 ある会社、A社としましょう、A社が労使で給与を決定した。ところが、親会社から給与引下げの圧力が掛かり、A社が一旦決まった給与を引き下げたいと提案し、労働者側の納得のないままに引下げが強行された。こういう場合、労働組合はそれを不当だとして地労委などで争うことができると思いますが、いかがですか。

○中野雅之 大臣官房政策統括官 個別の事案についてではなく一般論として申し上げますが、使用者が労働条件を引き下げるために労働協約を変更することを提案すること、また労働組合法に定める手続に沿って有効期間の定めがない労働契約を解約することにつきましては、その過程で使用者が誠実な交渉を行わない場合などの特段の事情がない限りは、これらの提案又は解約自体が直ちに不当労働行為に該当することは通常はないものと考えます。

○田村智子 私は誠実な交渉を経ないで一方的に引き下げた場合とお聞きしましたので、当然地労委で争うことができるということです。
 労使紛争の火種を厚生労働省が押し付けているのと同じだと、こういう自覚を持っていただきたいと思うんですね。何も私は労働基準局長個人の問題にするつもりはありません。政府の方針で医政局長も国立病院機構に直接の要請をしたと、こう聞いています。まさに政府を挙げて独立行政法人に圧力を掛け、事実上、労使の協定に介入をしているということです。
 これまでも、独立行政法人の人件費削減の方針、人事院勧告のマイナス改定の影響を受けて、各医療機関での給与引下げは繰り返されてきました。労災病院でも既に7%もの減額になったという職員がいます。
 全国労災病院組合が昨年、一時金引下げ提案を不当だとして地労委に訴えた、そのときの陳述書、これは是非厚生労働省の皆さんに目を通していただきたいと思います。一部を私、紹介をいたします。
 福島県いわき市にある福島労災病院看護師の伊藤みよ子さんの陳述書、抜粋して読み上げます。
 「自分の家が流されたと言って半狂乱になる患者もいました。海の近くに家があり、家族の安否を確認しようにも、電話も通じず、職場を離れることもできなかった職員もいました。2、3日が過ぎてから、肉親を亡くしながら仕事に没頭していた職員がいたことも分かりました。本当に職員全員が必死に働きました。自分自身の危険など誰も考えず、まず患者のことを考えました。
 原発事故が起こってから、福島県内は大パニックになりました。私たちは逃げなくてもいいのだろうかと大きな不安を抱えたまま、医師はほぼ全員待機態勢を取り、看護師は病院に泊まり込みました。多くのスタッフが放射能汚染に大きな不安を抱いています。特に子供がいるスタッフは、子供の将来はどうなるのかと思いつつ、不安を押し殺しながら働いています。私たちは、今、医療労働者としての誇りと使命感に支えられて働いているのです。
 今回の一時金の大幅削減で私たちの専門職としての誇りが本当に傷つけられたように思いました。機構はこれまでに何度も何度も私たちの賃金を引き下げてきました。私たちの賃金を幾らむしり取ればいいのでしょうか。」
 これ昨年。今年は政府が自ら給与の引下げを押し付けている。今回の給与削減は復興のためというのが口実になっています。そう言いながら、被災した国立病院や労災病院などの職員にも、また全国から被災地支援に駆け付けた病院職員にも政府が給与の引下げを押し付ける。
 大臣、どう思われますか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 東日本大震災の際に、本当に医療従事者の皆さんが被災地の医療支援活動に積極的に従事をしていただいた。その中には国立病院機構ですとか労働者健康福祉機構の方たちもいらっしゃるということに対しては心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 ただ一方で、先ほど申し上げたように、政府としては人件費の見直しは独法も含めた公的部門全体で取り組む必要があるという方針の下に取り組んでいますので、国立病院機構や労働者健康福祉機構などに対しても国家公務員の給与見直しの動向を見ながら必要な措置を講ずるように要請をしています。

