日本共産党 田村智子
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【14.06.05】 愛知・静岡 地方教育行政法改正法案 地方公聴会

愛知公聴会
公述人
愛知県東海市長 鈴木淳雄氏
岐阜県教育委員会教育長 松川禮子氏
元名古屋市立小中学校長会会長・元名古屋市教育委員会委員長 神谷龍彦氏
愛知県小中学校長会長・岡崎市立井田小学校長 岡田豊氏

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。今日は本当にありがとうございます。
 まず、岡田公述人にお聞きします。先ほどの意見陳述の中で、責任の所在は法的には明確だと。私は、この御指摘は全くそのとおりだと思っておりまして、教育に関する事務の執行は教育委員会全体が責任を負っていて、教育長というのは委任によって事務の執行の第一義的責任を負う。これは法案でも変わらないということを考えてみても、なぜこういう改革になってしまうのかなということを私も大変疑問にこの法案については感じているところなんです。
 お聞きしたいのは、それでは本当に求められる教育委員会の改革とはどういうものなのかということなんです。大きな話でなくていいんです、学校の現場が求める教育委員会の改革とはどういうものか。
 というふうにお聞きしますのは、この間の教育改革の中身がかなりトップダウンという形でずっと行われてきたように感じます。それは、教育という分野だけではなくて、今研究をどうしていこうかとか、産業競争力どう付けていこうか、あるいは子供に関わることも人材づくりという名前で、トップダウンの改革案というのが矢継ぎ早に今もどんどん提案をされているところなんですね。しかし、本当に学校現場が求めるのはボトムアップ型の改革ではないのかなという問題意識を持っています。
 校長先生も経験をされて、学校の側から見て教育委員会はこういう改革が必要じゃないかという御提言をいただければと思います。

○公述人(岡田豊君) 全くそのとおりでございまして、是非、現場の声を吸い上げられるようなシステムにしていただきたい。これはもう教員もそうでありますし、それから保護者や地域の方々が求めるその地域の教育はどういうものなのかというようなこと、これは全国一律に全てが同じものではないわけでございますので、その地域に必要なもの、求められるものは何かということを是非声が届くような、そういう委員会制度にしていただきたいというふうに思っています。
 総合教育会議が首長さん主宰をしてやられるということでありますけれども、そういったものが、権限やあるいはシステムについて具体的なところは私も分かりませんけれども、是非そういったものを、どういう形でも結構でありますので、声が吸い上げられるような、実のあるそういう会議にしていただきたいというふうに思っています。

○田村智子君 神谷公述人に次にお聞きしたいんですけれども、今度は教育委員会の側から見てということでお聞きをしたいんです。
 私は、今度の法案の中で、教育委員の皆さんの活動が活性化していくような中身というのはちょっと読み取ることができないんですね。質問を先日行いましたら、議事録の公開がそれに当たるんだということが言われたんですが、それは、議事録を公開して住民への説明責任という意味では確かに改革の一つだろうとは思うのですが、今様々に教育委員の皆さんも自分のお仕事も持ちながらの活動、だけど、学校現場で様々な問題への確かに迅速な対応を求められている。そういうときに、教育委員の皆さんの活動を活性化する、支援する、そのための条件整備であるとか予算であるとか、そのほかでもいいんですけど、こんな改革が必要ではないだろうかという御意見がございましたら、また、法案の中にも、いや、それに役立つのを自分は読み取ったよというところがもしもあれば、そのことについてもお聞きしたいと思います。

○公述人(神谷龍彦君) 非常に難しい質問だというふうに思います。
 率直に言って、教育委員は非常勤であります。そういう中で、非常勤の教育委員がその活性化を行うということについては、今のままの制度上では非常に難しいことではないかと。
 そうなりますと、やっぱり選ぶときにそういう資質のある方を選び、そして、あとはその教育委員さんが学校にどう目を向くかということが一つの大事な要素ではないかなと思います。
 簡単に言いますと、例えば昨日、名古屋の愛教大附属小学校の発表会がございました。そのときに名古屋の教育委員さん、教育委員長と、あと弁護士さん、それから商売をしてみえる委員さん、三人がその附属小学校の発表会に出てみえました。そういうことをしながら、やっぱり現場の様子をしっかり捉えるような少しでも方策を考えるということが今重要ではないかなというふうに思ってはおります。
 以上です。