○田村智子 もう感謝という言葉が空疎に聞こえてきます。
 独立行政法人の病院で労働条件が後退したら医師、看護師の確保が一層に困難になる、そのことを各病院が大変危惧をしています。
 昨年、公務員給与大幅削減の方針が決定された直後、2011年5月24日、全国国立病院協議会合同会議議長、全国国立病院院長協議会会長、各地域ブロックの担当理事が連名で要望書を厚生労働大臣に提出をしています。「経営努力の積み重ねの中で黒字が出ているにもかかわらず、給与が削減されることは職員にも説明ができず、素直には受け入れられない。」、明記されています。
 加えて、この要望書には、一般病院の入院患者100人当たりの職員数を開設者別にまとめた資料が添付をされていました。その資料によれば、医師の数、都道府県立病院23・9人に対して国立病院機構は13・4人、看護師は同じく100・6人に対して76・4人、医療技術職員は25・7人に対して14・0、事務職員も都道府県立病院が12・1人に対して国立病院は9・1と。医師、看護師を始め職員の確保に格段の努力をしなければならない、これが現状だと思います。
 厚生労働省もそのことを自覚をし、その努力をしなければならないと思っていると思うんですけれども、いかがですか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 今委員がおっしゃいましたように、国立病院機構や労働者健康福祉機構でも医師や看護師などの人材確保に懸命に努力をされているということは聞いています。そして、昨日ですけれども、両法人の理事長と私、直接お会いをいたしました。そして、理事長たちからも、医師や看護師などの人材の確保が難しいということ、医師などの負担軽減に大変苦慮しているというお話は直接伺っています。
 そのことは理解をした上で、繰り返しになりますけれども、国家公務員の給与見直しの動向を見ながら必要な措置を独法もとるようにということでございますので、昨日、両法人の理事長と面会した際にも改めて私の方からその趣旨で要請をいたしました。

○田村智子 大臣、言う相手が間違っていると思うんですよ、本当に。
 給与の引下げがこんな形でもしも強行されれば新規募集は本当に困難になるでしょう。過労状態になりながらどうにか踏みとどまっている、そういう職員の皆さんがモチベーションを保てずに職場を去っていきますよ。こういう事態が広がるということは容易に想像できる。大体、頑張って働いても努力が評価されない、そして上から、政府からいわれなき口出しで給与が下げられる、そんな職場で働きたいと思う人がいるのかどうか、そういう事態だと思います。そうなれば救急医療、災害医療、政策医療、これ地域で担ってきた医療機関で医療体制が大きく後退して、これは国民の命と健康にかかわる事態だと思うんですね。
 国立病院機構、労働者健康福祉機構、そして六つのナショナルセンターを代表して国立長寿医療研究センターの理事長さん、昨日大臣にお会いになったと。それで、人件費は人材確保から見て下げるのは難しいと言ったと。
 つまり、労働組合も使用者側も、これは協定を破棄して新しいものを、給与の引下げをやるということはできないと言っているんですよ。そこに更なる要請するというのは、もう介入以外の何物でもありません。介入以外の何物でもない。もうこれ以上労使の自主的な協議に介入すべきじゃない。労使の自主的な協議を尊重する。
 そもそも、独立行政法人に人事院勧告で見直し求めたときも、自主的協議でというふうに書いているんですよね、自主的協議で。せめて自主的協議を尊重する、大臣、お約束ください。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 独立行政法人は自律的、自主的な労使関係の中で運営をされるという趣旨はよく承知をしています。
 今回私どもが要請をしたことを受けて各法人で検討が行われていますが、政府の方針が公的部門全体で人件費削減に取り組むということ、この趣旨を労使で十分御理解いただいて対応していただくことを期待したいというふうに思います。

○田村智子 申し訳ないですけれども、厚生労働大臣をやっておられる資格があるんだろうかと私は率直に言わなければならないと思います。
 これは、言う相手が違うと言ったのは、財務大臣とかに言うべきですよ。病院がこうだと、現場からもこういう声が来ていると、そのことをやっぱり真面目に真剣に考えていただかなければいけないなと本当に思いますし、先ほど言われたとおり、独立行政法人は自主的、自律的運営です。そうするために国から切り離したんです。介入はすべきじゃない、改めて言いますし、もしも更なる介入が行われればもっと事は大ごとになるということを私は警告しておきたいと思います。