○田村智子君 ありがとうございます。
 次に、ちょっと法案の中身にも関わることでお聞きしたいんですけれども、先ほど皆さんから、法案に対して評価をいただいている方からも、総合教育会議とこの大綱が、どこまで協議、調整事項がその中に入ってくるのかということについて懸念の意見が表明されたというふうに理解をいたしました。
 そこで、松川公述人には是非お答えいただきたくて、ほかの方も御意見ありましたらちょっと挙手いただいてお答えを時間の中でいただけたらと思うんですけれども、私、やっぱり予算であるとか条例提案というのは確かに知事さん、首長さんなど長の権限に属することで、そのことを総合教育会議の中で教育委員の皆さんと一緒に協議をする、これはとてもある意味大切なことだというふうには私も思うんです、必要なことでもあろうというふうに思うんですね。
 ただ、問題になるのは、皆さん懸念を表明されたのは、教育委員会の権限に関わることが果たしてどこまで協議の対象となり、それが大綱にどのように書き込まれていくのかというところでの懸念だというふうに思うんですね。
 例えば、この間いろんな自治体で問題になっているような事例を挙げても、どのような教科書や教材を使用するのかということとか体験学習や修学旅行の在り方とか、東海市がとてもうまくいっているというのは理解の上でなんです、ほかの自治体で、そこに対して、こういうところに行くのはいかがなものかというような議会の中での追及が行われているような県があるわけですね、そういうこととか、あるいは学力テストの扱いをどうするかと。こういう言わば教育委員会に、まさに法律によってそれが教育委員会の権限であると定められていることが、長が主宰する総合教育会議の中で長がどのように提案するのか、どう協議するのか、大綱にどう書き込まれるのか、ここが非常に焦点になってくるというふうに思うんです。
 この点について御意見あるいは懸念に思われていること、こういう歯止めが必要じゃないかというようなことなど、松川公述人、皆さん、ちょっとお答えいただければと思います。

○公述人(松川禮子君) 委員が御懸念の教科書問題だとか、それから人事に関しては、改正後も教育委員会の専権事項というふうになっております。
 ただ、総合教育会議の詳細な運用方針というのははっきりしていなくて、まず、会議自体をどの程度の頻度開催するのかというような問題もありまして、緊急の場合を除いて定例会をどのくらいやるのかということ、それから、調整、協議を図る重点的に講ずべき施策については、耐震化の推進とか教職員の定数改善というような例が示されているのにすぎないわけでして、重点的に講ずべき施策というのは何でもありといえばありにも取られるわけで、どこまでその調整、協議を図るかは首長の判断によるわけです、首長が主宰するわけですので。そこら辺の詳細な運用方針が不明確であるというのは課題であると思います。
 それから、大綱というのがどの程度の内容が、先ほども岐阜県で申しましたような教育振興基本計画と同じものなのか、また違うものなのかという問題点もあります。
 それから、もう一つ非常に問題だと思うのは、総合教育会議は原則公開でありまして、個人の秘密を保つ必要があると認める場合はその限りでないというふうに言われているわけですが、いじめ問題など個人に関わる案件を協議する場合はどの段階で非公開にするのかというのはなかなか微妙な問題で、これは詳細な基準ができないと各自治体でやっぱり混乱する可能性があるという意味で、なかなか総合教育会議というのは、教育委員会と首長との連携をもっと密にするという意味では私は評価しておりますけれども、実際の運用についてはまだ不明な点が非常にあるということで、仮に、法案が通ってから予定されている施行日まで余り日数がないわけでございまして、その間にその辺がどのくらい詰められるのかというのは、私は大きな課題だなというふうに認識しているところでございます。

○公述人(鈴木淳雄君) 先ほどの陳述のときにもお話をさせていただいたように、この法律が施行されるまでにどういうことをするかというルール決めを一つ出していただかないと、なかなか地方の方で混乱するんじゃないかなと。
 もし、私どもの方にまだそのルールがされないというふうであった場合、私がこれ今思っておりますのは、やはり政治的中立性の問題を含めて、教育委員会の権限の三号から六号は、ちょっと国のルールが決まらなかった場合にはそれは除いてやろうというふうに思っております。