経済的な理由での健康格差を厚労省の研究班が報告

○田村智子 残った時間で、医療費の負担についても今日は質問したいと思っています。
 昨年、私は、所得格差が健康格差をもたらしていると、こういう問題をこの委員会の中で取り上げました。昨年発表されました、国立保健医療科学院口腔保健情報室長安藤雄一氏を研究代表者とする歯科疾患等の需要予測および患者等の需要に基づく適正な歯科医師数に関する研究、報告書が出されました。今日、その中の一部を抜粋したコピーをお配りをしています。
 この中でも、実は同様の分析がされています。母数三千五百件を超える調査を基にして、口腔状態と等価家計支出との関連を分析し、成人においては等価家計支出の低い層の現在歯数が少ない、つまり残っている歯が少ないということですね、それから未処置の歯の数が多い、補綴されていない人が多い、こういう結果が得られたとしているんです。また、経済的な理由による受診回避が未処置状態の放置など歯の喪失リスクを高め歯の喪失が更に進むといった悪循環が生じている可能性が示唆されたと、こういうふうにも述べています。
 ここに挙げたグラフを見ていただいても、年齢が上がるごとに等価家計支出が少ない、つまりこれは収入が少ないという方でしょう、そういう方の残っている歯の数が本当に少なくなっている。格差が生まれているということがよく分かると思います。
 このように、経済的な要因で健康状態に格差が生じていると。これは厚労省の研究班の調査でも報告がまとめられた。大臣、このことについて見解を伺いたいと思います。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 医療保険制度は、医療を受ける人と受けない人との公平ですとか適正な受診を確保する観点から定率の一部負担を設けていますが、医療を受ける機会が多い高齢者については、負担軽減の観点から患者負担を1割負担としているところです。
 御指摘の研究では、特に高齢者で経済的に恵まれていない層で歯の健康状態が悪かったり歯科医療機関への受診率が低いという研究結果となっていましたが、医療保険制度では、例えば70歳以上の低所得者の人には、外来受診について入院受診に比べて高額療養費の自己負担の上限額を低く設定をして患者負担に一定の歯止めを掛けています。
 医療保険制度の中では、必要な財源は保険料、公費、患者負担のいずれかで確保しなければならないので、ある程度患者負担をお願いをする、これはやむを得ないことだというふうに考えています。

○田村智子 今70歳以上のところの配慮で高額療養費と言いましたけれども、歯科で、歯の治療でそれに当たるという方はまずいないでしょう。
 それで、実際にこの歯の状態が、これだけ歯の数が減っている、そしゃくに影響が出てくる、全身の健康状態悪くなる、こういうことももうずっと言われているわけですから、こうした報告をやっぱり真摯に真っすぐ受け止めていただいて、やはり低所得者への医療費の窓口負担軽減をどうしていくのかということをこれ是非検討していただきたいと思っています。
 国民健康保険法第44条は、この窓口負担、一部負担金の減額、免除を定めていて、ようやく国も2010年から、この44条に基づいて、低所得者に入院の一部負担金を減免した場合にはその保険者の負担を特別調整交付金の対象とすると、国もこの減額、免除について一定のお金を出すと、こういう措置がとられました。これによって、低所得を理由とする一部負担金減免、こういう制度を定めた保険者は増えました。しかし、その数は、1723保険者のうち僅か190。また、収入要件で通院の窓口負担を軽減する、こういう自治体、保険者というのはまだ極めて少数です。44条減免の制度が更に広げていくことが求められていると思いますし、そのためには、国の基準も更に拡充をして、通院の一部負担金についても収入要件での減額、免除の対象としていく、こういうことが必要だと思います。
 今の保険者の中で広がっている低所得を理由としたこの減免制度、この現状をどうお考えになるか、また、国の更なる施策が必要だと思うんですけれども、その辺の見解を、大臣、お願いします。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 今回の一体改革の中でも、低所得者の方にはいろいろな措置を考えています。今、これから先は全体の、仕組みごとではなくて、全体の総合合算制度とか、そうしたことも考えたいというふうに思っています。
 ただ、さっき申し上げたように、とにかく負担は保険料か公費か患者負担しかないので、やはり高齢な方などでも自己負担をある程度していただかなければいけないということは事実ですので、そうした中でどのようにしたら本当に低所得者の方に必要な医療が受けられるようにできるか、それを今研究会もつくって低所得者の皆様への対応を検討していますので、その中でまた検討させていただきたいと思います。

○田村智子 患者の健康と国民の健康、そして、医療現場での医療の充実に厚生労働省がちゃんとした責任を果たすよう求めて、質問を終わります。