○団長(丸山和也君) ほかの公述人、御意見ありますでしょうか。特にないようでしたら、田村先生。

○田村智子君 最後にもう一問だけお聞きしてもよろしいですか。
 鈴木参考人にもう一問だけお聞きしたいんですけれども、私たち、資料で東海市の学校教育の基本方針というのをいただいています。
 私、文部科学省に聞きましたら、大綱というのは知事が主宰をして知事にその決定の権限があるので、案を作るのは、法律上は、知事とか市長さんですね、知事や市長の事務局の側になるだろうというんですね。恐らく、この教育の基本方針というのは、教育委員会の事務局の側が案を作り、教育委員会の中で検討をされ、市長さんともすり合わせを行ったんじゃないかというように思うんですけれども、この大綱は市長や知事の事務局が案を示すということについてはどのようにお考えになられますか。

○公述人(鈴木淳雄君) 今の内容は、これはまだ法の前ですから教育委員会が作ったもので、私どもの方が関与しておるものではありません。
 これからこの大綱をどう作っていくかということも、この法律が通って内容的なものも施行令や何かで出てくるというふうに思っておりますので、早くやっぱり、私は総合教育会議はすばらしいというふうに思っておりますので、これが上手に運用できるような内容をきっちり政令なりいろいろなもので決めていただきたいというふうに思います。

○田村智子君 ありがとうございました。

静岡公聴会

公述人
静岡県教育委員会委員・前静岡文化芸術大学理事 興直孝氏
静岡大学大学院教育学研究科教授 武井敦史氏
静岡大学教育学部教授 梅澤収氏


○田村智子君 日本共産党の田村智子です。大変長時間になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、興公述人にお聞きします。
 教育委員会と教育長の関係についてお聞きしたいんですが、先ほど、良い緊張感を持ってと、事務局に教育委員の側も意見を言い提案もすると、こういう緊張感を持った関係が必要なんだということで、私もそのとおりだと思います。いただいたレジュメの中でも、そのためにもやはり教育委員会の教育長への指導監督と業務点検、評価は重要だということが書かれています。
 この点で、私はちょっと法案に疑問があるのは、やはり教育委員会が教育長への指揮監督権限を持つという、この条文がなくなるということなんですね。それで、これがなくなって、じゃ、どうやって指導監督がこの条文の中で残るだろうかと思って読んでみると、現行法で言うと二十七条、改正法で言うと二十六条でしょうか、教育委員会の担っている事務、これの点検、評価、そして報告、これをまとめると。その中で教育長に委任した事務についても点検、評価を行うというふうに読むことになるんですが、これは議会に報告をまとめるためのものでもある。そうすると、教育長に対するチェック機能、指揮監督というのは、法制度上やはりどう担保していくかというのが一つの課題になると思いますが、御意見をお願いします。

○公述人(興直孝君) 今、田村委員から御指摘されましたのは、私自身も、果たしていわゆる現行法第二十七条、改正法の第二十六条の意義は何だろうかというふうに思っていた次第でございます。
 強いて第二十六条がそのまま残った理由は、今委員おっしゃられましたように、教育長に委任した事項を含むと、こういう規定されてございますので、少なくとも委任した事項については一切教育委員会として承知し得ないことだと、その問題について点検、評価することは当然必要なことだろうと思われます。
 では、それ以外の事項について果たして教育委員会が、教育委員が実効性あるような点検、評価が可能なのかどうかと。そういう点については、場合によっては、私はここのところは全部削除してもあるいは法律的には意味を持つのではないかというふうに考えたこともございます。ただし、点検、評価を必要とするかしないかの問題は、誰がする、しないは別として、教育政策を明らかにしていく取組は絶対必要でございます。
 そういうふうな意味で、教育の成果を教育委員会として承知をする仕組みが重要なのであって、これから変わる第二十六条の趣旨は、教育長を指揮監督する観点ではなくて、所掌事務を預かっている教育委員会として教育の実態を掌握をして、それに対する取組を県民の前に知らしめることが、知っていただくことが大事だ、そのステップとしては当然議会に報告をするわけでございます。
 私、そのレジュメの方にも書かせていただきましたが、個別事項の集合体系として点検、評価がある、そういう実態であるとしたら、教育の実を掌握できるシステムにはなり切っていない、このように思ってございまして、今、最後にまとめました五、五ページ、六ページのところは、現行法体系を前提として書いたのであって、それを少なくとも明確に執行することによってこれからの新法体系に生かされてくるだろうと、こう書きました。
 それで、今委員がおっしゃられました教育委員会の教育長への指揮監督という機能は、権限はなくなるわけでございますので、そうしますと、教育長が教育委員長として全体を総括する立場、強いて言えば合議制の委員会であると。その場合に、果たして教育委員が高い観点から教育行政を総括できるかどうかが問われるだろうと思います。そのためには、教育委員の質の向上が不可欠であって、そういう観点から、教育委員が、先ほど私申し上げましたが、場合によっては、従来、教育長が期待されていた審議におけるいわゆる助言機能、そういうものを大所高所からいろんな問題を提起できるポテンシャルが教育委員に具備されなきゃいけない。そういう観点から適切な執行ができるようにすること、そこのポイントがまずあって、その上で業務の点検が総括をすることによってどこが弱いのかというふうなことを顕在化させることだろうと思います。
 よく静岡県が、知事が先ほど来おっしゃいましたが、二百七十名ぐらいの教員の方々が指導主事として内局にいらっしゃいます。その方々を現場に戻すことだけが政策的によく言われますが、それは私は結果であって、大事なのは現場の教育の実態が何であるかを明らかにして、そのために必要な措置を顕在化させることであると。それが結果として多くの指導主事が現場に戻るようなことにつながってくるだろうと思います。そういう意味で、指導主事も、充て指導主事は実際は現場の負担の下で充て指導主事を充てているわけでございますので、そういう意味で現場を重視した取組を教育委員会が行えるかどうかがこれからのポイントになってくるだろうと思っています。
 以上でございます。

○田村智子君 ありがとうございました。
 川勝公述人に、せっかく静岡での公聴会ですので、学力テストをめぐることについてお聞きしたいと思います。
 私も、いただいた資料も読みまして、一つどうしても疑問に思うのは、最初、最下位百人の校長名を発表するぞというふうにおっしゃられた。それで、結果として何日か後に八十六人の平均点以上の校長さんのお名前を発表されたと。こういうことが、教育委員会との協議、調整がどのように行われた上でのことなのかということをお聞きしたいと思います。

○公述人(川勝平太君) 御質問ありがとうございました。
 八月の末に新聞で全国学力テスト最下位が出まして、そのデータを、教育委員会と協議をして、いただきたいと言ったところ、ずっといただけないまま、まだ文科省にそのデータがあるということだったわけですね。
 そして、それから十日余りたった記者会見の席で、そこにたまたま教育委員会の事務局の方がいらっしゃいましたので、これはいつそのデータがありますかというふうに聞きましたらば、九月中旬に入ってくるということだったわけです。それで、それじゃ、九月中旬までまだないということですというふうに記者会見で答えましたところ、記者会見にいた記者の方たちが文科省にお問い合わせになったところ、既に八月の末にはデータは静岡県に差し上げていたということになったわけです。
 では、どうしてうそをつかれたのかということになります。
 したがって、これは不分明ではありますけれども、私は、この時点で、教育委員会の、いわゆる五人の先生、六人の委員の方々とは別に、教育委員会事務局というのはこれみんな先生方が基本的に業務を仕切っている、先生上がりの方たちが仕切っておられますので、やはりなかなか中をかばうというふうなことがあって、恥ずかしいデータはなかなか出さないということだったので。しかし、責任は誰にあるのかということはやっぱり明確にしないといけないと一貫して思っておりました。
 そして、全国学力テストが最下位になった後、慌てたのは教育委員会事務局です。つまり、先生方が慌てたんです。子供は慌てていません。そして、いろいろな施策を講じられて、また受けるとお決めになったのも教育委員会事務局です、あるいは教育委員会です。したがって、これは子供ではないんですよ。子供の能力を上げることを仕事にしているのが先生ですから。したがって、先生に責任があるのだというふうなことを明確にするために、小学校の場合ですから、これは特定の科目を教えているのが小学校の先生ではありません、音楽とか体育を除けば。したがって、全体を取り仕切られている校長先生に今回の子供の成績が下であることの責任があると、そのことを明確にするために。
 ところが、それが学校名と同じだというふうに言われたんですが、学校名も、それから校長名も、四月の人事異動、全部、全国どこでもそうですが、発表されています。それほどに学校の先生というのは公共的存在であります。そういう意味におきまして、私は校長先生の名前を発表する。ただ、平均点以下がもう八〇%以上でございましたので、発表してもそれは意味がないということから、私はいかに上の者が少ないかということで上位の百弱の校長先生の名前を発表したと。趣旨は同じです。

○田村智子君 そうしますと、教育委員会との協議や調整を行ったのではなくて、知事としての権限で子供たちのためにということで行ったということだと思うんですが、それでは、これから総合教育会議というのは、まさに知事さんや市長さんたちの権限に属することと教育委員会の権限に属することとが、どのように協議をされてどのように調整されるかということが大きな焦点になってくるというふうに思うんですね。そうすると、この法律が施行された場合には、このように学力テストをどう取り扱うかというのは率直に申し上げますと法的には首長さんに権限のないものであって、むしろ教育委員会の権限に属するものだと、法律的には私は明確に分かれているというふうに理解をするんですね。
 そうすると、今度は総合教育会議で、やはり学力テストについての取扱いはこうしたいんだということを知事さんの方から、いや、いわゆる知事さんの権限にはないことについても総合教育会議には提案をし、そのことについて協議をするというお考えでしょうか。

○公述人(川勝平太君) 法律に触れるようなことはいたしません。

○田村智子君 ちょっと聞き方がいけなかったですね。
 総合教育会議では、市長さんの、知事さんの権限で会議が持たれますので、どういうことを協議するのか、それから大綱にどういうことを書くのかというのは知事さん、市長さんにその権限があるというのが文科省の説明でもあるんですね。
 そうすると、この法律の下で、今後もその学力テストの取扱いのことなどは知事さんの方から積極的に提案をされて、そして大綱の中でどう書くかということなんかも今後考えていくおつもりがあるのかどうかというのをちょっと確認したいなと思ったんです。

○公述人(川勝平太君) 考えていくつもりはあります。
 ただ、総合教育会議というのは私の権限で全てを決められるような筋のものではありません。そして、この総合教育会議は教育委員会と協議をしながら大綱を決めるということでございますから、したがって、私が言わば恣意的に、一方的に私の意見を押し付けるということができるというふうには考えていません。

○田村智子君 突っ込んだ質問で申し訳なかったんですが、ありがとうございました。今後の審議の参考にしたいと思います。
 もう一点だけ、梅澤公述人にお聞きしたいんですが、梅澤公述人は教員の養成に関わる研究もされておられるので学校現場にも足を向けておられるかなと推測する下で、この校長先生のお名前の公表ということが学校現場や先生方や子供たちに与えた影響というのを、もし何か感じていることがございましたらお聞かせください。

○公述人(梅澤収君) これは、下位を出すというのはかなりすごい学校に与える影響は大きいなと思いましたが、八十六名の上位、平均点以上の人を公表するという形になったということで、これだと顕彰というか頑張ったところを褒めるみたいな形になったので、結果的に私はよかったというふうに思っていました。
 文科省は、今年度からは、それを各自治体で判断できると、教育委員会で判断できるという形になりましたので、これは恐らく文科省もその辺のところをもう見越して、こういうトラブルが余り起こらないように、各自治体の判断でやっていいというふうに今年要項を変えておりますから、そういう意味ではこの点についてはよかったというか安心しました。
 私が言いたいのは、総合教育会議は対立するならむしろ交渉して調整するということができると思うんですが、これが対立も全くなくて、先ほど言ったように、首長さんが選んだ教育委員と教育長で会議をやったときに対立が生じるのか。だから、それをうまくやれるのが首長のマネジメント力であるし、バランス力であるし、結果的にそこをうまく人組みをしないとうまく機能しないということも確かなので、これはもう完全に性善説に基づく法制度というふうに考えております。以上です。

○田村智子君 ありがとうございます。
 終わります。ありがとうございました。